■ユーロ/ドルは2009年11月前後に安値をつけるか
先ほどはユーロ/ドルの8年サイクルが出てきたが、下のチャート(再掲)のとおり、ユーロ/ドルには4年サイクルも見られるという。
「ユーロ/ドルはほぼ4年周期で安値をつけてきました。前回の安値が2005年11月につけた1.16ドル。ここから次がきっちり4年後にやってくるとすれば2009年11月。やはり、あと1年前後は基本的にユーロ安だと考えます。
ユーロ/ドルの下値メドは前回の主たる安値である1.16ドル前後。そこから、やや行き過ぎるかもしれませんので、きりのいい1.15ドルとしておきます。
上値のメドは昨年12月につけた戻り高値の1.47ドル付近ですね。
上のチャートに破線で示したように、いったん上がってから1.23ドルを割ってくるのか、それとも一時的な上昇がないまま1.23ドルを割ってくるのか、そこはよくわかりません」
■ユーロ/円の下値は105円、上値は135円程度
では、ユーロ/円はどうなのか?
「2000年10月の安値から始まった上昇トレンドが2008年7月の高値で終わったというタイミングはユーロ/ドルもユーロ/円も同じです。ですから、ユーロ/円もあと1年ぐらいは基本的にユーロ安だと考えています」
「あと1年ぐらいのスパンで見て、ユーロ/円の下値は105円程度でしょうか。2000年の安値から2008年の高値までを78.6%引き返した水準が106円なんですが、きりのいいところで105円とします。ちなみに78.6%というのはフィボナッチ(※)の数字の一つです。
また、ユーロ/円の上値は135円ぐらいでしょうか。これは昨年秋以降の下げの38.2%戻しにあたるレートです。38.2%というのもフィボナッチの数字ですね」
(※フィボナッチについては「【09年予想】山中康司さんに聞く(2) ~どうしていつも円高は急激なのか?~」を参照)
■下げるといっても、昨年のような“崩落”はない
ユーロ/円は昨年から今年にかけ、170円から112円まで急落した。まさに“崩落”といっていいようなすさまじい下げ方だった。そこから考えると、このあとユーロ安が進むといっても、105円というのはあまり大したことがない印象なのだが…。
「1回目の下落で大きな値幅が出ましたが、これと同じマグニチュードでまたもユーロ安円高になるとはやや考えづらいです。
昨年のユーロ/円はものすごい変動率でしたが、これが毎年続くというのは考えにくいんですね。今年は段々あまり動かなくなって、“動から静へ”といった流れになるのではないかと思います」
■ユーロの先行指標としてポンドに注目!
ちなみに宮田さんはユーロの動きを予想する時に、ポンドの動きが参考になるのではないかという。
「ポンド/ドルが天井をつけたのは2007年11月ごろ。ユーロ/ドルは2008年7月だから、8ヵ月ぐらい前なんです。対ドルについても対円についても、ポンドはユーロの先行指標的に動いているところがあると思えますから、参考になるんじゃないかと思いますよ」
(ザイFX!編集部・井口稔)
ポンド/ドルとユーロ/ドルを比較

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