「スワップ11倍デー」だけじゃない! 10連休中に異業者両建て!?
ザイFX!ではこれまで、2019年4月27日(土)から5月6日(月)まで10連休という超大型ゴールデンウィークを控えて、10連休中のマーケットに関する記事を公開してきました。
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そのなかで、10連休関連のスワップポイントを紹介した以下の記事はアクセスを集めました。
【参考記事】
●10連休前の4日間で32日分の大量スワップ! 為替変動リスクなしで年利30%儲ける方法も
本記事は上の記事の後編にあたるのですが、上の記事をザックリ振り返っておくと、高金利通貨として有名なトルコリラ/円や先進国のなかで金利が高い米ドル/円で、11日分ものスワップポイント(スワップ金利)が一挙にもらえる「スワップ11倍デー」が本記事公開日である4月24日(水)である、ということでした。
トルコリラ/円と米ドル/円で11日分のスワップポイントが付与(※)されるのは4月24日(水)NYクローズ(4月25日(木)日本時間6時頃)後となります。
(※本記事ではFX会社からスワップポイントが受け渡されることを「付与」、受け渡される日のことを「付与日」、何日分受け渡されるかのことを「付与日数」と定義する)
10連休中は多くの銀行が10日連続休業となる影響から、多くの主要FX会社は4月24日(水)NYクローズ後に11日分のスワップポイントを先に付与し、10連休中はスワップポイントを付与しません。いわゆる「ノースワップデー」が10連休中は続くのです。
一方で、上の記事では主要FX会社のなかに10連休中もスワップポイントを付与する貴重な会社がいくつかある、ということもお伝えしました。
ということは、今回の10連休中にスワップポイントを付与するFX会社でトルコリラ/円や米ドル/円など高金利通貨の買いポジションを作り、スワップポイントを付与しないFX会社で高金利通貨の売りポジションを作って「異業者両建て」を行えば、為替変動リスクを実質的に回避しながらスワップポイントがもらえるかもしれないのです。
ザイFX!ではこれまで、買いスワップポイントの高い口座と売りスワップポイントの低い口座で「異業者両建て」を行うと、為替変動リスクなしでスワップポイントが得られるということを何度かご紹介してきました。
【参考記事】
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けれど、今回の10連休中は「売りスワップポイントの低い口座」ではなく「売りスワップポイントが発生しない口座」があるという特別な状況ですから、本記事で取り上げる異業者両建てはこれまで紹介してきた異業者両建てを超える「究極の異業者両建て」と言える(!?)かもしれませんね。
10連休中にスワップを付与する貴重なFX会社はどこ?
それでは今回の異業者両建てについて考えるうえで、いくつか条件を絞り込んでいきたいのですが、例として取り上げる通貨ペアはトルコリラ/円と米ドル/円とし、ポジション量は1万通貨とします。
まず今回の異業者両建てのカギとなるのは買いポジションです。多くの主要FX会社で10連休中は「ノースワップデー」となるなか、10連休中にスワップポイントを付与する貴重なFX会社があってこそ、異業者両建ての買いポジションが作れます。
トルコリラ/円と米ドル/円の取り扱いがあり、10連休中にスワップポイントを付与するFX会社を記者が調べてみたところ、外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券「ループイフダン」、ヒロセ通商「LION FX」といったFX会社が該当することがわかりました。
外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券「ループイフダン」、ヒロセ通商「LION FX」はスワップポイントの付与の仕方が一風変わっており、スワップポイント付与日数が例外的に多い日や、スワップポイントが発生しない日が存在しません。
外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券「ループイフダン」では月曜から木曜は1日分、金曜は3日分のスワップポイント、ヒロセ通商「LION FX」では月曜と火曜は1日分、水曜は3日分、木曜と金曜は1日分のスワップポイントが規則正しく付与されます。
一方で、多くの主要FX会社が10連休中にスワップポイントを付与しない「ノースワップデー」については後述しますが、「ノースワップデー」の期間は4月26日(金)から5月3日(金)となっています。
そういったことを踏まえて4月22日(月)から5月6日(月)の3社のスワップポイント付与日数を確認してみましょう。
付与日 | 外為オンライン 「外為オンライン FX」 |
ヒロセ通商 「LION FX」 |
アイネット証券 「ループイフダン」 |
||
のスワップ ポイント 付与日数 |
のスワップ ポイント 付与日数 |
|
4月22日(月) | 1 | 1 |
4月23日(火) | 1 | 1 |
4月24日(水) | 1 | 3 |
4月25日(木) | 1 | 1 |
4月26日(金) | 3 | 1 |
4月29日(月) | 1 | 1 |
4月30日(火) | 1 | 1 |
5月1日(水) | 1 | 3 |
5月2日(木) | 1 | 1 |
5月3日(金) | 3 | 1 |
5月6日(月) | 1 | 1 |
※上表は付与日を基準に作成。付与日が4月23日なら、4月23日にポジションを保有し、NYクローズ後まで持ち越した場合の付与日数を記載。各社のスワップカレンダーに記載されている日付とは必ずしも一致していない場合がある
※外為オンライン「外為オンラインFX」、ヒロセ通商「LION FX」では未来のスワップポイントカレンダーが公開されていないため、取引ルールに基づいたスワップポイント付与日数を掲載
※付与日の赤字は日本の祝日・休日
※スワップポイント付与日数の赤字は、多くの主要FX会社で10連休中にスワップポイントが付与されない日に、外為オンライン「外為オンラインFX」、アイネット証券「ループイフダン」、ヒロセ通商「LION FX」でスワップポイントが付与される日
先ほど、多くの主要FX会社で「ノースワップデー」の期間は4月26日(金)から5月3日(金)までと書きましたが、この期間が今回の異業者両建てのポジション保有期間となります。
外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券「ループイフダン」で異業者両建ての買いポジションを4月26日(金)から5月3日(金)まで作ると、4月26日(金)に3日分、4月29日(月)から5月2日(木)まで1日分ずつで4日分、5月3日(金)に3日分、合わせて10日分のスワップポイントが付与されます。
一方、ヒロセ通商「LION FX」で買いポジションを作ると、4月26日(金)から4月30日(火)まで1日分ずつで3日分、5月1日(水)に3日分、5月2日(木)と5月3日(金)に1日分ずつで2日分、合わせて8日分のスワップポイントが付与されます。
ヒロセ通商「LION FX」のスワップポイント付与日数は外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券「ループイフダン」より2日分、少ない結果となりました。
外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券「ループイフダン」でスワップポイントが3日分付与される曜日は金曜である一方、ヒロセ通商「LION FX」で3日分付与される曜日は水曜であるため、今回の異業者両建てのポジション保有期間に付与されるスワップポイント付与日数に違いが出てくるわけです。
外為オンラインでトルコリラ/円10日分スワップは1200円!?
そんな外為オンライン「外為オンラインFX」、アイネット証券「ループイフダン」、ヒロセ通商「LION FX」において、トルコリラ/円と米ドル/円のスワップポイントやスプレッドはどうなっているのでしょうか。
異業者両建ての買いポジション保有期間である4月26日(金)から5月3日(金)に、外為オンライン「外為オンラインFX」とアイネット証券「ループイフダン」では10日分、ヒロセ通商「LION FX」では8日分のスワップポイントが付与されるわけですが、正確なスワップポイントは実際に付与されないとわかりません。
けれど、4月1日(月)から4月12日(金)のスワップポイントから1日あたりの平均スワップポイントを算出し、これを10倍と8倍にすることで、10日分と8日分のスワップポイントの参考値になりそうです。
ただ、この3口座のうち、4月1日(月)から4月12日(金)のスワップポイントが公開されいるのはアイネット証券「ループイフダン」とヒロセ通商「LION FX」だけ。
外為オンライン「外為オンラインFX」では公開されていないため、同口座の場合は4月23日(水)時点のスワップポイントを1日あたりのスワップポイントと仮定します。
以下はトルコリラ/円1万通貨の買いポジションについて、アイネット証券「ループイフダン」とヒロセ通商「LION FX」の4月1日(月)から4月12日(金)の1日あたり平均スワップポイントを算出し、アイネット証券「ループイフダン」は10倍、ヒロセ通商「LION FX」は8倍にしたもの、外為オンライン「外為オンラインFX」は4月23日(水)時点のスワップポイントを10倍したものになります。また、3社の4月23日(水)時点のスプレッドも記載します。
FX会社 「口座名」 |
1日あたり 平均買い スワップ ポイント |
1日あたり 平均買い スワップ ポイント を10倍 (ヒロセ通商 「LION FX」 は8倍) |
スプレッド |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
120円※ | 1200円※ | 6.0銭 原則固定 |
アイネット証券 「ループイフダン」 |
120円 | 1200円 | 7.0銭 原則固定 |
ヒロセ通商 「LION FX」 |
110円 | 880円 | 1.9~9.2銭 |
※ポジション量は1万通貨
※1日あたり平均スワップポイントは4月1日(月)から4月12日(金)のスワップポイントを平均したもの
※1日あたり平均スワップポイントは小数点第1位以下を四捨五入
※外為オンライン「外為オンラインFX」は4月23日(水)時点のスワップポイントを10倍
トルコリラ/円1万通貨の買いポジションを4月26日(金)から5月3日(金)に保有すると、外為オンライン「外為オンラインFX」やアイネット証券「ループイフダン」では1200円、ヒロセ通商「LION FX」では880円のスワップポイントがもらえる可能性が高いようです。
また、トルコリラ/円のスプレッドは外為オンライン「外為オンラインFX」が6.0銭原則固定、アイネット証券「ループイフダン」が7.0銭原則固定、ヒロセ通商「LION FX」が1.9~9.2銭ということで、今回の異業者両建てでは外為オンライン「外為オンラインFX」で買いポジションを作ることにします。取引コストは600円(1万通貨×6銭)です。
アイネット証券で米ドル/円10日分のスワップは810円!?
続いて、外為オンライン「外為オンラインFX」、アイネット証券「ループイフダン」、ヒロセ通商「LION FX」において、米ドル/円のスワップポイントやスプレッドはどうなっているでしょうか。
米ドル/円1万通貨の買いポジションについて、アイネット証券「ループイフダン」とヒロセ通商「LION FX」の4月1日(月)から4月12日(金)の1日あたり平均スワップポイントを算出し、アイネット証券「ループイフダン」は10倍、ヒロセ通商「LION FX」は8倍にしたもの、外為オンライン「外為オンラインFX」は4月23日(水)時点のスワップポイントを10倍したものが以下になります。また、3社の4月23日(水)時点のスプレッドも記載します。
FX会社 「口座名」 |
1日あたり 平均買い スワップ ポイント |
1日あたり 平均買い スワップ ポイント を10倍 (ヒロセ通商 「LION FX」 は8倍) |
スプレッド |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
65円※ | 650円※ | 1.0銭 原則固定 |
アイネット証券 「ループイフダン」 |
81円 | 810円 | 2.0銭 原則固定 |
ヒロセ通商 「LION FX」 |
20円 | 160円 | 0.3銭 原則固定 |
※ポジション量は1万通貨
※1日あたり平均スワップポイントは4月1日(月)から4月12日(金)のスワップポイントを平均したもの
※1日あたり平均スワップポイントは小数点第1位以下を四捨五入
※外為オンライン「外為オンラインFX」 は4月23日(水)時点のスワップポイントを10倍
米ドル/円1万通貨の買いポジションを4月26日(金)から5月3日(金)に保有すると、アイネット証券「ループイフダン」では810円、外為オンライン「外為オンラインFX」では650円、ヒロセ通商「LION FX」では160円のスワップポイントがもらえる可能性が高いようです。
ヒロセ通商「LION FX」といえばスワップポイントが高いイメージがありますが、米ドル/円については1日あたり平均スワップポイントが20円と、アイネット証券「ループイフダン」の4分の1ほどとなっており、あまり力を入れていないようです。
また、米ドル/円のスプレッドはヒロセ通商「LION FX」が0.3銭原則固定、外為オンライン「外為オンラインFX」が1.0銭原則固定、アイネット証券「ループイフダン」が2.0銭原則固定となっています。
米ドル/円のスワップポイントは外為オンライン「外為オンラインFX」よりアイネット証券「ループイフダン」が高く、スプレッドはアイネット証券「ループイフダン」より外為オンライン「外為オンラインFX」が狭いという結果になりました。
今回の異業者両建てで買いポジションは外為オンライン「外為オンラインFX」とアイネット証券「ループイフダン」のどちらで作ればよいのでしょうか。それは後述する最終的な損益を出してから決めていきたいと思います。
外為オンライン「外為オンラインFX」の取引コストは100円(1万通貨×1銭)、アイネット証券「ループイフダン」の取引コストは200円(1万通貨×2銭)となります。
10連休中に売りスワップゼロでスプレッドが狭いFX会社は?
そして、異業者両建ての売りポジションは10連休中にスワップポイントを付与しない主要FX会社であればどこで作っても大きな差はないことになるのですが、その取引コストであるスプレッドは狭いに越したことはありません。
トルコリラ/円で1.7銭原則固定という業界最狭スプレッドを提供しているのは外為どっとコム「外貨ネストネオ」とセントラル短資FX「FXダイレクトプラス」ですから、どちらかのFX会社で売りポジションを作ることにします。取引コストは170円(1万通貨×1.7銭)です
【参考記事】
●ここでもトルコリラ/円1.7銭! 英ポンド/円は0.8銭!? 驚愕のスプレッド縮小キャンペーン!
米ドル/円ではSBI FXトレードが1万通貨までなら0.27銭原則固定という業界最狭スプレッドを提供しているため、SBI FXトレードで売りポジションを作ることにします。取引コストは27円(1万通貨×0.27銭)です
【参考コンテンツ】
●FX会社おすすめ比較:取引コストで比べる「トルコリラ/円スプレッドの狭い順」
●FX会社おすすめ比較:取引コストで比べる「米ドル/円スプレッドの狭い順」
外為どっとコム「外貨ネストネオ」とセントラル短資FX「FXダイレクトプラス」、SBI FXトレードは10連休付近の一定期間、「ノースワップデー」があるわけですが、4月22日(月)から5月6日(月)のスワップポイント付与日数がどうなっているのか、具体的に確認しておきましょう。
トルコリラ/円と米ドル/円について、これらの3口座と外為オンライン「外為オンラインFX」、アイネット証券「ループイフダン」、ヒロセ通商「LION FX」のスワップポイント付与日数を以下の表にまとめました。
付与日 | 外為どっとコム 「外貨ネクスト ネオ」 |
外為オンライン 「外為オンライン FX」 |
ヒロセ通商 「LION FX」 |
セントラル短資FX 「FXダイレクト プラス」 |
アイネット証券 「ループイフダン」 |
||
SBI FXトレード | |||
のスワップ ポイント 付与日数 |
のスワップ ポイント 付与日数 |
のスワップ ポイント 付与日数 |
|
4月22日(月) | 1 | 1 | 1 |
4月23日(火) | 1 | 1 | 1 |
4月24日(水) | 11 | 1 | 3 |
4月25日(木) | 1 | 1 | 1 |
4月26日(金) | 0 | 3 | 1 |
4月29日(月) | 0 | 1 | 1 |
4月30日(火) | 0 | 1 | 1 |
5月1日(水) | 0 | 1 | 3 |
5月2日(木) | 0 | 1 | 1 |
5月3日(金) | 0 | 3 | 1 |
5月6日(月) | 1 | 1 | 1 |
※上表は付与日を基準に作成。付与日が4月23日なら、4月23日にポジションを保有し、NYクローズ後まで持ち越した場合の付与日数を記載。各社のスワップカレンダーに記載されている日付とは必ずしも一致していない場合がある
※外為オンライン「外為オンラインFX」、ヒロセ通商「LION FX」では未来のスワップポイントカレンダーが公開されていないため、取引ルールに基づいたスワップポイント付与日数を掲載
※付与日の赤字は日本の祝日・休日
※スワップポイント付与日数の青字は、外為どっとコム「外貨ネストネオ」、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」、SBI FXトレードでスワップポイントが付与されない日
※スワップポイント付与日数の赤字は、外為どっとコム「外貨ネストネオ」、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」、SBI FXトレードでスワップポイントが付与されない日に、外為オンライン「外為オンラインFX」、アイネット証券「ループイフダン」、ヒロセ通商「LION FX」でスワップポイントが付与される日
記事前半でも触れましたが、上表のとおり、外為どっとコム「外貨ネストネオ」とセントラル短資FX「FXダイレクトプラス」、SBI FXトレードで売りポジションを作ってもスワップポイントが発生しないのは、4月26日(金)から5月6日(月)NYクローズ直前まで、ということになります。
5月6日NYクローズ(5月7日(火)日本時間6時ごろ)後にポジションを持ち越すと、1日分の売りスワップポイントが付与されますから、今回の異業者両建てでポジションを保有する期間は4月26日(金)日中から5月6日(月)日中までとします。
トルコリラ/円は為替変動リスクなしで年利3.8%!?
それでは今回の異業者両建てにおけるトルコリラ/円と米ドル/円の最終的な損益を出していきましょう。
その前に異業者両建てを行う条件について、これまで述べてきたことも含めて以下のようにします。
トルコリラ/円1万通貨の異業者両建ての条件
・4月26日(金)日中に外為オンライン「外為オンラインFX」で買いポジションを作り、同時に外為どっとコム「外貨ネストネオ」、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」のいずれかで売りポジションを作る
・5月6日(月)日中に買いポジションと売りポジションを同時に決済する
・外為オンライン「外為オンラインFX」の4月23日(火)時点のスワップポイントを10倍した数値と取引コストであるスプレッドの合計を異業者両建ての損益とする
・スプレッドは広がらないものとする
米ドル/円1万通貨の異業者両建ての条件
・4月26日(金)日中に外為オンライン「外為オンラインFX」、アイネット証券「ループイフダン」のいずれかで買いポジションを作り、同時にSBI FXトレードで売りポジションを作る
・5月6日(月)日中に買いポジションと売りポジションを同時に決済する
・外為オンライン「外為オンラインFX」の4月23日(火)時点のスワップポイントを10倍した数値、またはアイネット証券「ループイフダン」の4月1日(月)から4月12日(金)の1日あたり平均スワップポイントを10倍した数値と、取引コストであるスプレッドの合計を異業者両建ての損益とする
・スプレッドは広がらないものとする
まず、トルコリラ/円の異業者両建ての最終的な損益は以下になります。
FX会社 「口座名」 |
付与日数 | スワップ ポイント |
取引コスト |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
10 | 1200円 | -600円 |
外為どっとコム 「外貨ネクストネオ」 |
0 | 0円 | -170円 |
セントラル短資FX 「FXダイレクトプラス」 |
|||
合計 | 430円 |
※ポジション量は1万通貨
※スワップポイントは仮定の数値。実際には大幅に変動する可能性もある
今回の条件でトルコリラ/円1万通貨を異業者両建てした場合、損益は430円ということになりました。
1万通貨のトルコリラ/円を取引するときに、トルコリラ/円レートが19円で推移していると仮定して、4月26日(金)日中から5月6日(月)日中の11日間に異業者両建てで得た430円を年利に換算すると、3.8%となります。
3.8%という数字はレバレッジ1倍の年利ですが、異業者両建てで為替変動リスクがなくなることを前提に、レバレッジ1倍と同じ入金額で5万通貨(レバレッジ5倍)を異業者両建てすると損益は2150円で年利は18.8%、10万通貨(レバレッジ10倍)だと損益は4300円で年利は37.5%となります。
ただし、2018年8月のトルコショックや2019年年明けのフラッシュクラッシュのようにトルコリラ/円が暴落(もしくは暴騰)して、異業者両建てを行う2口座のうち、片方のポジションだけがロスカットされてしまったらすべてが台無しになります。
【参考記事】
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異業者両建てはいわゆる為替変動リスクはないものの、すべてのリスクがないというわけではありません。片方のポジションのロスカットを避けるためにも、レバレッジのかけ過ぎには十分注意すべきでしょう。
米ドル/円は為替変動リスクなし・レバ10倍で年利8.7%!?
次に米ドル/円ですが、異業者両建ての買いポジションを外為オンライン「外為オンラインFX」で作った場合の損益は以下になります。
FX会社 「口座名」 |
付与日数 | スワップ ポイント |
取引コスト |
外為オンライン 「外為オンラインFX」 |
10 | 650円 | -100円 |
SBI FXトレード | 0 | 0円 | -27円 |
合計 | 523円 |
※ポジション量は1万通貨
※スワップポイントは仮定の数値。実際には大幅に変動する可能性もある
米ドル/円1万通貨について、外為オンライン「外為オンラインFX」で異業者両建ての買いポジションを作った場合、損益は523円となりました。
そして、異業者両建ての買いポジションをアイネット証券「ループイフダン」で作った場合の損益は以下になります。
FX会社 「口座名」 |
付与日数 | スワップ ポイント |
取引コスト |
アイネット証券 「ループイフダン」 |
10 | 810円 | -200円 |
SBI FXトレード | 0 | 0円 | -27円 |
合計 | 583円 |
※ポジション量は1万通貨
※スワップポイントは仮定の数値。実際には大幅に変動する可能性もある
アイネット証券「ループイフダン」で異業者両建ての買いポジションを作った場合、損益は583円となり、外為オンライン「外為オンラインFX」の523円を上回りました。今回の条件ではアイネット証券「ループイフダン」で買いポジションを作るのが一番良いようです。
1万通貨の米ドル/円が111円で推移していると仮定して、4月26日(金)日中から5月6日(月)日中の11日間に異業者両建てで得た583円を年利に換算すると0.9%となります。
レバレッジ1倍と同じ入金額で5万通貨を異業者両建てするとレバレッジ5倍、10万通貨だとレバレッジ10倍となるわけですが、SBI FXトレードの米ドル/円のスプレッドは1万1通貨以上100万通貨以下だと0.29銭原則固定になるため、条件が少し変わってきます。
レバレッジ1倍と同じ入金額で米ドル/円10万通貨を異業者両建てして、レバレッジを10倍にした際の損益は以下のようになります。
FX会社 「口座名」 |
付与日数 | スワップ ポイント |
取引コスト |
アイネット証券 「ループイフダン」 |
10 | 8100円 | -2000円 |
SBI FXトレード | 0 | 0円 | -290円 |
合計 | 5810円 |
※ポジション量は10万通貨
※スワップポイントは仮定の数値。実際には大幅に変動する可能性もある
米ドル/円10万通貨(レバレッジ10倍)について、アイネット証券「ループイフダン」で異業者両建ての買いポジションを作った場合、損益は5810円となりました。米ドル/円が111円で推移していると仮定すると、年利は8.7%となります。
ということは、入金額を増加してレバレッジを抑えつつ、4月26日(金)日中から5月6日(月)日中の11日間に米ドル/円100万通貨の異業者両建てを行えば、為替変動リスクなしで5万8100円をゲットできる可能性も高いというわけです。
為替変動リスクがない異業者両建てに潜むリスクとは?
ここまで、トルコリラ/円と米ドル/円の異業者両建てについて本記事と本記事の前編にあたる以下の【参考記事】で深堀りしてきたわけですが、為替変動リスクを回避できる異業者両建てに潜んでいるリスクにはどういったものがあるでしょうか。
【参考記事】
●10連休前の4日間で32日分の大量スワップ! 為替変動リスクなしで年利30%儲ける方法も
まず、先ほどトルコリラ/円の損益計算の部分でも触れましたが、相場が大変動して片方のポジションだけがロスカットされるリスクがあります。
米ドル/円はトルコリラ/円より相場が大変動するリスクが低いため、通常時よりポジション量を増やして米ドル/円のスワップポイントを狙ってみるのはアリだと思いますが、やはりレバレッジのかけ過ぎには十分注意する必要があります。
また、今回の異業者両建ては外為オンライン「外為オンラインFX」とアイネット証券「ループイフダン」で買いポジションを作ることにしましたが、実際に付与されるスワップポイントが事前の計算より低くなる可能性もあります。
想定外に低いスワップポイントになった場合、取引コストのほうが上回って損益がマイナスになることも完全には否定できません。
そして、実際に異業者両建てでポジションを作る際も注意が必要です。ポジションを作るFX会社を間違えたり、買いと売りを間違えたり、ポジション量を間違えたりすることも考えられます。
間違えたポジションを反対売買で決済すれば、その分取引コストがかかりますし、異業者両建てを始める前につまずいてしまうことになります。
こういったリスクが異業者両建てには潜んでいるわけですが、通常のFX取引でも同様のリスクは存在しているとも言えます。
リスクのバランスをうまくとりながら異業者両建てを行うことができれば、為替変動リスクがなくてFXで儲けるチャンスがありますので、取引の参考にしてみてはいかがでしょうか。
(※スワップポイント付与日、付与日数などについては細心の注意を払って調査していますが、念のため、ご自身が取引しているFX会社の公式サイトなどで今一度、ご確認ください)
(ザイFX!編集部・藤本康文)
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