■金価格調整でもほとんど下落しなかったユーロ/米ドル
前回の当コラムでは、金価格の調整を取り上げました。
【参考記事】
●金が崩れたなら、ユーロ/米ドルも調整か。目先は1.15~1.20ドル程度のレンジ相場へ(8月12日、志摩力男)
マーケットをつぶさに見ると、金や銀といった貴金属マーケットと、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルといった為替マーケットの瞬間的な動きに連動性があることがわかります。
これは、AIやマクロヘッジファンドといったプレーヤーが貴金属も通貨も同じようにトレードしているからだと思われます。
しかし、金価格は2089ドルから1874ドルまで約10%下落し、ある程度の調整を見せましたが、ユーロ/米ドルは1.1916ドルから1.1711ドルまで2%弱の下げにとどまり、ほとんど下げようとしなかったのは驚きでした。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
これだけ下値がしっかりしているということは、本格的な資金シフトが背景にあるということでしょう。
ユーロ/米ドルは、ほとんど動かない時間帯も長いですが、いったん動き出すと、しっかりとしたトレンドになることが特徴です。
もっとも流動性のあるマーケットであるからこそ、こうした動きになるのだと思います。
■ユーロ/米ドルはまだ割安で、ロングを仕掛けやすい
また、金は歴史的に見て最高値近辺にあります。
その一方、ユーロ/米ドルは3月安値1.0635ドルから見て1300pips、約12%上昇していますが、購買力平価では1.3ドル程度が適正レベルと見られており、まだ割安と言えるレベルです。
その意味でも、ユーロ/米ドルのロングポジションは手掛けやすいポジションです。
【参考記事】
●現在のユーロ/米ドルは割安! 2020年後半ユーロがどこまで上昇するか…注目!(8月5日、志摩力男)

(出所:TradingView)
■IMMでロングだからこそ、ユーロ/米ドルはロングでOK
ただ、IMM(国際通貨先物市場)でユーロ/米ドルのロングポジションが史上最高レベルに積み上がっていることを気にされる方も多いでしょう。
【参考記事】
●米ドルは戻り売りで! バフェット氏の金鉱株購入は、長期的な米ドル安を見越した動き!?(8月18日、バカラ村)
●急上昇後に下がっているユーロ/米ドルは買いか? 売りか? IMMポジションをどう読む?(8月4日、バカラ村)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
ここを説明すると長くなってしまいますが、僕は、IMMでロングであるからこそ、ユーロ/米ドルはロングでOKと思っています。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルの上昇は、今後も続く! 歴史的な「欧州復興基金」の実現が下支え(7月22日、志摩力男)
マーケットでは株価が上昇し、金や銀といった貴金属も上昇、為替市場では米ドル安の動きですが、何がこの動きの背景に…
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