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田向宏行
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バカラ村の「FX専業トレーダーの相場観」

米大統領選が終われば、リスク選好に期待
できる! 今の米ドル高は短期的な動きに

2020年09月29日(火)12:03公開 (2020年09月29日(火)12:03更新)
バカラ村

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■リスクオフ環境で米国株は調整局面

 日本では、新型コロナウイルスの感染は落ち着きつつありますが、世界的には、新規感染者は増加傾向にあり、感染者数は約3300万人、死者数は約100万人まで増加しています。

新型コロナウイルスの感染者数(上段)と死亡者数(下段)の推移(全世界累計・9月28日時点)
新型コロナウイルスの感染者数(上段)と死亡者数(下段)の推移(全世界累計・9月28日時点)

(出所:世界保健機関)

 これは、リスク回避の材料となりますが、それ以外にも、米議会で追加の経済対策の規模をめぐって対立が続いており、なかなか決まらないこともあって、米国株は調整局面となっています。

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView

■米ドルもオセアニア通貨もチャートポイントに到達

株が下がると米ドル高となりますが、オセアニア通貨も弱くなります。9月22日(火)に、デベルRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])副総裁が、マイナス金利や為替介入の可能性に言及したことも重なり、豪ドル/米ドルは0.7005ドルまで下がりました

【参考記事】
豪ドル/米ドルを戻り売り! 豪ドル高を牽制したRBAの注目人物とは?(9月28日、西原宏一&大橋ひろこ)
33%急騰してきた豪ドル/米ドルが調整局面入りか! 金の反落に利下げの噂も…(9月24日、西原宏一)
オセアニア通貨とは? FXで取引できるオセアニア通貨の種類や特徴を紹介!

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 そして、上昇が続いていたドルインデックスは、9月25日(金)に、94.74まで上昇しました。

 レジスタンスとなる3月安値付近まで到達したことで、それぞれがチャートポイントまで推移し、いったん止まった状態となっています。

【参考記事】
ドルインデックスは目先、3月安値が目標。それ以上の上昇には、ドル買い材料が必要(9月23日、バカラ村)

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

■今週は重要イベントが目白押し!

今週(9月28日~)は、重要イベントが多い週になります。

 28日(月)からは、英国とEU(欧州連合)の9回目の通商交渉が行われており、日本時間30日(水)午前には、米大統領選の第1回テレビ討論会が開催されます。

【参考記事】
米大統領選とは? 制度のしくみや特徴、米ドルなどの為替相場や株価への影響を解説

 さらに、半期末ということもあり、特殊要因で動く可能性にも気を付けるべき時です。

 また、経済指標では、10月1日(木)にISM製造業景況感指数、2日(金)には米雇用統計の発表があります。

【参考コンテンツ】
FX初心者のための基礎知識入門:ISM
FX初心者のための基礎知識入門:米雇用統計

■英ポンドは売り材料あるが、今は様子見で

 英国とEUの通商交渉は、ジョンソン英首相が10月15日(木)を期限としていることもあり、まだ、時間的な余裕があります。

 そのため、少しでも良い条件を引き出そうと、ジョンソン英首相の強硬姿勢は続く可能性があり、英ポンドにとっては売り材料となります。

英ポンド/米ドル 日足
英ポンド/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 ただ、英ポンドは、ニュースヘッドラインで簡単に急騰することや、合意が近いとの見方もあるため、今は様子見をしたい通貨になります。

【参考記事】
英ポンドは、どう動く!? ブレグジット移行期間終了に向けた予想シナリオとは?(9月23日、志摩力男)

■米大統領選終われば米株は上昇、今の米ドル高は短命

 NYダウなどの米株価指数は、今月(9月)に入ってから軟調に推移していましたが、このまま下げが続くようには考えておらず、米大統領選に向けたポジション調整という認識です。

 米大統領選が近くなってきたこともあって、積極的にポジションを建てる人は少なくなると思いますが、米大統領選(11月3日)が終われば懸念材料がなくなるため、年末に向けて上昇しやすいと考えています。

NYダウ 週足
NYダウ 週足チャート

(出所:TradingView

 トランプ大統領が再選した方が、米国株の上昇は強いと思いますが、バイデン氏が勝利したとしても、米国株は上昇するのではないかと思います。

米大統領選が終われば、リスク選好の動きが年末に向けて期待できるのではないかと考えています。

 そのため、今の米ドル高も、短期的な動きで終わると考えています。

【参考記事】
ドルインデックスは目先、3月安値が目標。それ以上の上昇には、ドル買い材料が必要(9月23日、バカラ村)

ドルインデックス 週足
ドルインデックス 週足チャート

(出所:TradingView

■ユーロ/米ドルは短期的に戻り売り、長期では上昇予想

 ユーロは、IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向で、投機筋の米ドルに対する買い越しが約19.1万枚に偏っています。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(ユーロ/米ドル) 9月22日時点
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(ユーロ/米ドル) 9月22日時点

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 まだ、かなり買い越しが多い状態で、ユーロ/米ドルが上昇していくのは難しいのではないかと思います。

 また、1.17ドルのレンジ下限を下抜けたこともあって、テクニカル的にも調整しやすい状況です。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 そのため、ユーロ/米ドルは、短期的には戻り売りで考えていますが、それはあくまでも、調整局面を狙っているトレードとなり、長期に関しては、ユーロ/米ドルは上昇というイメージのままでいます。

 今週(9月28日~)は、米大統領選のテレビ討論会や、月末ということもあって、乱高下しやすいですが、テクニカルやポジションの偏りから、ユーロ/米ドルは戻り売りで良いのではないかと考えています。

【参考記事】
目先、調整のユーロ/米ドルは戻り売りで! 新たな買い材料がないと上昇は継続しにくい(9月8日、バカラ村)

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