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MACDとは
「MACD」は、期間の異なる2つの移動平均線の距離が、くっついたり離れたりする様子を視覚的にわかりやすく描写したテクニカル指標です。移動平均線の進化版と言われているテクニカル指標で、「Moving Average Convergence and Divergence」の頭文字を取って名付けられています。日本語では「移動平均線収束拡散法」と呼ばれたりします。

(出所:サクソバンク証券)
トレーダーの間では「マックディー」や「エムエーシーディー」呼ばれて親しまれている、人気の高い分析手法です。
一般的には、トレンド系のテクニカル指標に分類されますが、使い方によっては逆張りのポイントを判断するオシレーター系の指標として活用されることもあります。FXだけでなく、値動きのあるあらゆる金融商品で有効性の高さが証明されていますので、基本的な見方や使い方を覚えておきたい指標の1つです。
MACDの3つの要素
MACDでは移動平均線にEMA(指数平滑移動平均線)を使用します。SMA(単純移動平均線)より、直近の値動きに敏感に反応しやすいため、トレンドの転換をより早く捉えることができると考えられています。
MACDは、「MACD」、「シグナル(MACDシグナル)」、「ヒストグラム」と呼ばれる3つの要素で構成されています。MACDというテクニカル指標を形成する要素の1つにMACDというものがある、というややこしさはありますが、そういうものだと理解してください。

(出所:サクソバンク証券)
MACDは、短期EMAから中期EMAを引いた値になります。通常は短期EMAには12日、中期EMAには26日を使用します。日足以外の時間軸で活用する場合も、12と26の設定数値はいっしょです。
シグナルは、MACDの9日EMAになります。MACDの移動平均線ということです。シグナルをつなげた線と、MACDをつなげた線を重ねて表示させて、2本の位置関係から相場のトレンドや売買ポイントを判断するのが基本的な手法です。
ヒストグラムは、MACDの値からシグナルの値を引いたものになります。MACDとシグナルの、くっついたり離れたりする様子を視覚的に表していて、チャート上では通常、棒グラフで表示されます。
3つの要素をまとめると、以下のような感じになります。
・ シグナル=MACDの9日EMA
・ ヒストグラム=MACD - シグナル
1970年代に、米国で投資顧問会社を運営していたジェラルド・アペルが考案したオリジナルのMACDは、MACDとシグナルの2つの要素で構成されていました。その後、トーマス・アスプレイによって開発されたヒストグラムが「MACD2」と呼ばれるようになり、今では3つの要素をまとめて表示したものをMACDと呼ぶのが一般的になりました。FX会社によっては、ヒストグラムのないオリジナルのMACDを提供しているところもあります。
MACDの基本的な見方
相場にトレンドが発生すると、短期EMAが先にトレンドに反応し、そのあとに中期EMAが遅れて反応します。これは移動平均線の典型的な特徴です。トレンドが継続しているときは、短期EMAの方が価格に近い水準で推移するので、上昇トレンドのときは常に、短期EMAの値が中期EMAの値よりも大きくなり、MACDの値はプラスになります。反対に、下降トレンドのときは常に短期EMAの値が中期EMAの値よりも小さくなるので、MACDの値はマイナスなります。
つまり、MACDの値がプラスなら相場は上昇トレンド、マイナスなら下降トレンドと判断することができます。
また、MACDの値がマイナスからプラスに転じたポイントは、EMAがゴールデンクロスしたところ、MACDの値がプラスからマイナスに転じたポイントは、EMAがデッドクロスしたところになるので、売買シグナルとして活用できます。

(出所:サクソバンク証券)
上のチャートは、ローソク足に12日EMAと26日EMAを重ねたチャートと、MACDを同時に表示させたものです。これを見ると、その関係がよくわかると思います。
トレードへの活用方法
トレードへの活用方法としてもっとも知られているのは、MACDとシグナルのゴールデンクロスやデッドクロスを売買シグナルと判断するやり方です。マイナス圏で低下していたMACDが横ばいから上昇に転じ、シグナルを上回ったら買い、反対にプラス圏で上昇していたMACDが横ばいから低下に転じ、シグナルを下回ったら売りという方法です。

(出所:サクソバンク証券)
12日EMAと26日EMAのクロスよりも、MACDとシグナルのクロスの方が先に現れています。2本の移動平均線を使うより、売買シグナルの発生するタイミングが早いので、トレンドの変化を先取りできます。MACDが移動平均線の進化版と言われる所以はここにあるのです。
そのほかにも、MACD自体のトレンド、すなわち傾きに注目して、MACDが上昇から低下に転じたら売り、低下から上昇に転じたら買うといった活用方法もあります。こちらは主に、短期売買に有効だと考えられています。また、シグナルの方向性でトレンドを判断したり、MACDとゼロラインの交差をゴールデンクロスやデッドクロスと捉えるやり方なども知られています。
ヒストグラムの見方
ヒストグラムは、MACDとシグナルの位置関係を視覚化して、MACDの今後の動きを予測する目的で開発されたものです。プラスでもマイナスでも、ヒストグラムの値がゼロに向かって縮小すれば、MACDとシグナルの幅が縮まっているということになります。MACDとシグナルが、クロスする可能性を示唆しているのです。

(出所:サクソバンク証券)
ヒストグラムがマイナスからプラスへ転換したポイントは、MACDとシグナルがゴールデンクロスした場所です。ヒストグラムがプラスからマイナスへ転じたポイントは、MACDとシグナルがデッドクロスした場所です。これも、売買シグナルとして使用できます。
MACDの注意点
MACDはオシレーター系の指標として、相場の買われすぎや売られすぎを判断するために使われることもあります。
ただし、MACDの値には上限と下限が存在しません。通常のオシレーター系指標は、数値がゼロから100の間で推移するのが一般的ですが、MACDは限界値が存在しないので、買われ過ぎや売られすぎの判断基準があいまいになってしまうという難しさがあります。過去の限界水準と比較して、今の相場が買われすぎなのか売られすぎなのかを相対的に判断するスキルが必要になります。
相場に明確なトレンドが発生しているときは、MACDやシグナルの方向性もはっきりするため、売買ポイントを判断する指標として有効に機能します。しかし、価格がものすごく緩やかな上昇や下落を続けているときや、レンジ相場のときは、MACDとシグナルのクロスが売買シグナルとして機能しづらくなるという弱点があることも押さえておきたいポイントです。
(最終更新日:2021年4月2日)
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