■ドルインデックスは下落サイン点灯の可能性が強まる
昨日(10月10日)の反落で、かねてから指摘していたテクニカル上の可能性が強まってきた。1つはドルインデックスにおける「三尊天井(※)」の可能性、もう1つは10月1日(火)の陰線が示した「弱気リバーサル」のサインが事実上、「ダマシ」であった可能性だ。高値更新自体が「ダマシ」であったから、ここから続落の可能性も高まり、前述の「三尊天井」の形成につながるだろう。
(※編集部注:「三尊天井」=「三尊型」。「三尊型」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ばれていて、人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼ぶこともある)
(出所:TradingView)
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■ユーロも豪ドルも9月高値の更新をめざすだろう
次は、ユーロ/米ドルの「下落ウェッジ」の形成や上放れに注目しておきたい。ユーロ安を見込む見通しが圧倒的に多いなか、ユーロのフォーメーションから考えると、リバウンドはむしろこれからだと思う。
(出所:ひまわり証券)
もっとも、プライスアクション上の解釈はより奥深い。ユーロの底打ちは、9月12日(木)の大陽線(強気リバーサル)をいったん否定してから再度底打ちを果たしたわけなので、いわゆる「ダマシのダマシ」の発生で、前述のフォーメーションの可能性を強化したわけだ。
先週(10月4日)のコラムの内容をより深くわかってもらうという目的もあって、このあたりの見方は動画(YouTube)にまとめたから、よかったら検索してみてもらいたい。
【参考記事】
●米雇用統計の結果にかかわらず株高になる!? 米ドル/円は保ち合い継続か(2019年10月4日、陳満咲杜)
そして、豪ドルも然り。昨日(10月10日)の大陽線で、再度「強気リバーサル」のサインが点灯、前回のコラムにて指摘した豪ドル/米ドルの「トリプル・ボトム」の可能性を一段と強化したというわけだ。ユーロも豪ドルもこれから9月高値の更新をめざすだろう。
(出所:ひまわり証券)
■英ポンドは大きく上昇して一気に流れを好転
そして英ポンドについても、前回のコラムで言及した一目均衡表における「雲」ゾーンのサポートがある限り、切り返しが継続されるという見方のとおり、昨日(10月10日)は大きく上昇して一気に流れを好転させた。
【参考記事】
●米雇用統計の結果にかかわらず株高になる!? 米ドル/円は保ち合い継続か(2019年10月4日、陳満咲杜)
(出所:ひまわり証券)
(出所:ひまわり証券)
実質的な材料がないにもかかわらず、英ポンドの値幅がかなり大きかったから、違和感を覚える方もいらっしゃると思うが、そもそも主要外貨のうち、最近は英ポンドが一番しっかりしていたから、昨日(10月10日)のような値幅拡大があってもサプライズではないとみる。
■まだ早いが、米ドル/円日足の「逆三尊」を念頭に…
そして、肝心の米ドル/円も実は「雲」ゾーンの支持を確認、調整の一服を示唆している。今、言っていいかどうかは迷っていたが、あえて指摘させていただくと、まだ早いと思いつつも、日足における「逆三尊」の可能性を念頭においた方がよさそうだ。
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(出所:ひまわり証券)
なにしろ、米国株の頭打ち、また、10月における大暴落を見込む見方がウォール街でも巷でも主流のようで、市場の素性に照らして考えると、今年(2019年)は暴落どころか、もう1回バブルになる可能性さえあるかもしれない。それと比例して、米ドル/円の急伸もあり得るから、先入観を捨てたほうが無難だと思う。このあたりの話はまた次回、市況はいかに。
(注:来週10月18日(金)は出張のため、本コラムは1回お休みさせていただきます。何卒ご了承ください)
(13:00執筆)
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