■ユーロ安に一幅の兆しが…
ユーロ圏の材料は相変わらず芳しくないが、ユーロ安一服の兆しが出てきた。ユーロ/米ドルは6月高値を起点とした下落ウェッジの下限をいったんトライした形で10月1日(火)にて安値更新したものの、昨日(10月3日)まで切り返しを果たしてきた。
(出所:TradingView)
より重要なのは、安値更新の水準で、いったん9月3日(上のチャートの【1】)と9月12日(上のチャートの【2】)安値を下回り、その後、切り返してきたことだ。
プライスアクションの視点では、3日の足型は「スパイクロー」、12日の足型は「強気リバーサル&アウトサイド」のサインと解釈されるから、本来、安値更新があれば、急落していくはずだった。しかし、急落せずにまた切り返してきたから、両日の安値更新自体が「ダマシ」であった可能性が示唆されたわけだ。
同じサインの可能性が、豪ドルでも観察された。そもそも、10月1日(火)の豪利下げ直後の反応として、いったん急速な豪ドル高があったが、その後たちまち急落、1時間足など短期スパンにおいて典型的な「ダマシ」のサインを点灯させ、その後の大幅下落をもたらした。豪ドル/米ドルはザラ場においていったん安値更新したほどだ。
(出所:TradingView)
■豪ドル/米ドルはトリプルボトムになる可能性も
豪ドル/米ドルの場合、8月7日(水)の「スパイクロー」に対して、9月3日(火)の足型が「強気リバーサル」のサインを点灯、安値再更新をいったん回避したが、10月1日(火)の豪利下げ後に大幅続落し、ザラ場においていったん安値を更新した。
(出所:TradingView)
本来、このような重要な安値を割り込んだら、ガンガン下値を切り下げ、すでに大幅な急落を果たしていてもおかしくない。しかし、そうならず、ここまで切り返してきたことは、同安値の更新自体が「ダマシ」であり、トリプル・ボトムを形成する可能性が示されていると言えるだろう。
■英ポンドは「意外」に堅調
EU離脱懸念がまったく消えない英ポンドに至っては、一目均衡表の「雲」ゾーンさえ割り込めず(特に英ポンド/米ドルの場合はギリギリで維持した)、「意外」に堅調なところを見せている。
(出所:TradingView)
となると、これからやはり米ドル全体の頭打ち、そして、反落が継続される可能性を意識しておきたい。今晩(10月4日)の米雇用統計後の値動きは、一時的に米ドル高に振れたとしても、前述のサインが消えない限り、やはり米ドル売りに仕掛けた方がよさそうだ。
■米ドル/円は保ち合いを継続か
最後に、米ドル/円の見通しだが、外貨安が一服してくれば、クロス円における円高傾向が修正される可能性が大きく、米ドル/円がドルインデックスと連動してガンガン下値を切り下げていくとは考えにくい。
(出所:TradingView)
米ドル/円は保ち合いを継続、再度レンジの形成をもって次の上放れの土台を構築、といったシナリオが有力視される。
詳細はまた次回、市況は如何に。
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