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西原宏一_メルマガ取材記事
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バカラ村の「FX専業トレーダーの相場観」

株はリーマンショック以来の大幅下落、3月
FOMCは0.5%の利下げか。米ドル/円は105円も

2020年03月03日(火)12:50公開 (2020年03月03日(火)12:50更新)
バカラ村

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■米株式市場、リーマンショック以来の大幅下落!

 米ドル/円は2月20日(木)に、112.22円までショートカバーで上昇しましたが、新型コロナウイルスのパンデミック懸念もあり、先週(2月24日~)の米株式市場はリーマンショック以来の大幅下落

【参考記事】
想定どおりに進んだドル高も今週は一服か。米国株は今後、リスク回避の材料に警戒!(2月18日、バカラ村)
NYダウ暴落! 最悪の事態は織り込んだか。トイレットペーパー買い占めより安値を拾え!(2月28日、陳満咲杜)

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:Bloomberg)

米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も、それに連れるように下落しています。

世界の通貨VS円 4時間足
世界の通貨VS円 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足

 また、米長期金利(10年物国債利回り)は、過去最低の1.02%台まで低下しました。

米長期金利(10年物国債利回り) 日足
米長期金利(10年物国債利回り) 日足チャート

(出所:Bloomberg)

■日米が相次いで新型コロナに対する対応を示唆

 先週末(2月29日)には、中国の製造業PMI(購買担当者指数)が35.7、非製造業PMIが29.6と、コロナウイルスの影響で驚くような悪い数字が出てきました。

中国PMIの推移
中国PMIの推移

(出所:Bloomberg)

 それを受けて、3月2日(月)に米ドル/円は107.35円まで下落。早朝のシドニー市場では107円割れも一時的につけています(※)。

(※編集部注:3月2日(月)の米ドル/円は一般的な取引時間のFX会社では107.35円近辺の安値をつけていますが、非常に早い時間から取引可能な一部のところでは、107円割れもあった模様です)

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:Trading View

 コロナウイルスによるリスク回避が続いており、市場は悲観的な状態になっていますが、2月29日(土)には安倍首相が、「10日間ほどで緊急対策第2弾」を発表すると発言しており、昨日(3月2日)には日銀が、「潤沢な資金供給に努める」とする黒田日銀総裁の談話を発表しました。

 さらに、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は利下げを示唆しており、これを受けて3月2日(月)の米国株は反発しています。

■今はまだ、株式市場が上昇するような状況ではない

 ただ、これまでの下落は、金融政策で一時的に止めることはできますが、コロナウイルスの感染拡大を防止するために、経済活動を止めた状態になっており、景気が上向くわけではないため、株式市場が上昇するような状況ではありません

 大規模イベントの自粛要請や、中国の封じ込めなども行われており、これが解除されない間は、経済への影響は悪いままになります。

 ただ、リーマンショックのときと違って、コロナウイルスの感染拡大が収まるような状況になれば、止まっていた経済が動き出しますので、そのときは、止まっていた分の需要が一気に出てくるため、本格的な上昇へとつながると思います。

■3月FOMCは、0.5%利下げを織り込み済み

 コロナウイルスの影響で、株式市場から債券市場へ資金が流れており、米長期金利は低下。リスク回避のときは、ゴールド(=金)が買われやすいのですが、ゴールドは昨年(2019年)末から上昇していたこともあって、現金化の動きも出てきており、手仕舞いでの下げとなっています。

NY金 日足
NY金 日足チャート

(出所:Bloomberg)

 3月17日(火)~18日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、0.5%の利下げが予想されており、すでに織り込み済みの状態になっています。もしも、0.25%の利下げになると、株式市場はさらに下がることになります。

【FX初心者のための基礎知識入門】
FOMCとは? 米国の政策金利FFレートやイベントのスケジュールを徹底解説!

2020年3月FOMC時点でのFFレート予想(3月2日時点)
2020年3月FOMC時点でのFFレート予想(3月2日時点)

(出所:CME)

 今の状態がFOMCまで続けば、0.5%の利下げを行い、さらに、追加利下げの可能性を残したままにする必要があるほどの状況まできています。

■ユーロ/米ドルはまだ上昇する可能性あり!

 コロナウイルスの影響で、米ドル/円はリスク回避の円高となっていましたが、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げによる日米の金利差縮小での円高(=米ドル/円の下げ)も合わさってきています。

 ユーロ/米ドルも、リスク回避ポジションの逆回転で、これまで売られていたものが買い戻されて上昇しており、さらに欧米の金利差縮小もあって、3月2日(月)は1.1184ドルまで上昇してきました。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:Trading View

 IMM(国際通貨先物市場)のポジションでは、投機筋の米ドルに対するユーロのポジションが、約11万枚の売り越しになっていることから、コロナウイルスが沈静化しなければ、ポジションの手仕舞いも出やすく、ユーロ/米ドルもまだ、上昇する可能性があると考えています。

【参考記事】
IMMの危険水準は円10万枚、ユーロ15万枚、英ポンド10万枚だが、さらに確認すべきは?

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(ユーロ/米ドル)2月25日時点
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(ユーロ/米ドル)2月25日時点

※CFTCのデータを基にザイFX!が作成

■米ドル/円は105円を目指す動きを想定

米ドル/円は、大きなレンジは105~115円だと考えていますが、110円から上への定着に失敗しており、リスク回避と日米の金利差縮小のため、レンジ下限の105円を目指す動きが考えられます。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:Trading View

 市場が総悲観になっていることもあって、株式市場などでのリスク回避の下落は、終わりが近いようにも思いますが、目先はまだ、米ドル/円の下げについていきたいと考えています。

【参考記事】
金融政策でコロナショックは収まらない! 「ボルマゲドン」ならドル/円は100円も!?(3月2日、西原宏一&大橋ひろこ)
新型肺炎は中国の問題から世界的な問題へ。米ドル/円は105円程度まで下落の可能性も(2月28日、今井雅人)
「セル・ジャパン!」と言いながら円売り。低ボラ脱却へ。米ドル/円は下値余地拡大か(2月27日、西原宏一)

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