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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

2020年の注目材料とトレード戦略はコレ!
オリンピック後の景気後退は都市伝説!?

2020年01月09日(木)13:15公開 (2020年01月09日(木)13:15更新)
今井雅人

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■ソレイマニ司令官殺害で世界に緊張!

 みなさん、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、年初から大きな出来事がありました。

 トランプ米大統領の指示により、米国軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したことで、世界に緊張が広がりました

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 この措置に対し、イラン国内は怒りに満ち溢れ、軍関係者も政府関係者も宗教指導家も、口をそろえて米国を非難し、必ず報復すると発言をしました。

【参考記事】
第3次世界大戦の危機!? 今はイラン情勢がすべて。ドル/円や豪ドル/円は戻り売りか(1月6日、西原宏一&大橋ひろこ)
ソレイマニ司令官暗殺で中東情勢緊迫化! トルコリラの2つのリスクシナリオとは?(1月8日、エミン・ユルマズ)

■全面戦争突入の不安は払拭

 下手をすれば、イランと米国の全面戦争に突入するかと心配されましたが、その不安はどうやら払拭されたようです。

 イランは、国内向けのアピールという面もありますが、イラクにあるいくつかの米軍の基地にミサイル攻撃をしかけました。しかし、これは非常に抑制された攻撃で、米国人の死者は一人も出ませんでした。さらに、イラン側は、これで報復は終わりで、戦争は望んでいないというメッセージも出しています。

 これに対して、トランプ米大統領も、「軍事報復はしない」と発言。その代わりとして、新たな経済制裁を科すとしました。

 よくよく考えてみると、どちらも戦争だけは避けたいという意図が、最初から見え見えだったわけです。

【参考記事】
米ドル/円は、新たなレンジで戻り売り! 中東情勢緊迫化は、短期で決着がつきそう(1月7日、バカラ村)

■中東リスクを材料にした相場はいったん終了へ

 金融市場も、一時、リスクオフで株価急落、円全面高という展開がありましたが、現在は落ち着きを取り戻し、元に戻ってきています。

世界の通貨VS円 1時間足
世界の通貨VS円 1時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足

これでいったん、この材料は終わりかなと考えています。

■2020年の注目は米大統領選。米ドルはどうなる?

 さて、今年(2020年)1年を展望してみましょう。

今年(2020年)は、何といっても、米大統領選挙がもっとも注目されます。

 トランプ米大統領は、これから再選に向けて、とにかく景気を浮上させることに全力を傾けると思います。

 FRB(米連邦準備制度理事会)に対しても、さらなる利下げ圧力をかけてくるでしょう。

トランプ米大統領の写真

今井氏は、11月の米大統領選で再選を果たしたいトランプ大統領が、ここから景気を浮上させることに全力を傾けるだとうと予想している。FRBに対しても、さらなる利下げ圧力をかけてくるのではないかと指摘。写真は2016年の米大統領選に向けた演説時のもの (C)Mark Wilson/Getty Images

 そうなると、若干、米ドル安圧力がかかりますが、一方で米国の景気が底堅いことで下支えされるため、米ドルは、狭いレンジの中で安定的に推移することが多くなるのではないかと考えています。

ドルインデックス 週足
ドルインデックス 週足チャート

(出所:Bloomberg)

■米中貿易交渉でトランプ大統領が妥協!?

 米中は、おそらく来週(1月13日~)、貿易交渉に関して、第1次合意をすると思います。

 これは良いニュースですが、追加関税を回避しただけで、まだ、これまで課してきた関税はそのまま残っており、今後、その撤廃に向けて本格的な交渉が始まっていきます。ここでは、中国経済の構造的な問題に踏み込んできますので、交渉は難航が予想されます。

【参考記事】
2019年の為替市場を総まとめ! 米中貿易摩擦とブレグジット問題は、2020年も続く!?(2019年12月27日、今井雅人)

米中首脳の写真

2020年は、米中で関税の撤廃に向けた本格的な交渉が始まっていくことになりそう。しかし、中国経済の構造的な問題に踏み込んでいくため、交渉は難航しそうだと今井氏は指摘。写真は2019年6月の大阪G20時のもの (C)Visual China Group/Getty Images

 しかし、選挙を控えたトランプ米大統領は、何らかの形で妥協点を見出すのではないかと、私は見ています。

 そうなると、中国経済に対してもプラスの効果が出てくるでしょう。

■オリンピック後の景気後退は都市伝説!

 日本では、東京オリンピックが7月から開催されます。

オリンピックが終わると、日本の景気が一気に落ち込むと言う人が多く見受けられますが、私は正直、そんなことは単なる都市伝説に過ぎないと考えています。

【参考記事】
伝説のディーラー・藤巻健史氏に聞く(1) 東京五輪前にハイパーインフレで円大暴落!?

GDP(国内総生産)が500兆円を超える経済大国の日本で、オリンピック程度のことが経済に大きく影響するとは、とても考えられせん。

【FX初心者のための基礎知識入門】
GDPを見ればその国の景気がわかる! 実質・名目の違いは? 個人消費にも注目

 オリンピックに向けて、インフラの整備が行われている程度の効果で、大したことはありません。ですから、逆に言えば、終わった後も、さほど影響はないだろうということです。

■英ポンドの動意は年後半!?

 今月(1月)末に、いよいよ英国は、EU(欧州連合)を離脱(=ブレグジット)することが、確実になってきました。

 しかし、ここでは、市場はあまり反応しないでしょう。

 それより、問題は今年(2020年)の末までを移行期間として、その間に、EUとのFTA(自由貿易協定)締結など、環境整備をしなければいけないということです。

ボリス・ジョンソン英首相は、今年(2020年)末の期限は延長しないと言っています。

 一方、EU側は、そんな短期間にFTA締結などは、できるはずがないと言っています。

ジョンソン英首相の写真

1月のEU離脱がほぼ確実になった英国のジョンソン首相。その後に待ち受けているのはFTA締結などの環境整備になるが、移行期間が終了する2020年12月末までに交渉をまとめあげることはできるのだろうか (C)Justin Sullivan/Getty Images

年後半には、この問題が英ポンド相場を振り回すことになると考えています。

【参考記事】
2019年の為替市場を総まとめ! 米中貿易摩擦とブレグジット問題は、2020年も続く!?(2019年12月27日、今井雅人)
米ドル/円は年末年始にかけて110円へ!? EU離脱で2020年の英ポンドは下落か(2019年12月19日、今井雅人)

英ポンド/米ドル 週足
英ポンド/米ドル 週足チャート

(出所:TradingView

■米ドル/円は上げ下げを細かく取っていく戦略で

 以上、簡単にポイントを紹介しましたが、こうした要因に加えて、今年(2020年)は各国の中央銀行も、あまり金融政策をいじらないと思いますので、為替相場も大きくは動きづらいだろうなと考えています。

米ドル/円も、2019年と同様、105~110円を中心に、プラスマイナス2円程度のレンジに入り込んでしまうのではないかと思います。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView

狭いレンジの中でも、上げ下げを細かく取っていく戦略で向かいたいと思います。


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