米長期金利の低下につれて、米ドル/円は下落。パウエルFRB議長はリセッションよりも高インフレ抑制失敗のリスクの方が高いと発言
先週(6月27日~)29日(水)に開催されたECB(欧州中央銀行)フォーラムでは、パウエルFRB議長、
そこでパウエル議長は、リセッション(景気後退)によるリスクよりも、高インフレの抑制に失敗するリスクの方が高いと発言しています。
インフレ抑制を優先するとの発言から、FRB(米連邦準備制度理事会)では今後も大幅利上げが続くことになりそうです。
ただそれを受けて、市場参加者からはリセッション懸念も出ており、米長期金利も下がってきています。
米ドル/円も137.00円まで高値を更新していましたが、米長期金利の下げに連れて、134.74円まで低下しています。
(出所:TradingView)
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ユーロは反発も、イメージしていたよりも上値の重い展開
先週(6月27日~)は四半期末の週でもあり、期末のフローで米国債が買われ、米長期金利が下がったことはイメージ通りでしたが、為替市場では6月30日(木)の24時(午前0時)前は、ユーロ/米ドルやユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)が上昇し、ユーロ買いが出ていたようです。
ユーロ/米ドルは1.0490ドル付近まで反発していました。
ただユーロ/米ドルは先月(6月)後半は1.06ドル前半が重く、ユーロ/円に関しても144.25円付近で3度上昇を止められています。
ユーロはイメージしていたよりも上値の重い展開となっています。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
下半期がスタート。米ドル高トレンドは継続し、円安は6月以降勢いがなくなっている
ここからですが、今月(7月)から下半期が始まります。
新しい期が始まることで、これまでの動きが変わることもあり、その点は気を付ける必要があると思います。
ただトレンドは継続しています。継続しているトレンドは米ドル高で、これは現在もまだ反転したと言えない状態です。
円安トレンドもありましたが、これは6月に入ってから勢いはなくなっています。
米ドル/円が137.00円まで上昇するなど、高値を更新してきているため、そして日銀だけが金融緩和政策を続けているということもあり、円安トレンドが続いているようにも思えます。ただクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を見ると、円安トレンドの勢いはなくなっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
ユーロ/円は144円のレジスタンスラインを超えることができず、英ポンド/円は168円のレジスタンスラインを4月から超えておらず、豪ドル/円やニュージーランドドル/円は高値が切り下がってきています。
米ドル高トレンドが継続するのか、反転するのか重要な水準にある
米ドル高トレンドはまだ崩れていないため、これがまだ続くのか、そこが重要だと思います。
ユーロ/米ドルは超長期のサポートゾーンが1.03ドル台ミドルにあり、先週(6月27日~)も1.0365ドルまで下がりましたが、そこで反発しています。
(出所:TradingView)
英ポンド/米ドルも、コロナショックのときの下げを除くと、1.2000ドル割れの水準はほとんどなく、一時的に下抜けたとしても滞空時間は短い状態です。
(出所:TradingView)
先月(6月)も2度、1.2000ドルを一時的に下抜けたときがありましたが、すぐに反発しています。
そのため、米ドルはトレンドが継続するのか、反転するのか、重要な水準だと言えます。
トレードとしては、トレンドが反転するまではまだ継続すると考える必要があるため、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルなどはまだ売りで考える必要がありますが、ただ反転するリスクもある状態になります。
今は売り方向ですが、重要なレジスタンスラインを越えれば、そこは反転させる必要があると思います。
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米ドル/円は上昇がいったん止まる可能性を考えたい。今週は133.70~136.70円のレンジを想定
米ドル/円に関しては、円安の勢いはなくなっており、米ドルも重要な水準ということもあり、そして週足では上ヒゲが2本続いています。
そのため上昇がいったん止まる可能性を考えたいところです。
ただ下降トレンドに変わると考えるのは時期尚早だと思います。
(出所:TradingView)
米ドル/円の最近の週足では、ATR(※)を確認すると、1週間で高値から安値まで、平均で約3円動いています。
(※編集部注:「ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)」とは、変動率(ボラティリティ)を表す指標で、ボラティリティの確認に使用される)
そこから考えると、今週(7月4日~)のレンジとしては、133.70~136.70円の推移を考えています。
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