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西原宏一_メルマガ取材記事
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菅首相の退陣報道で、日経平均上昇も、
米ドル/円は横ばい。売りポジションの
巻き戻しによる、豪ドル上昇の可能性

2021年09月07日(火)09:51公開 (2021年09月07日(火)09:51更新)
バカラ村

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菅首相退陣報道で、日経平均は上昇も為替への影響はほとんどなし

 菅首相が退陣することが報道され、日経平均は上昇しました。

 衆議院選挙を控えていることもあり、財政出動期待も材料にされての上昇で、3万円の大台に迫りました(9月7日(火)の取引で日経平均は3万円台回復)。日経平均先物は3万円を突破しています。

日経平均 日足
日経平均 日足

(出所:TradingView

 ただ為替への影響はほとんどなく、米ドル/円は110.00円を中心とした横ばいが継続しています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

米雇用統計はかなり悪い結果に…。9月FOMCでのテーパリングの可能性はほとんどないか

 9月3日(金)に発表された8月分の米雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が市場予想75万人増のところ、結果は23.5万人増ということで、かなり悪い数字となりました。

 今回の結果が85万人増以上など、かなり強い内容となっていれば、9月21日(火)~22日(水)に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で、テーパリング(※)の可能性も出てくるところでしたが、かなり悪いため、今月(9月)のFOMCでのテーパリングの可能性はほとんどないと思います

(※「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

【参考記事】
米雇用統計が良い内容なら、9月FOMCでテーパリング開始示唆もあるか。季節性から、10月から年末の米ドル/円は上昇しやすい(8月31日、バカラ村)

 ただ平均時給に関しては上昇してきており、インフレリスクが気になるところです。

 今月(9月)のFOMCでのテーパリングの可能性はほとんどないものの、ドットチャートは注目されるところです。

 前回のドットチャートでは、来年(2022年)の利上げ予想をするメンバーはまだ過半数に達していない状態でしたが、今回のドットチャートで、来年(2022年)の利上げ予想が過半数を超えてくるようであれば、米ドル高へ推移することになると思います

【参考記事】
突然、ハト派からタカ派になったFRB。米ドル高継続なら、ユーロ/ドルは戻り売りで(6月22日、バカラ村)

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ECB理事会で、ラガルド総裁はハト派な立場を維持するか

 今週(9月6日~)は、9日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会があります。

 PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の債券購入ペースを落とすのではないかという予想が多くなってきています。

 ユーロ圏の8月CPI(消費者物価指数)はプラス3.0%となり、約10年ぶりの水準になっていることや、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいることもあり、タカ派な予想が増えてきています。

 ただ、まだユーロ圏の景況感は良いとはいえないため、ラガルド総裁はハト派な立場を維持するのではないかと思います。

9月9日(木)にECB理事会が開催される。PEPPの債券購入ペースを落とすのではないかという予想が多くなってきているという (C)Visual China Group/Getty Images

9月9日(木)にECB理事会が開催される。PEPPの債券購入ペースを落とすのではないかという予想が多くなってきているという (C)Visual China Group/Getty Images

RBA理事会は、テーパリング延期でも現状維持でも豪ドルは動く可能性あり

 9月7日(火)は、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])理事会が開催されます。

 テーパリングに関しては、7月6日(火)に行われたRBA理事会で示唆され、9月から債券購入プログラムが縮小されることが決まりました。

 しかし、その後にデルタ株の感染拡大もあり、市場参加者の予想では8月3日(火)のRBA理事会でテーパリングが延期されるのではないか、との予想が多くなっていきました。

 このように、市場予想はテーパリング延期が多数となる中でしたが、8月3日(火)のRBA理事会では、テーパリング延期は示されず、現状維持となりました。

 ただ、8月17日(火)に公表されたRBA理事会の議事要旨では「メンバーはテーパリングを遅らせるケースを検討」と、テーパリングが延期される可能性もあったことが示されました。

 そして9月7日(火)に開催されるRBA理事会ですが、市場予想は現状維持と、テーパリングが延期になるとの予想で分かれています。

 そのため、どちらの結果になったとしても、豪ドルは動く可能性があることになります

 テーパリングが延期になった場合は、豪ドルが下がることになりますが、ただ日足チャートを見ると豪ドルは反発してきていることもあり、ここから下降トレンドに戻ることは考えにくいように思います。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足

(出所:TradingView

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IMMポジションで豪ドルは売りに偏ったまま。年末に向けて売りポジションは巻き戻されやすい

 IMM(国際通貨先物市場)ポジションでは、豪ドルは売りに偏ったままで、年末に向けてリスク選好になりやすい季節性もあるため、売りのポジションは巻き戻されやすいことになると思います

IMMポジション(豪ドル/米ドル)
IMMポジション(豪ドル/米ドル)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 豪ドル/米ドルに関しては、押し目買いがいいのではないかと考えています。

 直近安値と高値の38.2%戻し水準となる0.7330ドル付近が、7月下旬から8月中旬にかけてもみ合いをしたレンジ下限付近にもなるため、その水準での押し目買いがいいのではないかと考えています。

豪ドル/米ドル 日足
豪ドル/米ドル 日足

(出所:TradingView

 IMMポジションで豪ドル売りが多いこともあり、ポジティブな材料が出れば、そのポジションが巻き戻され、豪ドルは上昇する可能性があるのではないかと考えています。

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