さて、ユーロの債務問題のカギを握るのはドイツですが、そのドイツのメルケル首相でさえ、次のようにコメントしています。
「メルケル独首相:欧州債務危機を一挙に解決する『ビッグバン』はない」(出所:Bloomberg)
来週は、週末にクリスマスを控えているため、「クリスマス休暇」に入る欧米の市場参加者が一段と増えて、市場の流動性はさらに低下します。そのために、年末にかけて、さすがに市場の混乱は沈静化するだろうというコメントも見受けられます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)
しかし、ユーロ圏の問題はまったなしです。今年の場合はクリスマスシーズンであっても、ユーロ圏からの報道には警戒すべきでしょう。
■今年のユーロ/米ドルは「長い上ヒゲの陰線」で終わりそう
このように、いっこうに改善の兆しが見えない欧州の債務問題に対して、ユーロ圏の分裂を想定した記事が、欧米各紙で多く見られ始めました。下に示したのは、その一例です。
「英金融監督当局の金融サービス機構(FSA)とイングランド銀行(中央銀行)で要職を担うアンドリュー・ベイリー氏は24日、同国の銀行に対し、一部の国がユーロ圏を無秩序に離脱する可能性を無視すべきでなく、最悪の事態に備えるべきだと訴えた」(出所:wall street journal 日本語版)
ユーロ/米ドルは今年、1.3348ドルで取引を開始したのですが、このままの状況だと年初来安値の更新に向けて下落し、「長い上ヒゲの陰線」で終わりそうです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
マーケットは以上のようなコンディションですから、2012年のユーロ/米ドルは今年の調整期間を経て、1.1ドルに向けて下落する可能性が濃厚なのではないでしょうか?
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