■VIX指数先物のショートは過去最大に
先週(11月18日~)の米ドル/円は、上下80銭ほどの値幅しかありませんでした。
109円台には輸出企業の売りとバリアオプションが、108円台半ばから下には本邦機関投資家の買いが控えており、上下ともガッチリ固められた状態です。
【参考記事】
●米ドル/円は109.50円と110円に2段構えのバリア!? 抜けないなら手前で戻り売りか(11月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米ドル/円は2段構えのバリアが上値阻む! 狭いレンジで推移後、108.50円割れか?(11月14日、西原宏一)

(出所:TradingView)
一方、日本株は強いですね。

(出所:Bloomberg)
材料としては、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の延長がありました。先週(11月18日~)初め時点でのコンセンサスは破棄。そうなればアジア株が荒れるとの予測もありました。
それが一転して延長となったため、ポジティブに受け止められたのかもしれません。ただ、米ドル/円は動かないし、他の通貨を見ても、先週(11月18日~)は軒並み1%も動いていません。
VIX指数先物は、売りポジションが20万枚超と過去最大に積み上がっています。過去の例では、売りポジションが14万枚以上に積み上がると巻き戻しが始まり、VIX指数が上昇、S&P500指数が下落しているそうですが、今回はどうなるのでしょうか。

(出所:Bloomberg)
米中通商協議では、高い確率で第一段階の合意に至るだろうというのがコンセンサス。ただ、具体的な日程がなかなか出てこないですし、もし、合意できなければ……という不安はありますね。
■英経済指標の悪化から、利下げ観測が浮上
11月22日(金)には、ECB(欧州中央銀行)新総裁、ラガルドさんが講演し、財政政策の必要性を訴えました。
教科書的に解釈すると、財政拡大は金利上昇を招き、通貨高要因となるはずですが、11月22日(金)のユーロは英ポンドとともに売られました。

(出所:TradingView)
ヘッドラインは多いのですが、ゲームチェンジャーとなるほどのニュースではなく、影響も続かない。やりにくいですね。
イギリスでは経済指標の悪化から、利下げ観測が浮上していますね。
12月12日(木)には総選挙を控えていますが、利下げが焦点になると短期的には下がる可能性もありそうです。
利下げするにせよ総選挙、そして、ブレグジットを通過するまでは金融政策も決められない。メインシナリオは保守党勝利からの合意あるブレグジットです。
その次に利下げがあるとしても、英ポンド/米ドルは、いったん1.35~1.40ドルを目指してから落ちるのでしょう。
ただ、英ポンド/米ドルは1.30ドル超えに3回トライし、いずれも失敗しました。目先、調整する可能性はありますし、落ちたところは拾っていいのではないかと考えています。
【参考記事】
●トランプ大統領が吠えて徐々に米ドル安へ… 2020年は総じて米ドル安との見方も!(11月21日、西原宏一)
●12月の英総選挙は事実上の再国民投票!? 合意ある離脱なら英ポンドは1.40ドル台へ(10月31日、西原宏一)
(次ページでは、香港区議選の影響、さらに原油などの話題が…)
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