昨日はニューヨークの地銀が不動産関連で格付け会社から格下げを食らったことでリスク増大が意識されたが、個別企業の収益状況も良いので大して大きな問題にはならなかった。
質への逃避で債券相場が持ち上がったのもわずかで済んで、すぐにリスク志向の株価買いへと進んだ。米国株の代表的な株価指数であるS&Pは5000ポイントに乗せてきた。ドル円もユーロドルもとても狭い値幅の一日となった。
ところで賃上げやインフレの鈍化を見込んで、日本株がとても高くなってきている。賃上げも物価上昇の停止も、いずれも家計に取ってはプラスであり、それが個人消費を盛り上げるのではないかという図式。しかし企業価値の時価総額を示す株価と言う立場では、まったくの反対になる。
賃上げは企業コストの増大を意味し、それは企業利益を減退させる要因の最たるものだ。そもそも生産性を上げるというのは、分母である人件費などの固定を下げる事が第一。賃金上昇はそれに抗うことなのだ。またインフレを沈下させるためにマイナス金利の解除はもちろんのこと、ゼロ金利からも脱しないといけない。短期金利の上昇はこれまた企業利益を減退させる。
とにかく3月の春闘のヤマ場や4月の日銀会合で起こりうることは、本来は株価にダメージを与えることなのだ。
日本時間 15時10分
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