昨日の海外市場でドル円は、低下していた米10年債利回りが上昇に転じたことを支えに1時前には153.92円と日通し高値を付けた。ただ、節目の154円を前に失速。全般ドルが伸び悩むとNY終盤には153.19円付近まで下押しした。ユーロドルはドル高が先行したことで1.1805ドルまで弱含んだが、一巡するとショートカバーが優勢となり1.1855ドルまで切り返した。
本日の東京時間のドル円は、前日のレンジほぼ中心でクローズした流れを引き継ぎ、方向感を欠いた静かな立ち上がりとなりそうだ。上値も下値も決め手に欠け、マーケットは一旦アクセルを緩める構え。本邦では1月の貿易収支が発表されるが、真に視線が向かうのは本日召集される特別国会だ。
昨日のドル円は、欧州時間に152.70円まで売り込まれた後、米国勢参入で153.92円まで切り返す荒い値動き。しかし、上昇の勢いは持続せず、最終的にはほぼレンジ中心値(153.31円)で引けた。売りも買いも決め手を欠き、この水準から積極的にポジションを傾けるのは難しい。高市政権のかじ取りを見極めるまでは、相場は無理をしないだろう。次のトレンドは、政治の一手が引き金を引くことになる。
衆議院選で圧勝を収めた高市政権。だが、真価が問われるのは本日開会する特別国会。午前の臨時閣議で第1次高市内閣は総辞職し、今晩には第2次高市内閣が発足する見通し。幹事長や政調会長を含む党四役、そして全閣僚を再任する方向と報じられ、布陣は「安定と継続」を前面に出す構え。会期は7月17日までの150日間。長丁場の政治シーズンが幕を開ける。
市場の焦点は明確で、首相が掲げる「責任ある積極財政」の中身、そして2年限定の飲食料品消費税ゼロの財源をどう示すのか。昨年、基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化目標を単年度から数年単位へ見直す方針が示された際には、財政規律への懸念が強まり、債券安・円安が進行した経緯がある。今回も財源の裏付けが曖昧なままなら、足元で進んできた円の買い戻しは反転し、再び円売り圧力が強まる可能性がある。
加えて、衆議院の早期解散・総選挙の影響で、3月末までの予算成立は時間との戦いになる。首相は年度内成立を目指すとされるが、時間的制約の中でスピードを優先すれば、政策の透明性が置き去りにされかねない。財政の覚悟を示せるのか、それとも不安を残すのか、為替市場はその一点を見極めようとしている。
なお本日早朝、トランプ米大統領は自身のSNS「Truth Social」で、日本による総額5500億ドル規模の対米投資コミットメントに基づく初弾案件を発表した。テキサス州の石油・ガス開発、オハイオ州の発電事業、そしてジョージア州の重要鉱物関連。いずれもエネルギーと資源を軸とする戦略分野になる。
需給面から見れば、対米直接投資の拡大はドル需要を伴う材料であり、本来はドル買いを誘発し得るニュースと言える。ただ、現時点で為替市場の反応は限定的。資金フローの実需インパクトが顕在化するまでには時間差があるとの見方や、政治的アピール色の強さを意識した冷静な受け止めが背景にあるのだろう。
本日はニュージーランド準備銀行(RBNZ)金融政策委員会(MPC)が政策金利を公表することで、NZドルの動きに注目。市場では金利据え置き予想が優勢だが、焦点は声明文のトーン、そして新総裁ブレマン氏にとって初となるMPC後の会見になる。1月下旬に発表された10‐12月期CPIが市場予想を上回ったことで、インフレ警戒姿勢が一段と強まるのか、それとも慎重姿勢を維持するのかが問われる。もしインフレ抑制に対する強いコミットメントが示されれば、NZドルは上値を試す展開も視野に入る。一方で、景気への配慮をにじませる内容となれば、材料出尽くしの売りが先行する可能性もある。
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