■新型コロナウイルスでリスク回避が続く
金融市場は、新型コロナウイルスの感染拡大に注目しており、まだ、収束のメドがついていないことから、リスク回避の動きが継続しています。
1月30日(木)に、WHO(世界保健機関)は非常事態を宣言しましたが、人や物の移動を制限しなかったことから、行き過ぎた悲観が一時的に後退しました。しかし、米国が中国への渡航を制限したこともあり、リスク回避が継続しています。

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この新型コロナウイルスの鎮静化が見えてこないことには、人や物の移動の制限が解除されないこともあって、中国の景気が悪化し、それに伴って、他の国も景気が鈍化していくことになります。
そのため、株式市場は軟調になり、為替市場もリスク回避の推移が続くことになります。
【参考記事】
●ドル/円は109円中心のレンジで戻り売り。新型コロナウイルスでリスク回避の動き続く(1月28日、バカラ村)
■沈静化が見えてこなければ、リスク選好にならない
タイの保健省が、新型コロナウイルスに感染した患者へ、インフルエンザの治療薬とエイズの発症を抑える薬を混合して投与したところ、回復したと報じられています。これが効くようであれば、リスク回避の動きも収束することになりますが、まだ、続報が出てきておらず、楽観的になれない状態です。
中国政府は、約18.7兆円規模の資金供給やリバースレポ金利の引き下げ、株式の空売り規制など、株式市場の下げを止めるための対応をしています。
【参考記事】
●中国の資金供給は、18兆ではなく2.3兆円!? リスクオフの円高。ドル/円は戻り売り継続(2月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
2月3日(月)は、米国のISM製造業景気指数が、50.9と良い結果だったことも合わさり、米国株は反発しています。
【FX初心者のための基礎知識入門】
●ISM製造業景気指数とは? 米国の景気を占う先行指標!? 非製造業部門にも注目!

(出所:Bloomberg)
ただ、中国が資金供給をしたとしても、新型コロナウイルスの沈静化が見えてこないことには、人や物の移動が制限されたままになるため、リスク選好にはならないことになります。
■英MPC、金利据え置きも内容はハト派
先週(1月27日~)は、英MPC(金融政策委員会)もありました。
直前にハト派な要人発言が続いたこともあり、利下げ支持が何票になるのかが注目されていましたが、結果は前回(2019年12月)と同じ2票となり、7対2で政策金利は据え置きとなりました。
それを受けて、英ポンドはショートカバーの動きとなり、月末のリバランスも合わさって、英ポンド/米ドルは一時的に、1.32ドル台に乗りました。

(出所:TradingView)
ただ、BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])は四半期インフレ報告で、2020年の成長率見通しを、前回(2019年11月)の1.2%から0.8%へ引き下げ、2021年以降も下方修正しています。内容としては、ハト派といえるような内容になります。
週末(1月31日)には、英国が正式にEU(欧州連合)から離脱しましたが、これからEU側との交渉に入ります。
ただ、11カ月という交渉期間は非常に短く、交渉期間の延長を決める期限も6月末までとなることから、英ポンド高になる材料には乏しい状況です。
【参考記事】
●ドル/円は109円中心のレンジで戻り売り。新型コロナウイルスでリスク回避の動き続く(1月28日、バカラ村)
ここまで、米ドル高で考えてきましたが…
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