■米景気対策法案絡みの報道で米国株は不安定な動き
みなさん、こんにちは。
今週(10月19日~)のマーケットですが、米景気対策法案に関する報道で、米国株は不安定な展開。
(出所:TradingView)
米景気対策法案の合意が近いという報道が流れると米国株が上昇、その期待が後退すると値を崩すという繰り返しです。
多くのマーケット参加者のトレードシステムは、頻繁に報道される「米景気対策法案に関するヘッドライン」に反応して短期売買を繰り返していますが、長期のプレイヤーはもとより、短期のトレーダー勢も、こうした乱高下には参戦せず。
なぜなら、ペロシ米下院議長とムニューシン財務長官が話し合いを繰り返し、「合意に達する見込みがある」と報道されたとしても、米上院で共和党が合意しなければ無駄だからです。
そして今のところ、米上院で共和党は、民主党が提案している規模の景気対策法案に対して反対姿勢を崩してないので、選挙前に立法化される可能性は低いまま。
もちろん、共和党が妥協して合意にたどりつく可能性もゼロではないため、注目せざるを得ないのですが、この米景気対策法案のヘッドラインに翻弄され、不安定に上下する株とクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の間で収益を落とさないように留意したいところです。
■米大統領選後も、FRBの金融緩和長期化でドル安継続か
米大統領選挙まであと2週間となり、マーケットも神経質な展開となってきました。今週(10月19日~)は、ヘッジファンドや銀行の友人などと頻繁にミーティングしたことをまとめると、下記のとおり。
(1)長期のプレイヤーは、11月3日(火)の米大統領選挙を終えても、郵便投票による遅れなどが要因で大統領が選ばれる時期が後ずれする可能性があるため、大きなリスクは取っていない。
(2)トランプとバイデン、どちらが大統領になっても財政が拡大され、現在の金融緩和が長期化することは避けられない。(バイデンのほうが、財政拡大の規模は大きいのでしょうが…)。
そのため、現在のFRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和の長期化を背景に、米ドル安が続くのではないかという意見が目立ちました。
■グリーンボンド発行は、欧州への資金流入促しユーロ高へ
そして、注目が高かったのが、英ポンドのようにヘッドラインに振り回されないユーロ/米ドルのロング(米ドルショート)。
ユーロ/米ドルは、9月1日(火)に1.2011ドルの高値をつけた直後、ECB(欧州中央銀行)当局による口先介入により、調整局面入り。そして、調整が始まってから1カ月半経過…。
可能性としては、節目の1.1500ドル辺りまで調整することも想定していましたが、1.1500ドルどころか1.1600ドルも割り込めず、安値は9月25日(金)につけた1.1612ドル止まりとなっています。
(出所:TradingView)
今週(10月19日~)の「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議 」でも触れましたが、EU(欧州連合)が予定する28兆円のグリーンボンド発行は、欧州への資金流入を促してユーロ高となる可能性があります。
【参考記事】
●米大統領選、形勢逆転の可能性も浮上か。バイデン次男がオクトーバー・サプライズ!?(10月19日、西原宏一&大橋ひろこ)
そのため、米大統領選挙の結果に関わらず、中期ではそのインパクトにより、ユーロ/米ドルで1.30ドルと予測する銀行も登場。
(出所:TradingView)
懸念のECBの口先介入は、ユーロ/米ドル上昇トレンドを変えるようなものではなく、あくまでもスムージングオペレーションだと想定しています。
そのため、1カ月半の調整を終え、元の上昇トレンドに戻りつつあるユーロ/米ドルのロングは継続。
そして、11月は米大統領選挙の影響でマーケットのボラティリティが高まるため、リスクオフに備えて、米ドル/円や米ドル/スイスフランのショートというのも注目されているようです。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
私もユーロ/米ドルのロングは、継続。
米大統領選挙の結果に関わらず、米ドル安は続く可能性が高く、調整完了で上昇トレンドに回帰しつつあるユーロ/米ドルに注目です。
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