本日のNY市場におけるドル円は、中東情勢を巡る楽観論の後退や、世界的な株安への警戒感が上値を抑える要因となりそうだ。
中東情勢については、先週、トランプ米大統領がネタニヤフ・イスラエル首相に攻撃の自制を求めたほか、イスラエルとレバノンの両政府が停戦履行で合意したとの発表もあった。しかし、その後も双方による攻撃の応酬が続いており、和平実現への道筋は依然として不透明な状況だ。
トランプ大統領は11月の中間選挙を控え、中東政策における成果を示したい考えとみられる。一方、ネタニヤフ首相も今後予定される総選挙を見据え、強硬姿勢を維持する必要があるとの見方がある。こうしたなか、イランやヒズボラなどの勢力も各国の政治事情を踏まえて対応しているとみられ、米国主導の和平案に対する懐疑的な見方も残っている。今後も米メディアなどを通じて停戦や和平進展に関する報道が伝わる可能性はあるが、和平報道には多分に政権のプロパガンダ的側面が内包していることもあり、実際の情勢改善につながるかを慎重に見極める必要があるだろう。
中東情勢以上に市場の警戒感を高めているのが、世界的な株安の動きだ。先週3日に発表された半導体大手ブロードコムの決算に端を発した半導体セクターの売りは、いまや市場全体の地殻変動へと波及している。本日は日経平均株価が大幅安となったほか、韓国のKOSPIも一時急落し、サーキットブレーカーが発動された。新興国ベンチマークにおける韓国株の比重急上昇に伴う、アクティブファンドの機械的なリスク管理(ポジション縮小)が売りを加速させた格好だ。
韓国株の下落については、これまでの急騰によって世界株式や新興国株指数における韓国株の構成比率が上昇し、多くのアクティブファンドがリスク管理や運用方針に沿って保有比率を調整したことも一因と指摘されている。
これを単なる一過性の「健全な調整」と見るか、あるいは1929年の大暴落や2000年のドットコムバブル崩壊の再来と捉えるかが注目される。本日は米国の主要経済指標の発表が控えていないだけに、米株市場の乱高下がそのまま為替市場のモメンタムを支配することになりそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、これまでの日通し高値160.39円。その上は介入初日の4月30日高値160.72円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、5日安値で日足一目均衡表・転換線もある159.75円。その下は21日移動平均線159.11円。
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