■市場が混乱する中、スイスフランは買われ続ける
そして、こうした混乱の中、避難通貨として買われ続けている通貨があります。
それは「スイスフラン」。以下は、ユーロ/スイスフランの日足チャートです。
(出所:IG証券)
ユーロ/スイスフランは、再び1.0500フランレベルまで値を下げてきています。
なぜ、この1.0500フランが注目されているかといえば、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])の存在があるからです。
スイス中銀、フラン売り為替介入を強化 通貨高を抑制
スイス国立銀行(中央銀行)は19日、スイスフラン売りの為替介入を強化すると発表した。スイスフランが対ユーロで約4年8カ月ぶりの高値圏で推移しており、これ以上の通貨高を抑えるのが狙い。一方、世界で最低水準にある政策金利はマイナス0.75%に据え置き、利下げは見送った。
出所:日経新聞
この記事に報道された3月19日(木)以降のユーロ/スイスフランは、1.0525フランの安値から反発しています。
しかし、今週(4月20日~)の原油の乱高下のという混乱の中、再び1.0500フランレベルまで急落しています。
このレベルを割り込むようなことがあれば、報道されているようにSNBがスイスフラン売りの為替介入を行うかどうかに注目が集まります。
(出所:IG証券)
仮に、久しぶりにSNBが介入すれば、ユーロ/スイスフランは急騰し、ユーロ/米ドルは1.1000ドルを越えて、1.1500ドルに向けて急騰する可能性が高まります。
(出所:IG証券)
■SNBの介入次第で、ユーロ/円は120円に向けて反発へ
結果、このところ107.00~108.00円で膠着している米ドル/円の動向から考えれば、ユーロ/円は再び120円に向けて反発することになります。
(出所:IG証券)
(出所:IG証券)
本稿執筆時点でのユーロ/スイスフランは、1.0515フランレベルと、1.0500フランブレイク目前の水準にまで低下しています。
SNBが介入を決断するかどうかは、新型コロナショックがスイス経済にどの程度のインパクトを与えているかにかかっています。
(出所:Worldometerのデータを基にザイFX!編集部にて作成)
新型コロナショックとWTI原油の混乱から、避難通貨として買い進められたスイスフランは、再びユーロ/スイスフランで1.0500フランという重要な水準まで下げてきました。
この水準を死守するため、SNBが介入に踏み切るのかどうか…。それによってユーロ/スイスフラン、ユーロ/円が急反発するのかどうかに注目です。
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