昨日もインフレ指標が注目された。アメリカのPPIである。PPIはCPIに3ヶ月ほど先行するとされているので、近い将来のCPIをうらないためにも、その重要度は計りしれない。その結果は思ったほども高くはなかった。PPIの本体はプラス0.2%で、予想を下回ったのだ。これを契機に米国株はグローベックスセッションで一段高へ。
そして昨日もアメリカの金融政策での態度の硬化が見られた。とくにハト派の総代表のような感のあったブレイナード理事がタイトニングを急ぐ必要があると主張したのだ。だからといって格別にドル金利が上昇に向かった訳ではなかったが、これで3月スタートの年4回の利上げは避けられないとの観測が強まって、米国株は下落に転じたのである。
ドル相場は海外市場を通じて軟調だった。ドル金利の動向に左右されたというよりも、株安によるリスクオフの側面が大きかったようだ。米ロの協議も前進せず、ロシアの外交筋からはキューバやベネズエラにミサイル配備する可能性を除外しないというような発言が出てきて、キューバ危機のようなことになってきた、ニューヨーククローズまでリスク回避の流れは止まらなかった、ドル円も114円割れを根ざす動きと成って、そのまま安値引け。
私も年初からドルブルで構えていたのだが、さすがに今週に入ってからは見解が変わってきた。年4回の利上げを織り込んだところでドル円の高値が116円台。だったらそれ以上のゾーンは期待できないのではないか。むしろ不安定要素が出てきた場合などは、タイトニングのペースが遅くなる。そうなるとドルの下げも加速するのではないか。そろそろドルベアに展開しそうな感じである。
今晩も小売売上高やミシガン大学の景況感など、重要指標が出る。それに加えてJPモルガンやシティ銀など個別企業の決算も本格化する。株価の下落局面でもあるので、ドル金利の低下を念頭においてマーケットに向かいたいところ。
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