■ソレイマニ司令官殺害で世界に緊張!
みなさん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、年初から大きな出来事がありました。
トランプ米大統領の指示により、米国軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したことで、世界に緊張が広がりました。
(出所:TradingView)
この措置に対し、イラン国内は怒りに満ち溢れ、軍関係者も政府関係者も宗教指導家も、口をそろえて米国を非難し、必ず報復すると発言をしました。
【参考記事】
●第3次世界大戦の危機!? 今はイラン情勢がすべて。ドル/円や豪ドル/円は戻り売りか(1月6日、西原宏一&大橋ひろこ)
●ソレイマニ司令官暗殺で中東情勢緊迫化! トルコリラの2つのリスクシナリオとは?(1月8日、エミン・ユルマズ)
■全面戦争突入の不安は払拭
下手をすれば、イランと米国の全面戦争に突入するかと心配されましたが、その不安はどうやら払拭されたようです。
イランは、国内向けのアピールという面もありますが、イラクにあるいくつかの米軍の基地にミサイル攻撃をしかけました。しかし、これは非常に抑制された攻撃で、米国人の死者は一人も出ませんでした。さらに、イラン側は、これで報復は終わりで、戦争は望んでいないというメッセージも出しています。
これに対して、トランプ米大統領も、「軍事報復はしない」と発言。その代わりとして、新たな経済制裁を科すとしました。
よくよく考えてみると、どちらも戦争だけは避けたいという意図が、最初から見え見えだったわけです。
【参考記事】
●米ドル/円は、新たなレンジで戻り売り! 中東情勢緊迫化は、短期で決着がつきそう(1月7日、バカラ村)
■中東リスクを材料にした相場はいったん終了へ
金融市場も、一時、リスクオフで株価急落、円全面高という展開がありましたが、現在は落ち着きを取り戻し、元に戻ってきています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足)
これでいったん、この材料は終わりかなと考えています。
■2020年の注目は米大統領選。米ドルはどうなる?
さて、今年(2020年)1年を展望してみましょう。
今年(2020年)は、何といっても、米大統領選挙がもっとも注目されます。
トランプ米大統領は、これから再選に向けて、とにかく景気を浮上させることに全力を傾けると思います。
FRB(米連邦準備制度理事会)に対しても、さらなる利下げ圧力をかけてくるでしょう。
今井氏は、11月の米大統領選で再選を果たしたいトランプ大統領が、ここから景気を浮上させることに全力を傾けるだとうと予想している。FRBに対しても、さらなる利下げ圧力をかけてくるのではないかと指摘。写真は2016年の米大統領選に向けた演説時のもの (C)Mark Wilson/Getty Images
そうなると、若干、米ドル安圧力がかかりますが、一方で米国の景気が底堅いことで下支えされるため、米ドルは、狭いレンジの中で安定的に推移することが多くなるのではないかと考えています。
(出所:Bloomberg)
米中は、おそらく来週(1月13日~)…
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