トランプ大統領就任による影響(行動)をしばらく注視したい
1月20日(月)にトランプ米大統領が就任しました。就任から1週間で一気に政策を実行に移すと言っていましたので、注目が集まっていました。
1月20日にトランプ米大統領が就任。就任から1週間で一気に政策を実行に移すと発言し注目が集まっていた (C)Mark Wilson/Getty Images
マーケットに関係ある部分では、関税の問題があります。トランプ米大統領は「カナダ、メキシコに対して25%の関税を課す」と公表しました。
また、「中国に対しては追加で10%の関税をかける」と表明しています。さらに、欧州に対しても関税をかけるとの意向を示しています。ただ、日本に対しては、まだ何も発言していません。
関税をかけると、米国国内ではインフレが加速するので、金利が上がって米ドル高になるというのが一般的ですが、今のところ、そういう反応をマーケットはしていません。おそらくですが、トランプ米大統領もこの関税を他国との交渉材料として利用していて、ずっとかけるつもりではないのではないかと疑っているために、反応が鈍いのではないかと思います。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
また、トランプ政権はまだ、為替政策についての考え方を明らかにしていません。この点も動きづらい理由になっているのではないかと思います。もう少し彼の行動について注視をしておく必要がありそうです。
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日銀が利上げしてもマーケットへのインパクトは限定的か
日本国内では、本日(1月23日)、明日(1月24日)と日銀の金融政策決定会合が開催されます。今回は利上げが確実視されていますので、実際に利上げが決定されても、それほど大きな反応はないかと思います。
会合後に植田日銀総裁の記者会見が行われますが、今後の追加利上げについてどんな見解を示すのかに注目しておきましょう。あまり、積極的なことを言わない場合は円安が加速する可能性が高いと予想しています。
(出所:TradingView)
また、来週(1月27日~)の28、29日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。前回のFOMC後、パウエルFRB議長は「金利水準は中立に近づいている」と発言していますし、直近のCPI(消費者物価指数)も2ヶ月連続で上昇していますので、今回政策金利は据え置きになるでしょう。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル/円は155円上抜けで目先のめどを157円程度に変更!FOMCでのパウエル議長の発言で米ドル高一色、さらに日銀利上げ見送りで円安基調は続くのか?(1月23日、今井雅人)
そして、その後の運営についても追加利下げに関して消極的(ハト派)な姿勢を見せるのではないかと予想しています。もし、そうであれば、米ドル買いが進むではないでしょうか。まだまだ、不確定要因が多いので、トレンドを作るような相場展開にならないと思います。
米ドル/円も155-158円程度を想定してレンジトレードを続けていこうと思います。
(出所:TradingView)
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トランプ大統領が厳しい姿勢示してもメキシコペソは思ったほど売られず
さらには、メキシコペソ/円ですが、トランプ米大統領がメキシコに厳しい姿勢を示しているにも関わらず、思ったほど下落しませんでした。
ひょっとすると、落ち着いてくれば、上昇トレンドを作る可能性も出てきたと考えていますが、もう少し様子を見てから動き出したいと思います。
(出所:TradingView)
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