先週の為替相場は米ドル高に。パウエルFRB議長のハト派な発言に反応したのは一時的だった
先週(5月15日~)の為替市場は、米ドル高となりました。
このコラムでも何度か取り上げていますが、ドルインデックスは100.80が重要な水準で、そこをサポートに上昇してきています。
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⇒米ドル/円は132.00~135.50円のレンジを今週は想定。週前半は米ドル高になりそうだが、まだもみ合いは続く。ユーロ/米ドルは1.0800ドルを下限に、基本は押し目買い(4月18日、バカラ村)
(出所:TradingView)
そのため、ユーロ/米ドルも1.0760ドル付近まで下落し、米ドル/円は円売りの流れもあるため、138円台後半まで上昇してきました。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
ただ、5月19日(金)にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「信用不安を考慮すると、政策金利は想定されていたほど上昇する必要がないかもしれない」とハト派な発言をしたことで、その日は米ドル安に推移しました。
タカ派な要人発言が続いたあとだったこともあり、米ドル安に推移しましたが、5月22日(月)には米ドル/円はそのときの動きを元に戻しています。
パウエル議長の発言で、米長期金利も下がっていいような状況だと思いますが、その発言に反応したのは一時的で、上昇してきています。
その影響もあり、米ドル/円やクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が底堅く推移していることになります。
また、5月22日(月)にブラード米セントルイス連銀総裁が「年内にあと2回の利上げを予想する」と発言したことも、米金利の上昇に影響を与えたように思います。
ただ、ブラード総裁はもともとタカ派のため、この発言での持続性はないと思います。
米債務上限問題は7月下旬まで続くか、可能性は低いが今週中に合意する可能性もあるが、今はまだ材料視されていない
米国の債務上限問題に関しては、いつものように期限ギリギリまで協議が続くように思います。
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そして、期限間際で合意するか、もしくは期限がいつの間にか延びて本当の最終期限に合意する、というパターンだと思います。
今回の期限は、イエレン米財務長官は6月1日(木)としていますが、ただ、この期限を超すことができれば、6月15日(木)に税収が入るため、7月下旬までこの問題は続くことになります。
ただ、5月29日(月)は米国が祝日のため、議会も休会となることから、可能性は低いとは思うものの、今週中にも合意することもあると思います。
どちらにしても、期限ギリギリになれば金融市場も反応するとは思いますが、市場参加者も合意すると予想している人ばかりになるため、今はまだ材料視されていないように思います。
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ユーロ/米ドルの戻り売り継続! 米ドル高は続きそうだが、米ドル/円は債務上限問題で乱高下しそう
ドルインデックスから米ドル高になると考えていますが、まだその動きは続くように思います。
ユーロ/ドルは1.09~1.11ドルのレンジを下に抜けたことから、1.11ドルが天井のような形となっており、そのため戻り売りの相場になっていると考えています。
パウエル議長の発言で、一時的に下げ渋る動きとなっていますが、この反発したところは売りでいいのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
先週のコラムでは1.0940ドルのレジスタンスを記載しましたが、1.0900ドルにも4時間足でレジスタンスができ始めており、徐々にレジスタンスが下がっているため、ユーロ/米ドルはまだ弱いのではないかと思います。
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(出所:TradingView)
英ポンド/米ドルも、徐々に高値と安値が切り下がってきていることもあり、こちらも売りでいいのではないかと考えています。
1.2550ドルをしっかり超えるまでは、軟調な展開になりやすいと思います。
(出所:TradingView)
米ドル高で考えていることや、クロス円が強い形のため、米ドル円も買い方向とはなりますが、ただ、債務上限問題があるため、ドル円は乱高下しやすいように思います。
ユーロ/米ドルの形状から、今週(5月22日~)も米ドル買いのトレードで考えています。
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