スプレッドとは
「スプレッド(spread)」は、売るときの値段と買うときの値段の差のことです。一般的な外国為替取引では、為替レートには2つのレートが存在し、基本的に同じタイミングの売買において、売ることができる値段と買うことができる値段は異なります。これは「2WAY」や「2WAY PRICE」と呼ばれるしくみです。
以下は、GMOクリック証券「FXネオ」のスマホアプリ、「GMOクリック FXneo」のスピード注文画面上部をキャプチャしたものですが、左側にBID(売)として109.249円、右側にASK(買)として109.251円と、1つの取引画面に2つのレートがあり、その間に「0.2」の数字が表示されています。
(出所:GMOクリック証券)
この場合、左側にBID(売)として表示された109.249円が、トレーダーが売るときに適用される値段で、右側にASK(買)として表示された109.251円が、トレーダーが買うときに適用される値段になります。
つまり、トレーダーの取引相手となるFX会社が、この値段なら売ってもよいと提示するレート(FX会社が買う値段)が109.249円、この値段なら買ってもよいと提示するレート(FX会社が売る値段)が109.251円で、この2つの価格の差となる0.2銭がスプレッドになります。
スプレッドはFXの取引コスト
スプレッドが0.2銭というのは、1通貨の取引で0.2銭の手数料を支払っているのと同じ意味になります。
スプレッドが0.2銭で、為替レートがまったく動かないと仮定した場合、買いからでも売りからでも新規でポジションを建てて、そのあと反対売買でポジションを決済したら、0.2銭の為替差損が発生します。ポジションを建てた時点で、0.2銭の含み損が生じているということです。
反対に、FX会社にはトレーダーとの相対取引でポジションを建てた瞬間に、0.2銭の含み益が発生します。FXではこのスプレッドが取引のコストに相当し、FX会社の利益になります。売買手数料無料が主流のFXでは、スプレッドがFX会社の大事な収入源の1つなのです。
「原則固定制」と「変動制」
FXのスプレッドには「原則固定制」と「変動制」の2種類があります。
原則固定制は、通常時はスプレッドの幅が一定の水準で固定されているしくみです。あくまでも原則なので、為替レートが大きく動いたときや、市場の取引が薄いタイミングなどでは、スプレッドが広がることはあります。そして、基本的には原則固定の水準よりも狭いスプレッドが発生することはありません。
また、多くのFX会社では「日本時間の○時から○時まで」といったように、スプレッドを原則固定で提供する時間帯を決めていますので、取引時間中なら常に同じ幅のスプレッドが提供されるというわけでもありません。
一方の変動制は、取引時間中は常にスプレッドの幅が広がったり狭くなったりするしくみです。タイミングによってはかなり狭いスプレッドになることもありますが、逆に思った以上にスプレッドが広がっていることもあります。
FX会社の中には、原則固定制と変動制で、それぞれ別々の口座を提供しているところもありますが、現在は原則固定制のFX会社(口座)の方が、圧倒的に多いというのが実情です。
原則固定でもスプレッドは広がる可能性がありますから、原則固定制のFX口座と変動制のFX口座のどちらで取引するのが良いかは、一概に判断できません。ただ、通常時の相場のときは、原則固定の方がある程度、取引コストを計算しやすいという利点はあると思います。
1000通貨の取引コストはたったの数円
FXが誕生した当初は、主要な通貨ペアの中でもっともスプレッドの狭い米ドル/円でも、スプレッドが5銭ほどあるのが当たり前でした。5銭なら1000通貨の取引で50円、1万通貨の取引で500円のコストがかかっていた計算になります。さらに、1万通貨あたり1000円などといった売買手数料が、別枠で必要だった時代もあったのです。
それが、今では多くのFX会社で売買手数料が無料になり、スプレッドも驚くほど狭くなりました。
現在の原則固定における米ドル/円のスプレッドは、0.1銭が業界最狭(もっとも狭い)水準です(※)。スプレッドが0.1銭ということは、1000通貨取引は1円、1万通貨取引は10円のコストで取引できるのです。
(※1万通貨取引の場合。取引量が1000通貨以下なら、SBI FXトレードの0.09銭が現在の業界最狭水準となります)
外貨預金や株の取引などで徴収される手数料と比較しても、FXはきわめて低コストで取引できるということがわかると思います。
しかし、いくら低コストとは言っても、取引するたびにスプレッド分のコストは必ず発生します。スプレッドができるだけ狭い通貨ペアを選択したり、狭いスプレッドを提供しているFX会社で取引するように心がければ、取引コストはさらに抑えられます。
スプレッドは通貨ペアやFX会社によって異なる
スプレッドの狭さは通貨ペアによっても異なります。米ドル/円、ユーロ/米ドルなど、外国為替市場での取引量が多く、流動性が潤沢な通貨ペアのスプレッドは相対的に狭く、流動性の乏しい通貨ペアのスプレッドは相対的に広い傾向にあります。
同じ通貨ペアでも、スプレッドの水準はFX会社によって異なりますので、特定の通貨ペアに絞って取引している方は、取引する通貨ペアのスプレッドが業界内で狭いFX会社を選ぶと取引コストの削減につながります。
また、複数の通貨ペアを取引する方は、スプレッドの水準が全体的に狭いFX会社を選ぶと、トータルのコストを抑えることができそうです。
【最新】米ドル/円のスプレッドが有利なFX会社
初心者におすすめの1000通貨取引で、現在、米ドル/円のスプレッドがもっとも狭いのは、0.00銭~0.09銭を提供するSBI FXトレードです。
SBI FXトレードの0.00銭~0.09銭は1000通貨までの取引量に適用される水準となり、1001通貨以上の取引量では、ゴールデンウェイ・ジャパン「FXTF MT4」の0.1銭原則固定が業界最狭水準になります。また、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」でも、11時~翌25時の間は0.1銭原則固定が提供されています。
そして、主要FX口座の多くが、その次に狭い0.2銭原則固定を提供していて、その中には期間限定で0.1銭原則固定のキャンペーンスプレッドを提供しているところもあります。
【キャンペーンスプレッドを含む各社のスプレッド一覧はこちら】
●FX会社おすすめ比較:米ドル/円スプレッドの狭い順
【最新】ユーロ/米ドルのスプレッドが有利なFX会社
初心者におすすめの1000通貨取引で、現在、ユーロ/米ドルのスプレッドがもっとも狭いのは、0.19pips銭原則固定を提供するSBI FXトレードです。
SBI FXトレードの0.19pips原則固定は1000通貨までの取引量に適用される水準となり、1001通貨以上の取引量では、ゴールデンウェイ・ジャパン「FXTF MT4」の0.2pips原則固定が業界最狭水準になります。
そして、主要FX口座の多くが、0.3pips原則固定~0.4pips原則固定あたりの原則固定スプレッドを提供しています。
【キャンペーンスプレッドを含む各社のスプレッド一覧はこちら】
●FX会社おすすめ比較:ユーロ/米ドルスプレッドの狭い順
【最新】ユーロ/円のスプレッドが有利なFX会社
初心者におすすめの1000通貨取引で、現在、ユーロ/円のスプレッドがもっとも狭いのは、0.28銭~0.30銭を提供するSBI FXトレードです。
SBI FXトレードの0.28銭~0.30銭は1000通貨までの取引量に適用される水準となり、1001通貨以上の取引量では0.4銭原則固定あたりが狭い水準で、主要FX口座の多くがこの水準を提供しています。中には期間限定で0.2銭原則固定や0.3銭原則固定のキャンペーンスプレッドを提供しているところもあります。
【キャンペーンスプレッドを含む各社のスプレッド一覧はこちら】
●FX会社おすすめ比較:ユーロ/円スプレッドの狭い順
当サイトには上記3通貨ペアだけでなく、キャンペーンスプレッドを含めた主要通貨ペアの各社のスプレッドをランキング形式で比較できるコーナーがあります。ぜひ、参考にしてください。
【スプレッドに関する参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:取引コスト(スプレッドなど)で比べる
(最終更新日:2021年3月26日)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)