■納会前日の手仕舞い売りで原油15ドル割れ
今朝(4月20日朝)は、WTI原油先物価格が暴落し、とうとう15ドルを割りました。

(出所:TradingView)
もともとWTI原油先物は、限月間スプレッドが拡大していました。
足もとでは5月限が15ドル、6月限が23ドルで、8ドルという猛烈なコンタンゴ(期近より期先が高い状態)になっています。
これだけ開くのは見たことがありません。

(出所:TradingView)
異常ですね。
逆にいえば、現物を買って長期保有していれば確実に儲かるサヤであるということ。
先物市場でも価格が下落しているのにネットロングが積み上がっていました。
しかし、5月限は明日4月21日(火)が納会です。
現受けできないのであれば、反対売買をして決済しなくてはなりません。
ポジション整理が加速しているものと思われます。
■原油はセリング・クライマックスか
ただ、株式市場は無反応ですね。
もともと3月の株価暴落は、3月9日の月曜日早朝に原油が急落したことがきっかけでした。
その直後は、原油と株価のコリレーション(相関性)を注目していましたが、今の原油は産油国会合や要人発言に左右されるだけの「政治プロダクト」となってしまい、株価とのコリレーションも切れている印象です。
【参考記事】
●米ドル/円、95円が現実的なターゲットに!? 新型コロナに減産協議決裂…リスク満載!(3月9日、西原宏一&大橋ひろこ)
原油価格の下落は米国のシェール企業に打撃ですし、すでに破たんした会社も1社出ています。
シェール企業の資金調達先であるハイイールド債市場が、この先、穏やかに推移するのかといえば疑問です。
時差をともなって株式市場に影響する可能性もありますよね。
【参考記事】
●日本の緊急事態宣言でセル・ザ・ファクトか。豪ドルの瞬間的な急騰は、誤発注だった!?(4月6日、西原宏一&大橋ひろこ)
週末にはシンガポールの石油商社が経営破たんしたというニュースも出ていましたね。
石油商社が飛んで、アジア市場でこれだけ暴落し、かといって株式市場は無反応なところからすると、今日(4月20日)がセリング・クライマックスではないかとの印象もあります。
(次ページでは、ゴールドやトランプ米大統領、今週の戦略の話題が…)
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