日銀早期利上げ観測による円高は一時的で円安回帰
日銀の早期利上げ観測による円高圧力は一時的なものに終わりました。その後、米ドル/円を売り込んでしまった人の買い戻しが起きています。
(出所:TradingView)
この動きは想定できましたが、それと同時にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も上昇してきているのは、少し想定とは違う動きでした。
こうした動きも結局、トランプ米政権の政策への反応の仕方が不安定だからです。現在、トランプ米大統領の各国に関税をかけるという政策は、米国のインフレを加速させ、普通に考えれば、金利上昇から米ドル高になるという流れになります。
しかし、関税の掛け合いが世界経済を縮小させ、リスクオフになるというシナリオもあります。また、関税という人為的な行為がもたらす金利上昇が株式市場への下落圧力をかけ、それによる円高になるというシナリオもあります。
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ウクライナとロシア紛争解決ならユーロにとってプラス材料になるか
また、昨日(2月12日)大きな動きが出ましたが、ウクライナとロシアの紛争については、これが解決すれば、ユーロにとってはプラス材料になるという流れも考えられます。
(出所:TradingView)
さまざまなシナリオが考えられるため、上下動を繰り返してしまっているということだと考えれば、納得がいきます。残念ながら、今後も不安定な動きが続くと考えておいたほうが良さそうです。
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ユーロ/米ドルは1.04ドル台でショート、米ドル/円は153円台前半で米ドル買い狙い
そんな中ですが、昨日(2月12日)、米国のCPI(消費者物価指数)1月分が発表になりました。結果は、前年同月比3.0%のプラス、コア指数も前年同月比3.3%のプラスとなりました。
これは、市場の予想を上回るとともに、前月の結果も上回っています。米国のCPIはここ数カ月上昇トレンドになっており、この状態が続くと仮定すれば、FRB(米連邦準備制度理事会)は今年(2025年)は利下げをしないという可能性が高まってきます。
トランプ米大統領の動きに振り回される動きは続くと思いますが、そういう中で上下動を繰り返しながらも、最終的には米ドル高に向かっていくという流れを基本シナリオでやっていきたいと思います。
とりあえず、米ドルの押し目買いを中心に行っていきます。ユーロ/米ドルは1.04ドル台でのショートポジション、米ドル/円で言えば、153円台前半での米ドル買いを狙っていきたいと思います。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
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