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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

米ドル/円は日本の金融政策が緩和的な限り上昇トレンド
継続と見るが、調整が意外に大きくなる可能性には
常に警戒したい!

2023年11月20日(月)09:01公開 (2023年11月20日(月)09:01更新)
志摩力男

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米経済指標の悪化をどう考えるべきか?

前回のコラムでは、ハト派的なFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文、やや弱い内容であった米10月雇用統計を受けて米金利低下、米ドル安が進みましたが、まだ判断するには早いのではないかと書きました。
【※関連記事はこちら!】
米ドル高・円安の転換は、相当な材料があっても難しい。投資家は円に見切りをつけ始めている!? 米ドル/円の相場を決めるのは日銀の政策、円安トレンド継続へ!(11月10日、志摩力男)

 その後、米ドルは戻したのですが、予想を下回る米CPI(消費者物価指数)、そして新規失業保険申請件数の増加と、連続して弱い経済指標が発表され、米金利低下、米ドル安が一層進みました。

 米10年金利は4.38%前後まで低下、CMEのFedWatchツールでは、最初の利下げ時期が6月から5月に前倒しされています。

米長期金利 日足
米長期金利 日足

(出所:TradingView

 複数の経済指標を確認しなければ米金利のピーク、米ドルの天井を確認することはできないと言ってきましたが、確認できたと言える状況になったのかもしれません。

 ドルインデックスは重要なサポート104.85を下回り103.81前後まで低下したということは、すでに天井を見たと言って良さそうです。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:TradingView

 ドルインデックスが天井ということは、その構成要素の約58%を占めるユーロ/米ドルも底入れということになるのでしょう。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:TradingView

 ドルインデックス104.85に対応するユーロ/米ドルのレートは1.0755ドルです。ここを下回らない限り上昇トレンドに入ったと想定してトレードすべきでしょう。

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現状では「ドル金利がピーク=米ドルの天井」と判断している

 現状では、「ドル金利がピーク=米ドルの天井」とシンプルな判断をしています。

 では欧州通貨を積極的に買う材料があるのかと言われれば、少し困ります。それはあまりない。米ドル売りの反対サイドとして何が適当なのかと考えたときに、ユーロぐらいしか思いつかないという、消去法的な選択です。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:TradingView

 根拠が薄弱なので、ユーロ買いの持続性には疑問がつきまといますが、あえて良い点を拾うなら、ユーロ圏ZEW景況感指数の数字は今年(2023年)5月から9月まで-10前後でウロウロしていましたが、11月には+13.8まで回復しています。

 また、ムーディーズが米国債格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことも米ドル安方向に影響あるかもしれません。すでにS&Pやフィッチが米国債を格下げしており、Aaa(トリプルA)を維持しているのはムーディーズのみとなっています。ムーディーズが格下げした場合、3社揃うので、正式に米国債はトリプルA格を失うことになります。

 それでも、米国債は事実上、世界でもっとも安全資産であることには変わりはないと思われ、大きな変動はないと見ている投資家がほとんどと言えます。

 しかし、コロナ以降、財政支出が急激に拡大し、米長期金利もかなり上昇しているので、米国の債務維持能力に、少し陰りは出ています。それはイエレン財務長官も認めるところです。

 ウクライナにおける戦争、そしてハマスとイスラエルの衝突と、米国は軍事支出を抑えることができる状況ではないでしょう。中国が米国債から資金移動をしているというウワサは常にありますし、日本のJGB(日本国債)金利が上昇し、20年や30年金利が2%に近づけば、日本の機関投資家はあえて米国債を買う必要はなくなります。

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問題は米ドル/円…。緩和的な日本の金融政策継続で上昇トレンドは変わらずか

 問題は米ドル/円です。ドルインデックスが天井を打ったとしても、米ドル/円が天井を打つとは言い切れません。私個人としては、それでも緩和的な日本の金融政策が続くので、米ドル/円の上昇トレンドは変わらないと考えています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 その意味では、ユーロ/円等のクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)に妙味があると言えるでしょう。

 ただ、もしドルインデックスが本当に天井であれば、なにがしかの影響が米ドル/円に及ぶとは思います。それが軽微なのか、それとも昨年(2022)の秋に見られたような大きな調整になるか、そこは見極めたいところです。あまり影響は大きくないと思ってはいますが、相場は何が起こるかわかりません。

 昨年(2022年)は、米ドル/円の150円への上昇相場は上手く取れたのですが、そこから127円台までの下げ相場は、上手く対処できませんでした。円安の相場感があるので、調整を過小評価したのは反省点でした。調整が意外に大きくなる可能性はいつでもあります。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:TradingView

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円と台湾ドルの対米ドルでの相関性が高い。2024年総統選に向けて動きはあるか?

 米ドル/円は、少し意外に感じられるかもしれませんが、一部のアジア通貨と連動性があります。特にこのところ台湾ドルとの相関性は高いものが感じられます。

 米金利の影響を米ドル/円も米ドル/台湾ドルも強く受けるために動きが似るのかなと思いますが、来年(2024年)1月13日に台湾総統選挙を控え、台湾政局が動いています。

 米ドル/台湾ドルは、米ドル/円とゆるい相関関係があるように見えますが、米ドル/円があまり動かない中、大きく下方向(台湾ドル高)に下落しています。

 民進党、頼清徳候補が世論調査ではトップを走っていますが、野党第1党の国民党(侯友宜候補)と第2党である民衆党の柯文哲候補が、候補者をどちらか一本化することで合意、これが大陸との軋轢を軽減するとして、これが金融市場に歓迎されています。

 日本人の多くは民進党候補が問題なく勝利すると考えていると思いますが、国民党も民衆党も一定の支持があり、両者が選挙協力すると民進党に勝つ可能性がかなりあります。

 それは、日本側からすると想定外の動きになりますが、金融市場では国民党政権のほうが、大陸との軋轢が低減されるので、好感される傾向があります。

 この動きが加速すると、台湾ドルはさらに強くなる可能性があります。それが米ドル/円に対して先行性があるかもしれません。台湾ドルの上昇は円高を招くかもしれません。

米ドル/円と米ドル/台湾ドル
米ドル/円と米ドル/台湾ドル

※筆者提供


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