■ユーロ/豪ドルは3週間で550ポイント急騰!
みなさん、こんにちは。
このコラムで何度かご紹介しているユーロ/豪ドルですが、今週も上値を拡大。
ついに1.21ドル台を回復し、本日(8月30日)は一時1.2151ドルまで急騰しました。
ユーロ/豪ドルが1.1606ドルの安値をつけたのが8月2日(木)ですから、わずか3週間で550ポイント急騰したことになります。

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
主要通貨ペアの米ドル/円や、ユーロ/米ドルの値動きが縮小する中、ユーロ/豪ドルの一方的な上昇はヘッジファンド勢の収益の柱の1つとなっています。
ただ、以下のユーロ/豪ドル日足チャートを見ると、ユーロ/豪ドルは8月29日(水)にフィボナッチ・リトレースメントの38.2%戻しにあたる1.2140ドルまで到達しました。
(出所:CQG)
テクニカル的にもいったん上値のメドに到達したことで、8月29日(水)から短期筋の利益確定売りが目立っています。
加えて、前コラムでご紹介したとおり、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が断続的にユーロ/豪ドルの売りを持ち込んでおり、8月29日(水)の夜もユーロ/豪ドルがいきなり1.2071ドルまで急落するといった局面がありました。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルが1.25ドルの巨大バリアを突破!上値のメドは1.26ドルミドル(8月23日、西原宏一)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/豪ドル 30分足)
こうした乱高下に巻き込まれないようにしたいところです。
この後のユーロ/豪ドルは、基調はアップトレンドですが、一方的な上昇を期待するのではなく、ていねいに押し目を拾うという展開でしょうか。
■ジャクソンホールよりECB理事会に注目
上記のように、ユーロ/豪ドルが急反発している背景には、欧州債務危機への改善期待もあるのですが、明日8月31日(金)に迫ったジャクソンホールでのQE3(量的緩和第3弾)期待が挙げられます。
ただ、ジャクソンホールでのQE3に関しては、これまで市場が十分織り込んできたため、今週のユーロ/米ドルは上値を伸ばしていません。
ユーロ/米ドルは前コラムでご紹介した1.26ドルミドルが極めて重く、これまでのところ1.2600ドルのバリアすら突破できていません。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルが1.25ドルの巨大バリアを突破!上値のメドは1.26ドルミドル(8月23日、西原宏一)

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ユーロ/米ドルに関しては、報道されつくしたジャクソンホールよりも、9月6日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会に注目です。
■下値余地が拡大している豪ドル
ユーロ/米ドルが上値を伸ばせない中で、ユーロ/豪ドルが上昇しているのは、その対象通貨である豪ドルの失速に原因があります。
豪ドル/米ドル、豪ドル/円は、ともに6月1日に安値をつけて反発を開始、ユーロの下落を横目に上昇を続け、2カ月強、続伸しました。
しかし、このところ発表される中国の経済指標の悪化と、資源関連の落ち込みが豪ドルの上昇を阻んでいます。
豪ドル/米ドルは8月に入り、1.06ドル台前半で上値が抑えられ、じり安の展開。

(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
豪ドル/円も今年の高値と安値を使用したフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(83.26円)近辺で上値を抑えられ反落しています(高値は83.60円)。
(出所:CQG)
8月上旬まで、豪ドル/米ドルは約1000ポイント急騰していますが、それ以降は前述のように、中国関連指標の悪化を横目に豪ドルの下落余地が拡大。
ヘッジファンド勢の注目はユーロ/豪ドルに集中していましたが、上記のことから、彼らの視点が豪ドル/米ドルや、豪ドル/円にもシフトしつつあります。
ユーロ債務問題に揺れるユーロに加え、下値余地が拡大している豪ドルの行方に注目です。
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