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MACDとは
「MACD」とは、期間の異なる2つの移動平均線の関係を視覚的に表した、トレンド系のテクニカル指標です。正式名称は「Moving Average Convergence and Divergence」、日本語では「移動平均線収束拡散法」などと訳されますが、トレーダーの間では「マックディー」や「エムエーシーディー」の呼び方で親しまれています。
MACDの要素を算出するときに使う移動平均線には、EMA(指数平滑移動平均線)を使います。これは、EMAのほうがSMA(単純移動平均線)よりも直近の値動きに敏感に反応しやすく、トレンドの転換をより早く捉えることができると考えられているからです。
MACDは、米国で投資顧問会社を運営していたジェラルド・アペルが1970年代に考案したもので、移動平均線の進化版とも言われています。FXに限らず、多くの金融商品の分析で高い有効性が証明されているので、基本的な見方やトレードへの活用方法を、ぜひとも覚えておきたい指標の1つです。
MACDの構成要素と基本的な見方
MACDは、「MACD」「シグナル」「ヒストグラム」の3つの要素で構成されます。
(出所:サクソバンク証券)
「MACD」は短期EMAから中期EMAを引いた値で、通常、短期EMAには12、中期EMAには26のパラメーター(期間)を使用します。
「シグナル」は、MACDのEMAです。通常は9のパラメーターを使用し、MACDとの位置関係から相場のトレンドや売買ポイントを判断するために活用します。
「ヒストグラム」は、MACDからシグナルを引いた値です。MACDとシグナルの距離感をわかりやすく表したもので、通常は棒グラフで表示されます。
■MACDの3つの構成要素と算出方法 | |
MACD | 12EMA - 26EMA |
シグナル | MACDの9EMA |
ヒストグラム | MACD - シグナル |
通常、相場にトレンドが発生していると、移動平均線は期間の短い移動平均線のほうが価格に近い水準で推移します。そのため、上昇トレンドでは短期EMAの値が中期EMAの値を上回り、MACDの値はプラスの推移を続けます。反対に、下降トレンドでは短期EMAの値が中期EMAの値を下回り、MACDの値はマイナスの推移を続けます。
(出所:サクソバンク証券)
そこから、MACDの値がプラスなら相場は上向き、MACDの値がマイナスなら相場は下向きの状態にあると推測することができます。また、短期EMAと中期EMAの距離が縮まっていくと、MACDはゼロラインに向かって推移するので、そのときは相場の上昇や下落の勢いが弱まってきていると判断することもできます。
そのほかにも、MACDの値がマイナスからプラスへ転じたポイントは、短期EMAが中期EMAを上回ってゴールデンクロスが発生したところ、MACDの値がプラスからマイナスへ転じたポイントは、短期EMAが中期EMAを下回ってデッドクロスが発生したところなので、チャートに移動平均線を表示させなくても、移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスを知ることが可能です。
MACDのトレードへの活用方法
MACDのトレードへの活用としてもっとも有名なのが、MACDとシグナルがクロス(交差)したポイントを売買シグナルにする方法です。具体的には、マイナス圏で低下していたMACDが横ばいから上昇へ転じ、シグナルを上回ったら買いサインが点灯、反対に、プラス圏で上昇していたMACDが横ばいから低下へ転じ、シグナルを下回ったら売りサインが点灯したとみなします。
(出所:サクソバンク証券)
上の図は、MACDと、短期の12EMA・中期の26EMAを同時に表示させたチャート画像ですが、売買シグナルとなりえるMACDとシグナルのクロスのほうが、EMAのゴールデンクロスやデッドクロスよりも先に出現しています。つまり、MACDは移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスを使うよりも先に売買シグナルが点灯し、トレンドの変化を先取りしていち早くエントリーすることが可能になります。これが、MACDが移動平均線の進化版と言われる理由です。
また、MACDとシグナルがクロスすると、ヒストグラムはマイナスからプラスへ、またはプラスからマイナスへ転換します。プラスとマイナスのどちらからでも、ヒストグラムがゼロに向かって縮小しているということは、MACDとシグナルの幅が縮まってきているので、そこから将来的にMACDとシグナルがクロスする可能性を、前もって予測することが可能です。
そのほかにもMACDの傾きに注目して、MACDが上昇から低下に転じたポイントを売り、低下から上昇に転じたポイントを買いのサインとみなす方法もあり、おもに短期売買で有効だと考えられています。さらに、シグナルの方向性でトレンドを判断したり、MACDとゼロラインの交差をゴールデンクロスやデッドクロスと捉えたりする方法も知られています。
MACDのデメリットや、オシレーター指標として使用する際の注意点
MACDは相場に明確なトレンドが発生していれば、MACDやシグナルの方向性も把握しやすく、売買ポイントを判断するテクニカル指標として有効に機能します。一方、明確なトレンドが発生していないレンジ相場や、相場がきわめて緩やかな上昇や下降を続けているときは、MACDとシグナルのクロスが売買シグナルとして機能しづらくなるという弱点がある点には注意が必要です。
MACDは相場の買われすぎや売られすぎを判断するための、オシレーター系のテクニカル指標として使われることもあります。しかし、RSIなどの一般的なオシレーター系のテクニカル指標とは異なり、MACDの値には上限と下限が存在しないため、買われすぎや売られすぎの判断基準があいまいになりがちです。
そのため、MACDをオシレーター系のテクニカル指標として活用するときは、TradingView(トレーディングビュー)のような過去の値動きを長期にわたって確認できるチャートが使える環境と、過去の限界水準と比較して、今の相場が買われすぎなのか売られすぎなのかを相対的に判断できるスキルが必要になるでしょう。
また、ジェラルド・アペルが考案したオリジナルのMACDには、MACDとシグナルの2つの要素しかなく、のちにトーマス・アスプレイが開発したヒストグラムが「MACD2」と呼ばれるようになり、現在では3つの要素をまとめたものがMACDと呼ばれています。FX会社のチャートシステムによっては、ヒストグラムのないオリジナルのMACDを提供しているところもあるので、ヒストグラムをトレードに活用しようと考えている人は、保有しているFX口座のMACDでヒストグラムが表示できるか、確認することをおすすめします。
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