■トルコにS-400ミサイル到着せず……その理由は?
S-400問題について、今週(12月9日~)、現地メディアでいろいろな憶測が飛び交っています。
S-400のレーダーシステムのテスト開始については、このコラムでも何度か書きましたが、実は、肝心のミサイルが、まだトルコに到着していないようです。
【参考記事】
●S-400テスト継続なら米国は制裁発動か。2020年夏までにトルコで総選挙実施へ!?(11月27日、エミン・ユルマズ)
ミサイルの到着が、1カ月以上も遅れていることについては、「ミサイルを傷つけたくないため、海路を使ったデリバリーが行われ、そのため、遅れが発生している」と説明されています。
確かに、ロシアは中国に届けたS-400も船で送りました。一方で、真の理由は米国と交渉するための時間稼ぎではないかと指摘されています。
ミサイルが到着して、バッテリーに搭載されると稼働できるようになります。トルコ政府は、その前に米国と最終交渉を行っている可能性が高いと考えます。
■様子見モードに入っている投資家が多い
今週(12月9日~)のトルコリラは、対円で18円台後半での小動きが続いています。
トルコ中銀の政策会合に加え、英国の総選挙、米中交渉の行方など投資家にとって気になる話題が多く、様子見モードに入っている投資家も多いです。

(出所:Bloomberg)
英国の総選挙は、ジョンソン首相の保守党が直前の世論調査で大きくリードしていますし、米中については、米国が12月15日(日)に予定している対中関税発動を遅らせると報道されていますので、今週(12月9日~)の為替市場には、大きなボラティリティが発生しにくいと考えます。
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