カナダがサプライズ利上げしたことで、FRBなども利上げするのではとの思惑も出ている
今週(6月12日~)は、米欧日の金融政策が発表されます。非常に重要な週となりそうです。
まず、先週(6月5日~)は豪州とカナダの金融政策がありました。
市場では据え置き予想だったものの、ともに0.25%の利上げを行ったことでサプライズとなりました。
インフレが収まっていないことが示されたことになります。
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特に、カナダは主要国の中で、昨年(2022年)からの金融政策の転換が一番早く、そのカナダが今回利上げしたことで、FRB(米連邦準備制度理事会)なども利上げをするのではないか、という思惑も出ています。
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米CPIと米PPIは非常に重要だが、サプライズの数字でない限り、その動きは短期的に終わりそう
今週は重要イベントの多い週ですが、まずは火曜日(6月13日)に米CPI(消費者物価指数)の発表があります。
水曜日(6月14日)には、米PPI(卸売物価指数)の発表もあります。
FRBの金融政策は経済指標次第のところがあり、そのため、最近の経済指標で米ドルが反応することが多いですが、特に米CPIと米PPIはインフレ指標になるため、非常に重要な経済指標になります。
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もし高い数字がでるようなら、素直に米ドル高となり、反対であれば米ドル安になると思います。
ただ、翌日(日本時間6月14日午前3時)にFOMC(米連邦公開市場委員会)があるため、サプライズの数字でない限り、その動きは短期的に終わると思います。
FOMCで政策金利が据え置きなら、ドットチャートやパウエル議長の会見は、タカ派な内容になりやすい
水曜日のFOMCでは、政策金利は据え置きになると思いますが、注目すべきはドットチャートやパウエル議長の会見になります。
ドットチャートでは、まだインフレが高いこともあり、上方へシフトしていると思います。
パウエル議長の会見でも、タカ派な発言になりやすいと思います。
ただ、可能性は低いと思いますが、もし0.25%のサプライズ利上げをするようならば、そのバランスを取るため、パウエル議長の会見ではハト派な内容になると思います。
豪州やカナダはサプライズ利上げをし、声明文や発言などもタカ派な内容が出ていましたが、FRBでは、サプライズ利上げのあとにタカ派発言となれば、金融システム不安が出てくるため、ハト派な発言でバランスを取ってくるように思います。
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ECB理事会でのユーロの動きは限定的か。植田総裁の会見で金融政策転換の可能性が示唆されても不思議ではない
木曜日(6月15日)のECB(欧州中央銀行)理事会では、0.25%の利上げが予想され、さらに次回会合も0.25%の利上げも行われると思います。
ラガルド総裁の会見では、タカ派な内容になると思います。
これらはすでに織り込まれていることもあり、今回のECB理事会でのユーロの動きは限定的だと思います。
金曜日(6月16日)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)では、金融政策は現状維持だと思いますが、ただ、日本でもインフレ指標が上昇してきていることもあり、植田総裁の会見で金融政策が転換される可能性が示唆されても不思議ではないと思います。
もし転換が示唆されるようであれば、円高になります。
IMMポジションが円売りに偏っており、米ドル/円の上昇トレンド継続は難しい
IMM(国際通貨先物市場)ポジションを見ると、円売りのポジションが偏ってきています。
昨年10月の152円付近まで上昇したときと同じ程度の円売りに偏っています。
【※米ドル/円のIMMポジションの状況はこちら!】
⇒主要通貨のIMMポジションの状況をチェック!
(詳しくはこちら → IMM通貨先物ポジション/経済指標・政策金利)
今週のFOMCで、市場の想定内の内容であれば、金利差もあるため、米ドル/円は買い方向にはなるものの、ポジションの偏りから上昇トレンドの継続は難しいと思います。
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米ドル/円の142円台は売りが出てきやすい。ポジションの偏りからも、売りのタイミングを探るときも近くなってきた
今は138~141円のレンジ内での推移が続いていますが、このレンジを上に抜けたとしても、142円台にもレジスタンスがあるため、売りが出てきやすいと思います。
(出所:TradingView)
今週の金融政策次第のところもありますが、ポジションの偏りからは、売りのタイミングを探るときも近くなってきたように思います。
138.00円前後がサポートされるようであれば、142円台をトライする動きも出てくると思いますが、レンジ超えの高値圏で推移できないようであれば、テクニカルからはブルトラップが形成される可能性もあり、上昇したところで買うのはリスクが高くなってきていると思います。
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