■トルコ中銀の大幅利上げの可能性はあるのか?
今週(8月17日~)のトルコリラですが、対米ドルで7.40リラ近辺まで下がり、対円でも14.20円水準まで下がってきました。

(出所:IG証券)

(出所:IG証券)
市場が注目しているのは、8月20日(木)に行われるトルコ中銀の政策会合です。トルコ中銀が大幅利上げに踏み切れば、トルコリラは2018年のように大きく反発する可能性があるからです。
しかし、エルドアン大統領の利上げ反対姿勢が続いているため、大幅利上げの可能性は低いと思います。

エルドアン大統領が利上げに反対姿勢を示しているため、トルコ中銀の大幅利上げの可能性は低そう… (C)Anadolu Agency/Getty Images
以前からお伝えしているように、トルコ中銀は、直接、政策金利を上げなくても、裏口利上げに踏み切りました。
【参考記事】
●トルコ中銀は禁じ手使ってリラ防衛に成功! だが、秋以降の相場は荒れる懸念あり(8月5日、エミン・ユルマズ)
●トルコリラ/円、早くも14.50円近辺へ下落。なぜ? 利上げなしに本格的な上昇は困難か(8月12日、エミン・ユルマズ)
先週(8月10日~)から、市場に供給しているトルコリラの量を減らすことを決め、この方法で実質金利を引き上げています。
トルコ中銀は、金利コリドー制度(※)を採用していて、金利コリドーの上限は10%です。トルコ中銀はトルコリラの流動性を縮小することで、実質金利を政策金利である8.25%から金利コリドーの上限である10%に近づけてきました。
実質金利はすでに9.50%を超えていますので、これは1.25%以上の裏口利上げが行われたということになります。
(※編集部注:金利コリドー制度とは、中央銀行の金融政策において誘導目標とする金利に上限と下限を設けて、一定の範囲内で変動するよう促すしくみのこと)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)