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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

日本株強いが、米ドル/円は身動き取れない。
VIX指数先物の売りポジション過去最大に!

2019年11月25日(月)15:49公開 (2019年11月25日(月)15:49更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■VIX指数先物のショートは過去最大に

先週(11月18日~)の米ドル/円は、上下80銭ほどの値幅しかありませんでした。


109円台には輸出企業の売りとバリアオプションが、108円台半ばから下には本邦機関投資家の買いが控えており、上下ともガッチリ固められた状態です。

【参考記事】
米ドル/円は109.50円と110円に2段構えのバリア!? 抜けないなら手前で戻り売りか(11月11日、西原宏一&大橋ひろこ)
米ドル/円は2段構えのバリアが上値阻む! 狭いレンジで推移後、108.50円割れか?(11月14日、西原宏一)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

一方、日本株は強いですね。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:Bloomberg)

材料としては、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の延長がありました。先週(11月18日~)初め時点でのコンセンサスは破棄。そうなればアジア株が荒れるとの予測もありました。


それが一転して延長となったため、ポジティブに受け止められたのかもしれません。ただ、米ドル/円は動かないし、他の通貨を見ても、先週(11月18日~)は軒並み1%も動いていません。

VIX指数先物は、売りポジションが20万枚超と過去最大に積み上がっています。過去の例では、売りポジションが14万枚以上に積み上がると巻き戻しが始まり、VIX指数が上昇、S&P500指数が下落しているそうですが、今回はどうなるのでしょうか。

VIX指数先物のポジション推移
VIX指数先物のポジション推移

(出所:Bloomberg)

米中通商協議では、高い確率で第一段階の合意に至るだろうというのがコンセンサス。ただ、具体的な日程がなかなか出てこないですし、もし、合意できなければ……という不安はありますね。

■英経済指標の悪化から、利下げ観測が浮上

11月22日(金)には、ECB(欧州中央銀行)新総裁、ラガルドさんが講演し、財政政策の必要性を訴えました。


教科書的に解釈すると、財政拡大は金利上昇を招き、通貨高要因となるはずですが、11月22日(金)のユーロは英ポンドとともに売られました

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

ヘッドラインは多いのですが、ゲームチェンジャーとなるほどのニュースではなく、影響も続かない。やりにくいですね。

イギリスでは経済指標の悪化から、利下げ観測が浮上していますね。


12月12日(木)には総選挙を控えていますが、利下げが焦点になると短期的には下がる可能性もありそうです。

利下げするにせよ総選挙、そして、ブレグジットを通過するまでは金融政策も決められない。メインシナリオは保守党勝利からの合意あるブレグジットです。


その次に利下げがあるとしても、英ポンド/米ドルは、いったん1.35~1.40ドルを目指してから落ちるのでしょう。


ただ、英ポンド/米ドルは1.30ドル超えに3回トライし、いずれも失敗しました。目先、調整する可能性はありますし、落ちたところは拾っていいのではないかと考えています。

【参考記事】
トランプ大統領が吠えて徐々に米ドル安へ… 2020年は総じて米ドル安との見方も!(11月21日、西原宏一)
12月の英総選挙は事実上の再国民投票!? 合意ある離脱なら英ポンドは1.40ドル台へ(10月31日、西原宏一)

■積み上がったNZドル売りポジションの巻き戻しに期待

週末に行われた香港の区議選では、民主派が圧勝しました。この影響はいかがですか?

結果そのものではなく、習近平の反応を見たいですね。


他方、米議会では香港人権・民主主義法案が可決され、トランプ米大統領が署名するかどうかが注目されています。


署名されれば米中対立が先鋭化することになりますが、たとえトランプが拒否権を行使しても上下両院で3分の2以上の賛成票を集めれば法案は成立する。署名しようがしまいが、あまり変わらない、ということになります。

原油市場では、12月5日(木)のOPEC(石油輸出国機構)総会に向けて、協調減産の延長が話題となり始め、底堅さを見せています。

 

原油市場の堅調さは全体的なセンチメントにはプラスですね。今週(11月25日~)の戦略はどう考えますか?

WTI原油先物 日足
WTI原油先物 日足チャート

(出所:Bloomberg)

注目したいのが、IMM(国際通貨先物市場)ポジション。NZドルは、売りポジションが3.5万枚となっており、NZドルにしては高水準

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(NZドル/米ドル)
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(NZドル/米ドル)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

今回の上昇の発端となったのは、11月13日(水)にRBNZ(ニュージーランド準備銀行[ニュージーランドの中央銀行])が政策金利を据え置いたことでした。株価が下落してもNZドルは底堅く、政策金利発表前の水準よりも高いところにいます。


売りポジションが捕まっているようですし、踏み上げに期待してNZドル/米ドルの押し目買いでいいのではないでしょうか。

NZドル/米ドル 日足
NZドル/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

(構成/ミドルマン・高城泰)

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