FOMCを控えて、マーケットは様子見の姿勢が強くなり、マーケットは静かだった。アジア時間でドル円が軟調となり、107円台に突っ込んだものの、その後は動きが鈍い。海外市場では108円ちょうどをはさんで行ったり来たりの動きが続いたままであった。またユーロ円もポジション調整を繰り返し、121円台まで下がったりもしている。
FOMCでは何が期待されているのか。すでに電撃利下げを2回もやって、短期金利はゼロ金利となっている。クレジットの悪いものまで含めて社債やCPを買い上げるということで、量的緩和の側面も強化した。一時は期待が持ち上がったマイナス金利政策も、これだけ株高の状態になってしまうとやりづらい。
あとはイールドカーブコントロールくらいしか言及のしようがないのだが、コントロールできるとは言い切れないのが当局のつらいところだ。元議長のグリーンスパンも「長期金利のなぞ」と言ったくらいに、長期金利を恣意的に動かすのは困難だからだ。果たしてそこの部分をどのように扱うのか。
後はパウエル議長が現在の回復具合をどのように見ているのかだ。「底を打った」などと明言すれば、それは緊急利下げの分は近いうちに元に戻すのではないかとの憶測を呼ぶ。トランプ大統領に押されて居るわけでもなかろうが、目下のところは利上げには動きたくないはずだ。
だからその辺のところをどのように評論するか、である。あまり悲観的に述べたりしても、現在の株価動向と合致していないことになり、FRBとしての信頼を失うことにもつながりかねないからだ。
ところで米国株が4月以来、大きく切り返してきて、すでにコロナ騒動前の水準まで戻ってきている。そしてナスダック指数は史上最高値を更新してきた。
もしも株価が世の中のバリューに合致したものであるというならば、何度でも都市部のロックダウンを繰り返せばいいのではないかということになる。東京も3回も4回も緊急事態宣言を出すことによって、外出や消費が抑制されればされるほど、日経平均も10万円に向かって上がろうというものだ。
しかしバリューからかけ離れた動きは、そう長くは続かない。これは過去のショック時の時を振り返ってみればいい。リーマンショックは2年前から騒がれてきたことなので、あまりショックというには及ばない。
想定していないことが起きたということでは、9-11テロの時が参考になる。あのときも9月に飛行機が突っ込んだときはパニックになって、10月まで株はそれなりに下押しはしたが、年末にかけて年初来の高値をつけるなど、大きく株価上昇を演じているのだ。本格的な下げは翌年に来たのである。
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