米国の主要3指数は週足ベースで上昇!いよいよトランプ2.0が始まる
西原宏一(以下、トレーダー西原)・叶内文子(以下、MC叶内)みなさん、こんにちは。
MC叶内 いよいよトランプ2.0が始まりますね。
トレーダー西原 そうなんですよね。1月20日(月)のトランプ大統領の就任式まで1週間を切っていたため、先週(1月13日~)は大きな動きはないだろうと考えていたのですが、日銀の利上げがフォーカスされ米ドル/円が一時値を下げています。まず、先週(1月13日~)の振り返りからやりましょうか?
MC叶内 では、先週(1月13日~)の株式市場から。米国株は週明け安く始まったものの半ばから持ち直し、週足ベースでは3指数とも3週ぶりの上昇となりました。
PPI(卸売物価指数)、CPI(消費者物価指数)が予想を下回り過度なインフレ懸念が後退。利下げ期待が持ち直し、一時4.8%まであった米長期金利の上昇が一服したことが買い安心感につながりました。
一方、小売売上高など景気指標は強かったことで再びゴルディロックス的ムードになっています。米国の金融機関の決算が好調だったことや、中東情勢なども市場心理を明るくしました。
一方で日経平均株価は前週末比618円安の38451円で終えました。3週連続の下落です。
(出所:TradingView)
1月9日から6連続陰線という弱い形状で、17日には3万8000円ぎりぎりまで下げる場面がありました。トランプ氏の関税政策警戒、日銀の利上げ観測、円高が重しとなったと解説されていますが、特段大きな売り材料があったわけではないように思います。
そんな中、景気敏感株、設備投資株の一角が安値から反発してきたことに注目しました。
為替はなんといっても日銀の利上げに関することですよね。
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市場は日銀の利上げによる円高リスクを織り込んだ
トレーダー西原 はい、おっしゃるとおりです。
要因は日銀の副総裁と総裁のコメント。彼らのコメントから今月(1月)24日の日銀会合での利上げ観測がいきなり織り込まれ始めました。
呼応して米ドル/円は、一時155円割れまで値を下げています。
(出所:TradingView)
ただ、金利スワップ市場では17日の東京市場の早朝、すでに今月(1月)の日銀の利上げを90%程度まで織り込んでいました。つまり、これ以上織り込みようがありません。一方、為替市場参加者は金利などはあまりチェックしませんので、オーバーシュートしがちです。
そのため、一時155.00円割れまで米ドル/円はオーバーシュートしましたが、肝心の金利が織り込み済みだったため、156円台前半まで値を戻しています。
金利スワップ市場が利上げをフルに織り込んだことにより、マーケットは日銀の利上げによる円高リスクを織り込んだため、円安要因だけが残っています。そして1月20日(月)にトランプ氏の大統領就任を迎えます。
では、トランプ氏の大統領就任も含めイベントをチェックしましょうか?
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トランプ大統領就任、そして日銀金融政策決定会合へ…
MC叶内 今週(1月20日~)のスケジュールを確認します。
なんといっても20日はトランプ大統領就任式で、トランプ氏が何を述べるのか、するのかに注目が集まっています。その日は米株式市場は祝日のため休場(キング牧師記念日)です。
20日から世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開かれます。今年のテーマは「インテリジェント時代に向けたコラボレーション」。トランプ氏が23日に演説する予定です。
1月23~24日に日銀政策委員会・金融政策決定会合があり、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)が公表され、24日植田日銀総裁が会見します。
24日には各国の1月のPMIが発表されます。米国製造業は12月49.4、サービス業は12月56.3と好調でした。このまま好調継続しているのか確認したいところです。
欧州は、ユーロ圏製造業が予想45.5(12月45.1)、サービス業が予想51.5(12月51.6)となっています。
また、国内12月消費者物価指数も要チェックです。24日は通常国会が召集され政府4演説があります。
引き続き決算発表もあります。21日米3M、Netflix、22日J&J、P&G、23日日本ニデック、ディスコ、米テキサス・インスツルメンツ、24日ベライゾンなどが注目されます。
株式市場は、まずはトランプ大統領就任というイベント通過でどんな反応を見せるのかにかかってきます。ちょうど17日に米国版SQも通過しており、新たな戦略が構築され始めるかもしれません。また、決算発表シーズンで個別の動きが多くなりそうです。
為替市場も、1月20日のトランプ氏就任後の政策発表が注目されますね。
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トランプ大統領就任後、マーケットはどう動くのか?
トレーダー西原 そうですね。トランプ氏の大統領就任に伴う大統領令の影響で、為替市場も大きく動くと思われます。
ここで、これまでのトランプ2.0関連の市場動向を振り返ってみます。
まず、11月の米大統領選挙におけるトランプ氏勝利からもっとも上昇しているのが、ビットコインです。株はすでに少々調整気味であるため、次は米ドルといわれています。
ビットコインは文句なく暴騰していますが、米ドルは暴騰したという印象はありません。
ドルインデックスの構成銘柄の代表であるユーロで考えてみれば、ユーロ/米ドルはまだパリティ(=1.0000ドル)どころか1.0100ドルもついていません。一方、ブルームバーグのドルインデックスは、投票日からの10週間で5%上昇しています。
(出所:TradingView)
値幅は物足りませんが、多くの参加者が予想していたとおり、ユーロ/米ドルはパリティに向けて下落。カナダドルなどの下落も含めれば、米ドルは十分上昇したといえるでしょう。
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米ドル/円は押し目買い戦略が良さそう
トレーダー西原 ではこれが続くのか?
まず、メルマガでもご質問いただいたのですが、現時点でIMM(国際通貨先物市場)の米ドル買いポジションがかなり積み上がっていることが注目されます。
そしてドル金利については、米10年債利回りはいったん4.8026%まで上昇し、その後4.5662%まで下がっています。
(出所:TradingView)
1月20日の大統領令発表からは、インフレ上昇という見方ばかりが目立ちますが、原油は下がる方向でしょうから、米10年債利回りは4.5%~5.0%のレンジの高止まりということでしょうか。
そう考えれば、ユーロ/米ドルもいったん利益確定で戻りもあるでしょうが、急騰するわけでもありませんし、下げ渋る展開でしょうか。
一方、米ドル/円に関しては、日銀の利上げをほぼ織り込んでしまったので、仮にドル金利低下、米ドル売りになったとしても、米ドル/円は底堅いのではないかと想定しています。
トランプ大統領の大統領令待ちですが、日銀の利上げはフルに織り込んでいるため米ドル/円の押し目買いで考えています。
(出所:TradingView)
トレーダー西原・MC叶内 では、今週もよろしくお願いします。
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