■外へ向かって開かれた日本の金融へ!
「金融についても、もちろんやりたいですよ。
金融=マネーゲームみたいにとらえる風潮が世の中にはあって、ちょっと煙たがられていますよね。これは政府批判、与党批判になってしまうかもしれないけれど、政策面から見て、現状では金融が横に置かれているように感じます。
でも、経済の一番の血流は金融なんです。金融がシッカリしていないと世の中、栄えません。日本はもの作りの国といいますが、もの作りはお金がついてこなければできないこと。だから、金融はとても大事なんです。
私はそういうことをシッカリ訴えていきたいと思っています。
たとえば、これは私の持論でして、前から常に言っていることですが、日本の金融を内向きなもの、ローカルなものにしてはいけない。もっと、外に向かって開かれたものにしていかないといけません」

「世界的な金融センターについて考えてみましょう。中南米を含めたアメリカ大陸ではニューヨーク、そして、ヨーロッパではロンドンが金融センターになっています。
アジアはどうでしょうか? シンガポール、香港があって、さらに最近は上海が出てきた。これに東京で4都市が争ってます。これに負けたら大変なことになりますが、すでに負けつつある状況。
そんなことではダメなので、日本の金融市場にも、もっと外資が入ってきやすいような制度を整えていかないといけないと考えています」
今井さんは過剰な投機は問題だが、正常な投資はあと押ししていく必要がある、という。投資もお金を活性化させて、世の中に回していく手段だからだ。それがうまく回ることが、国の繁栄につながるということだ。
■レバレッジの上限は50倍ぐらいでいいと思っているが…
さて、過剰な投機といえば、金融庁からすでに発表されている、いわゆる「レバレッジ規制」のことが思い浮かぶ。
FXのレバレッジは現状では特に規制がないが、これが来年、2010年8月には50倍まで、さらに2011年8月には25倍までと段階的に規制されることが決まっている。
今井さんはこのレバレッジ規制について、どう考えているのだろうか?
「私はずっと『レバレッジ規制はすべき』と言ってきました。だから、規制が入ったこと自体は正しいと思います。
何百倍なんていうレバレッジはおかしいですよ。それでは、FXが単なるバクチになってしまいます。
本当は業界が自主規制をやればよかった。けれど、FX会社がいがみ合って一枚岩になれず、モタモタしている間に金融庁にやられてしまった。業界が自分たちでもっとちゃんとやればよかったのに…と思います。
ただ、倍率に関しては、個人的には50倍ぐらいでいいと思っています。25倍まで規制しなくてもよかったというのが個人的な意見」

「レバレッジ規制は内閣府令で決まった話。これをひっくり返すことは一応可能ですが、そのためには相当な理由づけが必要。25倍ではなく、50倍の方がなぜいいのかということのね。これをやるのは正直、かなり大変な話になってきます。
ただ、内閣府令を完全にひっくり返すまではともかくとして、実際の運用面でもう少し考える必要があるとは思います。25倍といっても、実質的にはもっと低いレバレッジしかかけられないことになる可能性がある、と聞いています。
そうであれば、フルに25倍のレバレッジがかけられるような制度設計にすることが大事だと思っています」
(「衆議院議員・今井雅人さんに聞く(2) 為替介入はやるべきか?」へつづく)
(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔 撮影/渡部さとる)
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