バーナンキ議長は「追加緩和策の用意がある」と発言し、「QE3(量的緩和策第3弾)」の可能性を示唆しました。そのため、この日のNY市場では一時、米ドルが全面安となりました。
避難通貨であるスイスフランに対する「米ドル売り」は強烈で、米ドル/スイスフランは一時0.8081フランまで下落し、最安値を更新。
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その一方で、スイスフランに遅ればせながらも、もう1つの避難通貨である円も堅調に推移しています。
米ドル/円は7月13日(水)早朝に、79.00円以下にあった本邦個人投資家のstop loss(損切り注文)を巻き込んで、一時は78.48円まで急落しました。
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ただ、本邦個人投資家の新規の「米ドル買い」と「ナンピン買い」は収まっていません。彼らが米ドルを買い、それが米ドル/円の下値を一時的に支えているといった展開になっています。
一方で、海外勢はバーナンキ発言を受けて「米ドル売り」を進めており、それが米ドル/円の上値を押さえているといった状況です。
■ドル/円は76.25円も視野に入ってくるか?
そして、7月14日(木)早朝に、 ムーディーズが「米国債格付けを引き下げ方向で見直し」と表明しました。この報道により「米ドル売り」が加速し、米ドル/円は再び78.47円まで下落しています。
「QE1(量的緩和策第1弾)」、「QE2(量的緩和策第2弾)」ともに、実施された時の為替市場の反応は「米ドル安」でした。
今回、バーナンキ議長が「QE3」を示唆したことで、海外勢の米ドルに対する目線はかなり下がってきています。
米ドル/円の最初のターゲットは7月13日(水)安値の78.48円で、そのレベルが突破されるようであれば、3月安値の76.25円も視野に入ってくるでしょう。
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今週後半は、イタリアの債務問題に加えて、米国の「QE3」の行方、そして、米ドル/円と米ドル/スイスフランのダウンサイドリスクに注目です。
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