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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

米ドル/円は2025年末に159円か138円か? 新NISAによ
る家計の円売りが変調なら、日米金利差縮小で下落しそう
だが、ユーロ/米ドル中心に米ドル高進行の可能性が高い

2024年12月05日(木)11:42公開 (2024年12月05日(木)11:42更新)
西原宏一

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米ドル/円は2025年末、159円か138円か?

 みなさん、こんにちは。

 このコラムでは12月になると、各主要銀行の翌年の為替予想をご紹介しています。

 しかし、最近のように「政治、経済、金融」が急速に変化する時代に、年間の見通しというのは極めて困難であるため、こうした主要銀行の年間の予想は、次の数ヶ月の変化といった形で相場の参考にしています。

 ただ、今週の「FX&株 今週の作戦会議」コラムでも紹介させていただいたように、2025年の主要銀行の米ドル/円の見通しが銀行によって見方が大きく分かれていて、コンセンサスとしてまとまっていません。

【※関連記事はこちら!】
ユーロ/円の下落に注目! 植田総裁の日経新聞報道は日銀12月利上げへの地ならしで、ECBの12月利下げも予想されている。FOMCの12月利下げに向けて米ドル/円も重そう(12月2日、西原宏一&叶内文子)

 例えば、モルガンスタンレーの来年末(2025年末)の米ドル/円予想は138円ですが、ゴールドマンサックスは159円です。

 このように予想が分かれた要因はどこにあるのでしょうか?

 まず、モルガンスタンレー。

 モルガンスタンレーは日米金利差に注目しています。


米景気は25年前半には鈍化し、FRBは25年5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで毎会合、合計で1%の利下げに踏み切る」と予想する。日銀も25年1月と7月に利上げをすると見込み、日米金利差が大きく縮小することで25年前半を中心に円高・ドル安が進むとみる。
(出所:日経新聞)


 次に、ゴールドマン・サックス。

 ゴールドマン・サックスは、関税引き上げの倍増と減税の実施といったトランプ米大統領の積極的な経済政策が、2025年に米ドルに強力な支援を提供する可能性が高いと強調しています。

 これらの政策の進化する性質は、市場全体がその影響を吸収するにつれて、米ドル高が続くことを示しているとして、年末の米ドル/円を159.00円としています。

他の主要銀行も、2025年末の米ドル/円を138~160円までに分かれており、来年の米ドル/円はちょっと難しい相場展開になりそうです。

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家計の円売りに変化があれば、米ドル/円は日米金利差縮小に大きく影響されるか?

 前述で取り上げたモルガンスタンレーのように、日米金利差縮小に着目して米ドル/円相場を組み立てる時に、記憶に新しいのが昨年(2023年)の12月。

昨年の12月は、今年(2024年)初頭から、米金利の急低下が予測され、米ドル/円は年末までに130円方向に下落するという予測が大勢でした。

【※関連記事はこちら!】
【2024年のFX予想】米ドル/円は132円~135円程度への下落を想定! 日米の政策の逆回転で、4年ぶりの円高到来か? 金融政策に注意して、変化にあわせて対応したい(2023年12月21日、西原宏一)

 ただ、個人的には新NISAの円売りがどの程度、相場に影響があるのかはわかりませんでしたので、今年1月、米ドル/円のショートではエントリーせず。

 結果は、新年に入って米ドル/円は新NISAによる「家計の円売り」という新しい円売り要因が飛び出し、いきなり8円も急騰するという展開から始まりました。

米ドル/円 日足(2023年11月~2024年2月)
米ドル/円 日足チャート(2023年11月~2024年2月)

(出所:TradingView

 振り返れば、今年の米ドル/円に大きな影響を与えたのは「日米金利差」「デジタル赤字」「家計の円売り」の3つの項目だと考えています。

 では、新NISAによる家計の円売りは現状、どうなっているのでしょうか?

 これに関しては、みずほ銀行の唐鎌さんが興味深いコラムを配信しています。


「家計の円売り」に変調か、英国事例から考えるNISAの今後=唐鎌大輔氏

年初から円安の一因として注目されてきた「家計の円売り」に変調が見られる。
<「家計の円売り」は13カ月ぶりの低水準>
「家計の円売り」の代理変数として注目されてきた投資信託等委託会社(以下投信)経由の対外証券投資は11月発表分ではプラス3930億円と昨年9月以来、約13カ月ぶりの小さな買い越し額にとどまっている。商品別に見ると株式・投資ファンド持分がプラス2717億円、中長期債がプラス863億円、短期債がプラス350億円といずれも買い越しを確保しつつ、新NISA(少額投資非課税制度)稼働後としては極めて小規模な水準にとどまった。
(出所:ロイター)


 今年の円安の要因として、「家計の円売り」という材料をいち早く指摘していた唐鎌氏が、変調の兆しがあると考えていることに注目しています。

家計の円売りの要因が大きな影響を及ぼさないとなれば、日米金利差縮小という要因で、米ドル/円の下落を予想しやすいからです。

 この意味においては、今年経験したような162円まで駆け上がるような円安を想定するのは難しいと考えています。

 ただ、2025年はユーロ/米ドル中心に米ドル高が進行する可能性は高いと考えていますので、米ドル/円は150.00円±7円程度のレンジになるのかもしれません。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

 こうしたことから想定すれば、来年フォーカスされる通貨ペアはユーロ/米ドル、ユーロ/円を中心としたユーロクロス(ユーロと米ドル以外の通貨との通貨ペア)になるのではないでしょうか?


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