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 日銀総裁の「政策の変更には時間的な余裕がある」という言葉にどのような意味を持たせるのかで、見方が分かれている。素直に読んで追加利上げは遠のいたとみるべきなのか。しかし総裁個人は利上げを今のうちにしておきたくて仕方がないようだ。

 昨日は前者のほうが強く出たようだ。月曜日の欧州時間には激しくユーロ円が売られたのに、昨日の欧州序盤ではかなりアグレッシブにユーロ円が買い上げられた。そして再び161円台まで見ている。このステージでドル円もメクリ上げられ、先週の高値をも追い越してきて144円台のミドルを越えてきた。

 しかしドル円の144円台に定着するのはできなかった。ドル円の上値は重く、とくにCB指数が悪く出たときは143円台の中盤まで深く押した。存外に軽い値動きであったように見える。

 ところで日本株は「T+2」である。これは株券や現金の受渡日を表している。Tというのは取引日であって、取引した２営業日後に約定した物品を受け渡さないといけない。9月26日の受渡日は9月30日であり、9月27日取引分の受渡日は10月1日になる。だから取引日が９月のままであっても、26日の木曜日と27日の金曜日とでは受渡日が月をまたぐことになる。これ影響を受けるのは配当の受け渡しである。

 ９月配当は９月の最終日に株券を持っていた人に支払われる。したがって10月受け渡し分には配当はついていない。だから10月受け渡し分からは配当分だけ株価が下がって取引されることになる。これを配当取りの権利落ちと言う。配当を取りたい人は9月26日の東京クローズ時点で株券を持っていないといけない。

 ゆえに配当取りをするために株を買って持っていることに経済的な効果はない。株価がその分だけ安くなるからだ。むしろ配当が来ることによって事務作業が増えることになるので、トレーディング目的のハウスなどでは配当日は外すようにしているところもあると言う。

 したがって評論家が述べているような配当取りの株買いという行為は本来は起こりうるべきはずもなく、それがリスクオン相場になるという根拠にもならない。この事情は米国株でも同様である。

日本時間 16時00分

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