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東京為替見通し=米・イラン情勢、協議に向けた地ならしを見極める展開か

2026年06月02日(火)08:00公開 (2026年06月02日(火)08:00更新)
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 1日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は中東情勢を巡る懸念が再び高まると、原油高・株安・ドル高の様相の中、有事のドル買いが先行。5月米ISM製造業景況指数が54.0と予想の53.1を上回ったことも追い風となり、4月30日以来となる159.76円まで上昇。その後は中東情勢を巡る懸念が和らいだことなどから押し戻されるも159.57円付近までに留まった。ユーロドルは有事のドル買いや強い米経済指標が重しとなり、一時1.1607ドルまで下押しした。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、関係が悪化した米・イランの交渉状況を見極めながら神経質な展開が見込まれる。

 昨日のアジア時間では、米軍がイランにあるレーダー施設などへの攻撃を認め、イラン側は米空軍基地を標的とするなど、散発的な戦闘は続いていた。

 しかし、イラン外務省のバガイ報道官が米・イラン交渉の停滞の理由の一つとして「イスラエルによる攻撃」を挙げて非難したほか、イランのタスニム通信がイスラエルによるヒズボラへの攻撃を理由として「米国との協議を停止している」と報じると、市場では協議進展への楽観的ムードが後退。「有事のドル買い」と共に一時89ドル台前半に下落したWTI原油先物価格が94ドル台に急上昇し、米10年債利回りは4.44%台から4.51%台まで上昇するのをながめ、ドル円は159.76円まで上昇した。

 一連の報道を受けて交渉決裂が懸念されたが、トランプ米大統領はヒズボラとイスラエル双方と協議、攻撃停止の確約を取り付けたことを明らかにしており、リスク回避の動きは一服している。

 過去の地政学リスクの事例では、偶発的な衝突から全面的な軍事行動へとエスカレートした例はあるが、今のところ米・イラン両国で発生している戦闘は散発的・限定的となっている。トランプ氏がヒズボラ・イスラエル双方から攻撃停止を取り付けたことからも、米・イランともに平和的な事態収拾を模索している様子が窺える。こうした期待がある間は、散発的戦闘が伝わっても市場の反応は一時的なものとなる可能性がある。

 そうした中、注意すべきは、米国が交渉をあきらめイランに再攻撃をするケースである。この場合はリスク回避ムードの中で有事のドル買いが強まる公算である。ただ、トランプ氏が「ディール外交」を好む性格上、攻撃再開を厭わないという姿勢を見せることは想像に難くない。また、同氏の発言が二転三転することからも、交渉相手であるイラン側の発言と合わせて状況を見極める必要がある。

 現在、米・イラン間の協議における主な双方の相違点として、核関連や凍結された資産、ホルムズ海峡に関する取扱などが挙げられる。両国の主張がぶつかっている箇所だけに交渉で双方納得ができる落としどころを見つけるのは容易ではないが、もしこれらの問題について進展が見られれば、和平協議への期待が再び高まる展開もあり得る。引き続き、米・イラン双方の発言に注意を払いたい。

 他方、本邦要因で注意すべきは、円買い介入への警戒感が高まっている点である。ドル円は4月30日以来となる160円が視野に入っているが、同日は5兆円規模の介入が入ったとされる日である。160円を超えてしまうと、介入による下げがほぼ全戻しとなってしまうため、本邦金融当局としてもそれは避けたいところであろう。また、昨日は本邦金融当局者からは円安けん制発言は伝わっていないものの、本日はけん制発言の有無に加え、どの程度の強い口調での発言となるかも注意したい。

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