■2020年の経済成長はマイナス3%!?
新型コロナウイルスの感染者数の増加ペースは落ち着いてきており、トランプ大統領もピークを過ぎたと発言しています。
ただ、まだ経済が戻るような状況ではなく、封鎖は継続します。
IMF(国際通貨基金)は、2020年の世界経済成長率予測をマイナス3.0%と、1月時点のプラス3.3%予測から下方修正してきました。
(出所:国際通貨基金『2020年4月「世界経済見通し(WEO)」』
1930年以来の落ち込みになる可能性があるとも発言しており、経済としては、まだまだ悪くなっていきそうです。
■主要国で経済活動再開の兆し。でも日本は…
ただ、良いニュースも出てきています。
ニュージーランドでは、早い段階から封鎖したこともあり、来週(4月27日~)からロックダウン(都市封鎖)を解除することが発表されました。
警戒レベルを緩和してロックダウンを解除すると発表したニュージーランドのアーダーン首相。早い段階で国家非常事態の宣言や国境封鎖を行ったことが、国内外から評価されている (C)Hagen Hopkins/Getty Images
欧州の一部でも、今月(4月)下旬から、経済の一部を再開することが示唆されており、トランプ大統領も「3段階で経済活動を再開」することを発言しています。
明るいニュースが出てきていますが、日本に関しては、先週(4月13日~)、全国的に緊急事態宣言が出され、周回遅れとなっているような状況です。
【参考記事】
●米国はロックダウン解除に向けた動きに。株下落でも米ドル/円は110円に向けて上昇へ(4月16日、西原宏一)
■株価はまだ上昇する可能性も
直近のNYダウや日経平均は、横ばいとなっています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
米国の過去最大規模の財政政策や、超緩和的な金融政策もあり、行き過ぎた下落から戻していますが、高いところでは買いも続かず、膠着し始めています。
ただ、財政政策・金融政策に加えて、経済も動き始めるのであれば、まだ上昇する可能性が出てきます。
【参考記事】
●なぜ不景気の株高に? ウイルス蔓延で深刻な景気後退にならなかった3つの事例とは?(4月17日、陳満咲杜)
今週からは、FRB(米連邦準備制度理事会)が債券購入額を縮小することになります。また、WTI原油(=NY原油)の下落もあって、その点はリスクになりますが、株式市場はまだ、底堅い動きになると思います。
【参考記事】
●FRBのなりふり構わぬ政策で、米ドル安の可能性が高まる。米ドル/円は再度101円も!?(4月14日、バカラ村)
●原油暴落! 今日がクライマックスかも!? 為替市場のルールは、変わりつつある!(4月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
■ユーロ/NZドルの売りが良さそう!
今週(4月20日~)は、重要な経済指標の発表は少ないですが、イベントとしては、23日(木)にEU(欧州連合)首脳会議があります。
通貨ユーロは、基本的に戻り売りで考えていますが、共同債の発行が合意されるようであれば、ショートカバーする可能性があります。
ただ、簡単にはまとまらないと思いますので、ユーロは戻り売り継続で考えています。
ロックダウンが解除されると、その国の通貨はしばらく、買い方向になると思いますので、ニュージーランドの通貨NZドルは、買い目線です。
そのため、ユーロ/NZドルの売りが良いのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
■米ドル売り方針に変化はないが…
米ドルに関しては、FRBの金融政策の影響で、中期的には売り方向だと考えています。
ただ、英ポンド/米ドルなどのドルストレート(米ドルが絡んだ通貨ペアのこと)では、テクニカル的な面からは、目先はドル高になる可能性があります。
英ポンド/米ドルは、1.2400ドルがサポートされていますが、そこも下抜ける可能性があります。
(出所:TradingView)
米ドル安だと考えていますが、まだ、チャートからはその兆候がなく、米ドルに関しては、まだ様子見、もしくはドル高になったところで、米ドルを売れば良いのではないかと考えています。
基本的に、先週(4月13日~)から変わっておらず、金融市場の動きも出てきていないため、イメージとしては同じままになります。
【参考記事】
●FRBのなりふり構わぬ政策で、米ドル安の可能性が高まる。米ドル/円は再度101円も!?(4月14日、バカラ村)
●日本は、本日(4月7日)緊急事態宣言発表へ。コロナウイルス相場が終われば米ドル安か(4月7日、バカラ村)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)