ウッドショック! 世界の金融市場で木材相場の急騰が話題に
2021年5月上旬現在、世界の金融市場であまり耳慣れない商品(コモディティ)銘柄が急上昇して注目を集めています。その商品銘柄とは「木材(材木)」です。
木材といえば、住宅をはじめ、さまざまな使用用途がありますが、木材相場が急上昇している背景には、新型コロナウイルスの感染拡大があります。
テレワークが普及したことで、米国を中心に都心の集合住宅から郊外の一戸建てへ移住する人が急増。新築やリノベーションに伴う木材需要が高まりました。
その一方で、コロナの影響から木材の製造は減少。木材のコンテナ輸送にも制限がかかったりしていることなどから供給が不足し、需給バランスが崩れているのです。
世界的な木材不足や木材価格の値上がりで、日本の木材業界も木材調達に苦労しており、戸建ての工期が遅れたり、価格が上がったりする可能性が出始めています。そんな状況をオイルショックならぬ「ウッドショック」と呼ぶ動きもあるようです。
当サイトの週次連載コラム「ヘッジファンドの思惑」を執筆する元インターバンク・ディーラー西原宏一さんも、そんな木材相場に注目するひとり。
5月6日(木)のコラムで西原さんは、カナダドル続伸の理由の1つとして商品(コモディティ)相場高を挙げています。数ある商品相場の中でも「特に注目が集まっているのが、材木相場。材木相場が最高値を更新しており、新たなインフレの兆候として話題になっています」と指摘しているのです。
【参考記事】
●テーパリング着手で上昇のカナダドルは、材木相場の急騰で、さらに買い妙味アリ?(5月6日、西原宏一)
また、西原さんと、商品相場に造詣が深いフリーアナウンサー大橋ひろこさんによる対談形式の週次連載コラム「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」においても、5月10日(月)のコラムで木材相場が話題に。
【参考記事】
●木材や鉄鉱石の急騰で、資源国通貨買い! 豪ドル/円は直近高値上抜けで90円視野に(5月10日、西原宏一&大橋ひろこ)
大橋さんは、木材相場上昇の背景について「カナダの年金基金や、アジアや中東の政府系ファンドが、米国の住宅会社と組んで住宅の購入や建設をする投資を行っているそうです」と解説しています。
日本では木材相場そのものを気軽にできる環境はほとんど整っていない
そんなに木材相場が急上昇しているのなら、その波に乗ってみたいと思うトレーダーも多いでしょう。
ツイッターに目を向けてみると、木材高騰で上がりそうな日本の個別株を一生懸命に探す人がいたり、木材高騰を見込んで、おそらく冗談半分で山林購入を検討したりする人がいました。
一方、木材不足は国内で木材の供給や建材の提供する銘柄は特需のチャンス
— キムタンVer.1.5@株式投資家 (@ZER8DTijfRzO0rK) May 2, 2021
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木材高騰を見込んで山林買うべきですか?
— 極超音速のGOX(2冠) (@GOXGOXGOX2) May 6, 2021
では、そういった間接的な方法ではなく、木材相場そのものを取引することはできないのでしょうか?
じつは日本では木材相場そのものを取引できる環境はほとんど整っていません。
日本の商品取引所である東京商品取引所、大阪取引所、大阪堂島商品取引所では、木材銘柄の取り扱いがないのです。
また、世界で一番有名な木材相場はCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のシカゴ木材先物(Random Length Lumber Futures)ですが、日本国内の口座でシカゴ木材先物を取り扱っているのは、サクソバンク証券だけの模様です。
【参考リンク】
●CMEのシカゴ木材先物の公式サイト
もっとも、サクソバンク証券の先物取引は、取引経験が豊富なユーザー向けに提供されているサービス。口座開設にはフォームからの問い合わせが必要になるなど、標準的な手続きだけでは取引開始には至りません。一般的なユーザーがサクソバンク証券でシカゴ木材先物を気軽に取引開始する、というわけにはいかないようなのです。
IG証券ならシカゴ材木先物CFDを取引可能! 1カ月で2倍の急騰
しかし、商品先物ではなく、商品CFDで木材相場そのものを、日本の個人投資家が取引する手があるのです。それがIG証券の商品CFDです。
IG証券の商品CFDなら、シカゴ木材先物を原市場とした、シカゴ材木先物CFDをFX感覚で取引できます。
ここで「木材」と「材木」という名称についてちょっと説明しておくと、先物の取引所であるCMEの日本語公式サイトでは「木材」という名称が使われています。ところが、これを原市場としたCFDを提供しているIG証券は、CFD銘柄の名称をシカゴ「材木」先物CFDとしているのです。
そのため、ここまでは「木材」という言葉をおもに使用してきましたが、ここからはIG証券の具体的なCFD銘柄については、IG証券の表記にしたがって、「材木」という言葉を使用します。
さて、そんなシカゴ材木先物CFDのレートは、原市場のシカゴ木材先物に基づいたレートを100倍したものになります。
また、シカゴ材木先物CFDには4つの銘柄があります。これを列挙すると、以下のとおりです。
・期限なしで円建てのシカゴ材木先物(¥100)
・期限なしで米ドル建てのシカゴ材木先物($1.10)
・期限ありで米ドル建てのシカゴ材木先物($1.10)
・期限ありで米ドル建てのシカゴ材木先物($0.55)
そして、今回取り上げるのは、期限なしで円建てのシカゴ材木先物(¥100)とします。
それでは、シカゴ材木先物(¥100)の相場はこれまでどのように推移してきたのでしょうか? 週足チャートを見てみると、以下のとおりです。

(出所:IG証券)
シカゴ材木先物(¥100)はコロナショック時の2020年3月に2万5748.9ポイントの安値をつけました。そこからコロナ禍での新築やリノベーションに伴う木材需給のひっ迫を受けて9万ポイント近くまで急上昇しました。
その後は9万ポイントというレジスタンスを超えられずにいましたが、コロナワクチンの普及による世界的な景気回復期待が高まると、2021年4月には9万ポイントを明確に突破して暴騰。2021年5月には17万1188.1ポイントまで上げ幅を拡大し、1カ月でほぼ2倍の上昇劇を演じたのです。2020年3月の安値から見てみると、じつに6.5倍以上となったのでした。
シカゴ材木先物(¥100)の売買手数料は無料
今週(5/10~)に入ってからのシカゴ材木先物(\100)は結構、大きく反落しています。木材の深刻な供給不足は今すぐ解消されるたぐいのものでないと考えるのならば、ここは押し目買いのチャンスといえるのでしょうか?
ここでシカゴ材木先物(¥100)を買うとすると、どれくらいの資金が必要になるのか、確認してみましょう。

(出所:IG証券)
上の図はIG証券のスマホアプリの通常注文画面。2021年5月11日(火)時点で、シカゴ材木先物(¥100)が15万3987ポイントで推移しているとき、最小取引単位の0.5ロット買うのに必要な維持証拠金は38万3491円でした。
IG証券の商品CFDのレバレッジは20倍ですから、38万3491円あれば767万円相当の買いポジションを持つことができるわけです。
CFDなら売りから入るトレードも可能。木材相場が反動で下げに転換しても収益チャンスに
一方で、これだけ急上昇したシカゴ材木先物(¥100)ですから、その反動がしばらく続くことも考えられるかもしれません。そのような下げ相場でも、CFDなら新規に売りから入ることもできるので、収益チャンスは常にあるとも言えます。
なお、シカゴ木材先物(¥100)は円建ての商品ですから、日本円を入金するだけでスムーズに取引できます。
また、シカゴ木材先物($1.10)のような米ドル建ての商品を取引したい場合も、自分で日本円から米ドルへと両替する必要はありません。両替はIG証券が自動的に行ってくれるため、手間いらずで簡単です。
そして、IG証券の商品CFDの売買手数料は無料。取引の際にかかるコストはスプレッドだけです。ポジションを翌日に持ち越すと、受取りまたは支払いになるファンディングコストが計上されます。
取引時間は、米国が夏時間なら平日23時~翌6時、冬時間なら平日24時~翌7時。日本の投資家にとってはやや取引しにくい時間帯ではありますが、米国株の取引時間とさほど変わりませんから、米国株経験者にとってはなじみのある時間帯とも言えます。
大きな盛り上がりを見せている木材相場。木材関連の日本株を買ったり、山林購入を検討してみてもいいですが、IG証券のシカゴ材木先物CFDで、世界で一番有名な木材相場そのものを取引してみるのも、おもしろいかもしれませんよ。
(ザイFX!編集部・藤本康文)
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