為替介入は時間の問題に
米ドル/円は今朝(11月13日朝)も上昇し、年初来高値をうかがっています(※)。
(※編集部注:米ドル/円は11月13日(月)14時過ぎに、10月31日(火)高値151.72円を上抜け、年初来高値を更新した)
日銀は緩和継続ですから、円安になりますよね。
為替介入さえなければ買いたいところですが……。
神田財務官はスタンバイと話していましたが、まだ介入は入りませんか?
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ヒアリングしたところ、神田財務官は、今朝の登庁時はノーコメントだったそうです。
せめて、牽制発言くらいは出てもおかしくありませんが、スタンバイとまで言ったからには、必ずやるのでしょう。
昨年高値151.95円超えで、ボラティリティが高まれば介入か
介入が入るとしたら、どの水準ですか?
今のようにジリジリした上昇だと、入りにくい。
ボラティリティをともなって上昇した時、たとえば昨年高値151.95円を超えれば、ボラティリティが出るでしょうから、152円へ乗せたりすると要注意でしょうか。
(出所:TradingView)
クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)では、ユーロ/円が2008年以来の高値更新です。
(出所:TradingView)
ユーロについて、そこまで強気な要因はありません。
クロス円を牽引していたスイスフラン/円は勢いが止まり、今度はユーロ/円が買われた。
ここから循環的にクロス円が買われていくのかどうか、まだ判断が難しいですね。
米金利のトップアウトと米株の年末高アノマリー
先週金曜日(11月10日)は、株が強かったですね。
米国では11月17日(金)につなぎ予算が失効しますし、ここまでのリスクテイク相場になるとは思いませんでした。
投機筋がポジションをショートに傾けていたため、買い戻しが入っていることも原因のひとつのようですが、それだけでなく「米金利がピークアウトした」と判断して、リスクテイク方向にポジションを傾けている投資家も増えているのでしょうか。
(出所:TradingView)
11月末が決算のヘッジファンドも多いですから、ポジション調整の動きはあるかもしれませんね。
ただ、米金利についてはこのまま一方的に下がるとは思えず、かといって高値を更新していくようにも見えず、高値圏での上がり下がりが続くのでしょう。
(出所:TradingView)
米国株は、11月から年末にかけて上がりやすいアノマリーがあります。
米金利がこの水準よりも上がらないなら、このまま上がっていくシナリオも考えられますね。
ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)が実際に利下げに動くと、天井というのがセオリーですから、このまま上がっていくとしても、来年(2024年)夏までにピークをつける、ということになります。
11月14日に米CPI、11月15日に米小売売上高
金融政策を予測する上で、11月14日(火)に発表される米CPI(消費者物価指数)、11月15日(水)の米小売売上高が注目となります。予想はそこまで強い数字ではありません。
このところマーケットが薄いように感じますし、米CPIや米小売売上高で右往左往はしても、決定打になるとも思えません。
ごく短期で考えるなら、経済指標で下がったところを拾って、152円手前で利益確定するというくらいでしょうか。
(出所:TradingView)
イスラエルの件ですが、マーケットの焦点からは外れつつありますね。
戦争などの地政学リスクがマーケットの材料となるのは「最初の3か月」が目安だそうです。
ハマスのミサイル攻撃は10月7日(土)でしたから、1か月ですが、よほどの進展がないかぎり、注目は薄れそうです。
今週の戦略ですが、介入は時間の問題となりつつあります。
「神田シーリング」が152円。その手前で売って5円下がったところで利益確定、ドテン買いに――というのが理想ですが、ゆっくり取引するなら5円下に買い指値を入れて待ち構えるのがいいかもしれません。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
(構成/ミドルマン・高城泰)
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