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田向宏行
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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?

【09年予想】宮田直彦さんに聞く(4)
~ユーロはもう一度下がる!~

2009年02月12日(木)18:59公開 (2009年02月12日(木)18:59更新)
ザイFX!編集部

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「【09年予想】宮田直彦さんに聞く(3) ~70円台への突入はチャート的に当然~」からつづく)

前々回前回はドル/円について宮田さんの見解を聞いてきたが、今回はユーロについて宮田さんの見解を聞いてみよう。ユーロ/ドル、ユーロ/円の見通しはどうなのだろうか?

■過去8年間のサポートラインを割り込んだユーロ/ドル

 以下は宮田さんが提供してくれたユーロ/ドルの長期チャートだ。1998年以前はECU(欧州通貨単位)のチャートとなっている。ユーロが導入される前はユーロ同等のものに置き換えられて、チャートが描かれているということだ。
ユーロ/ドル月足(クリックで拡大)

 宮田さんによると、まず、ユーロ/ドルには8年のサイクルが見られるという。1992年9月に1.45ドルの高値をつけたあと、2000年10月にユーロ導入後の最安値0.82ドルをつけるまでがユーロ安ドル高の8年。

 そして、そこから2008年7月の1.60ドルまでがユーロ高ドル安の8年だ。

 「ユーロ安ドル高が8年、ユーロ高ドル安が8年と、2000年10月を谷にして、ほとんど左右対称のようなきれいな形ができています。

 そして、昨年秋の急激なユーロ安に伴って、ユーロ/ドルは過去8年間のサポートライン(上のチャートで斜めの青のラインで表示)を明確に割れました。その後はいったん上昇して、かつてのサポートラインに戻る典型的な動きも見られます」

 サポートラインを割れたあと、いったんサポートラインに戻る動きを見せるが、そこが上値の限界になるというのは、ドル/円でも見られた動きだ「【09年予想】宮田直彦さんに聞く(2) ~エリオット波動の5波にあるドル/円~」参照)

■下げは1回では終わらない。もう一度下げ相場が来る

 「1つのトレンドが出た時に1回で終わるというのは極めてまれです。仮に下降トレンドであれば、チャート的には通常2回以上の下げを必要とします。

 昨年秋以降、ユーロ/ドルはまだ1回しか大きな下落の波を作っていません。これはユーロ/円も同様です。ですから、少なくとももう1回は下げる局面が来ると思いますので、ユーロは対ドルでも対円でも戻り売りする戦略でいくべきだろうと思っています。

 ユーロ/ドルは昨年10月に1.23ドルの安値をつけていますが、あれでユーロ安がすべて終わったとは思いにくいということですね」
■ユーロ/ドルは2009年11月前後に安値をつけるか

 先ほどはユーロ/ドルの8年サイクルが出てきたが、下のチャート(再掲)のとおり、ユーロ/ドルには4年サイクルも見られるという。
ユーロ/ドル月足(再掲、クリックで拡大)

 「ユーロ/ドルはほぼ4年周期で安値をつけてきました。前回の安値が2005年11月につけた1.16ドル。ここから次がきっちり4年後にやってくるとすれば2009年11月。やはり、あと1年前後は基本的にユーロ安だと考えます。

 ユーロ/ドルの下値メドは前回の主たる安値である1.16ドル前後。そこから、やや行き過ぎるかもしれませんので、きりのいい1.15ドルとしておきます。

 上値のメドは昨年12月につけた戻り高値の1.47ドル付近ですね。

 上のチャートに破線で示したように、いったん上がってから1.23ドルを割ってくるのか、それとも一時的な上昇がないまま1.23ドルを割ってくるのか、そこはよくわかりません」

■ユーロ/円の下値は105円、上値は135円程度

 では、ユーロ/円はどうなのか?

 「2000年10月の安値から始まった上昇トレンドが2008年7月の高値で終わったというタイミングはユーロ/ドルもユーロ/円も同じです。ですから、ユーロ/円もあと1年ぐらいは基本的にユーロ安だと考えています」
ユーロ/円週足(クリックで拡大)

 「あと1年ぐらいのスパンで見て、ユーロ/円の下値は105円程度でしょうか。2000年の安値から2008年の高値までを78.6%引き返した水準が106円なんですが、きりのいいところで105円とします。ちなみに78.6%というのはフィボナッチ(※)の数字の一つです。

 また、ユーロ/円の上値は135円ぐらいでしょうか。これは昨年秋以降の下げの38.2%戻しにあたるレートです。38.2%というのもフィボナッチの数字ですね」

(※フィボナッチについては「【09年予想】山中康司さんに聞く(2) ~どうしていつも円高は急激なのか?~」を参照)

■下げるといっても、昨年のような“崩落”はない

 ユーロ/円は昨年から今年にかけ、170円から112円まで急落した。まさに“崩落”といっていいようなすさまじい下げ方だった。そこから考えると、このあとユーロ安が進むといっても、105円というのはあまり大したことがない印象なのだが…。

 「1回目の下落で大きな値幅が出ましたが、これと同じマグニチュードでまたもユーロ安円高になるとはやや考えづらいです。

 昨年のユーロ/円はものすごい変動率でしたが、これが毎年続くというのは考えにくいんですね。今年は段々あまり動かなくなって、“動から静へ”といった流れになるのではないかと思います」

■ユーロの先行指標としてポンドに注目!

 ちなみに宮田さんはユーロの動きを予想する時に、ポンドの動きが参考になるのではないかという。

 「ポンド/ドルが天井をつけたのは2007年11月ごろ。ユーロ/ドルは2008年7月だから、8ヵ月ぐらい前なんです。対ドルについても対円についても、ポンドはユーロの先行指標的に動いているところがあると思えますから、参考になるんじゃないかと思いますよ」

(ザイFX!編集部・井口稔)
ポンド/ドルとユーロ/ドルを比較
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