■デフレ局面での金融緩和は、より効果が大きい
8月17日(水)のNHKのテレビで、第2次世界大戦中の通貨政策についての番組が放送されていました。非常に興味深い内容でした。
結構複雑な内容もあったので、ここでは詳細を割愛しますが、簡単に言えば、日本軍の戦費を賄うために、通貨発行権のある銀行に紙幣を刷らせて、それでおカネを調達していたという内容です。
こうしたやり方は「悪性インフレ」を起こす非常に危険なものです。当時の高橋是清財務大臣がこれを懸念して、通貨発行を抑えるような方針を出しました。
ところが、これに反発した軍部は、有名な「2・26事件」を起こして高橋大臣らを暗殺し、そこから軍の暴走が始まりました。
日本軍は中国、朝鮮などで傀儡(かいらい)銀行に通貨を大量に発行させ、それで戦費を賄っていきました。
その結果、物価は暴騰し、中国の一部では年率3万パーセントという信じられないようなインフレとなりました。1日で物価が3倍になり、自分たちの持っているおカネは紙くずと化し、飢餓で亡くなる人があふれ出たのです。
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こうした悪夢を教訓としているため、中央銀行は規律を重んじなければならないと堅く誓っているのです。
しかし、今回の局面は当時とは状況が違うと私は思います。デフレ局面ですから、ある程度の金融緩和は副作用より、良い効果のほうが大きいと思います。
しかし、日銀には、そこまでの強い思いはないのではないでしょうか。
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