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 FOMCでは予想通りに金融政策に変更はなかった。利下げは見送りである。しかし将来の見通しはかなりタカ派的なものに映った。GDPの伸び率を上方修正しているし、失業率は低下することが見込まれている。これでは金融緩和どころではない。

 しかもパウエル議長の会見では、あまりにも年内にあと1回の利上げが必要だということが強調され過ぎていたように見える。「金融政策は今度のデータ次第」だとだけ言っておけばそれで問題はないのに、政策の手足を縛っているようなものだ。相当に内部のタカ派勢力の突き上げを食らったものとみえる。ゆえに総じて金融引き締めのほうにばかりバイアスがかかっているようであった。

 FOMC前までは米国株は小高く推移し、ドル相場もやや軟化していた。しかしパウエル議長の発言で緩和モードが払しょくされた形となった。株価は急落し、ドル相場も再び上昇に向かって今年の最高値圏をうかがう展開となった。

 ドル円が148円台に乗せて来て今年の高値を更新するのは仕方がないにしても、ユーロドルもドル高に傾いた。FOMC前までは1.07台を回復して推移していたのに、急激に下がってきて今年の安値を更新。1.07台でユーロロングにして構えていた私としては、予想以上のドル買いとなったことを意味している。もちろん機械的に損切りはしているのだが、これで当面はドルを売れない状況になった感触が強い。

 今晩はBOEをはじめ、スイスやノルウェー、スウェーデンの金利会合がある。先週のECBで25ベーシスの利上げがあったのだから、ほかの欧州勢もそれに沿うものであることが期待されるが、昨日のアメリカのスタンスでそれはより強まっただろう。これで打ち止め感というのも消え去ってしまった感じだ。

日本時間 15時20分

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