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西原宏一_メルマガ取材記事
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バカラ村の「FX専業トレーダーの相場観」

米ドル安の材料豊富で短期的には過熱感も。
戻り局面に注意だが長期的な米ドル安は継続

2020年07月28日(火)12:06公開 (2020年07月28日(火)12:06更新)
バカラ村

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■復興基金に関する合意でユーロが上昇

 EU(欧州連合)首脳会議では、欧州の復興基金に関する協議が難航していましたが、これが合意されました。

 これまでユーロ圏は、通貨としてのユーロは統一されていましたが、財政はバラバラだったこともあり、おもに北欧と南欧で格差が出ていましたが、財政面に関しても、統一への一歩を踏み出したことになります。

【参考記事】
ユーロ/米ドルの上昇は、今後も続く! 歴史的な「欧州復興基金」の実現が下支え(7月22日、志摩力男)

 過去にはユーロ崩壊の危機もありましたが、今後はこの可能性も低くなることになります。

それを受けて、ユーロは強い動きをしています。

ユーロVS世界の通貨 4時間足
ユーロVS世界の通貨 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 4時間足

■米ドルは下落。ユーロ/米ドルはレジスタンスを突破

 それに対して米ドルは、FRB(米連邦準備制度理事会)による無制限の金融緩和や米政府の財政赤字があり、さらには実質金利も低下しているため、米ドル安となっています。

米ドルVS世界の通貨 4時間足
米ドルVS世界の通貨 4時間足チャート

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足

 ユーロ高となっているため、相対的に米ドル安になっているという面もあり、ユーロ/米ドルは1.15ドルのレジスタンスを超えて、1.1781ドルまで上昇しました。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 コロナウイルス相場では、株式市場が堅調であれば米ドル安、株式市場が崩れるようであれば米ドル高となっていますが、各国の景気対策によって株式市場が堅調なため、この面からの米ドル安もあります。

【参考記事】
緩やかに米ドル安。米ドル高より米ドル安材料の方が多く、大きな流れに変化なし!(7月21日、バカラ村)
米国のコロナ禍拡大は短期的には米国株を支え、米ドル全体を下落させる材料に!?(7月10日、陳満咲杜)

株式市場は、過剰流動性相場でもあり、まだ堅調な推移が続くのではないかと思います。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView

■ワクチンに関する報道も、リスク選好材料だが…

 また、新型コロナウイルスに対するワクチンの完成は、来年(2021年)になるとの見通しが多かったのですが、早ければ9月に実用化されるとの報道もあり、これもリスク選好の材料となります。

 ただ、このワクチンに関しては、過去に何度も、臨床試験の結果が良いという報道と、臨床試験の結果が悪いという報道が繰り返されていたこともあり、実際に完成するまでは、注意しなければいけない内容かと思います。

■今週はFOMC。米ドル安イベントか

 今週(7月27日~)は、28日(火)~29日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)があります。

 金融政策は現状維持になると思いますが、パウエルFRB議長の会見には注目です。

 新型コロナウイルスが、まだ収まっておらず、景気の回復もまだ先になることから、前回同様に、経済に関しては悲観的な発言をしてくるものと思います。

パウエルFRB議長

バカラ村氏は、FOMCは金融政策の現状維持を決定しそうだが、会合後のパウエルFRB議長の会見内容には注意したいと指摘。前回同様、経済に関しては悲観的な発言をしてくると予測している (C)Bloomberg/Getty Images News

 ただ、低金利政策は維持すると思いますし、YCC(イールドカーブ・コントロール)導入の議論もされると思いますので、米ドル安への材料になると考えています

■米ドル/円は、長期サポート水準へ下落の可能性

 米ドル/円は、107.00円を中心とした膠着が続いていましたが、ユーロ/米ドルの上昇に連れるように米ドル安となり、105.11円まで下落しました。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 長期的には、104.50~114.50円前後のレンジが継続していることもあり、先週(7月20日~)に106円のサポートを下抜けたことで、104円台半ばへ下落する可能性があると思います。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView

 米ドル売りという相場観は、そのまま継続しています。さらに、7月24日(金)にポンペオ米国務長官が、中国への強硬姿勢を示したこともあり、これはリスク回避の材料にもなり得るため、米ドル/円は戻り売りで考えたいと思います。

【参考記事】
米ドル/円、104円台半ば抜ければ100円が見えてくる! 動き出せば下落余地は大きい(7月27日、西原宏一&大橋ひろこ)

■ユーロ/米ドルは上抜けた1.15ドルがサポートに

ユーロ/米ドルは、短期的には買われ過ぎの状態になっていますが、長期的には1.15ドルのレジスタンスを突破したことで、次はその水準がサポートになると思いますので、押し目買いで良いのではないかと思います。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

短期的には、米ドル安に過熱感も出ているため、戻り局面も想定すべきですが、長期的には米ドル安が継続するのではないかと考えています。

【参考記事】
緩やかに米ドル安。米ドル高より米ドル安材料の方が多く、大きな流れに変化なし!(7月21日、バカラ村)
もみ合い継続だが、米ドル安の見通しに変化なし! 戻りを待って売りたい(7月14日、バカラ村)
自律的な調整終われば、再度リスク選好へ! 長期的な米ドル安見通しは変わらず。(6月16日、バカラ村)

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