■ジャクソンホールよりECB理事会に注目
上記のように、ユーロ/豪ドルが急反発している背景には、欧州債務危機への改善期待もあるのですが、明日8月31日(金)に迫ったジャクソンホールでのQE3(量的緩和第3弾)期待が挙げられます。
ただ、ジャクソンホールでのQE3に関しては、これまで市場が十分織り込んできたため、今週のユーロ/米ドルは上値を伸ばしていません。
ユーロ/米ドルは前コラムでご紹介した1.26ドルミドルが極めて重く、これまでのところ1.2600ドルのバリアすら突破できていません。
【参考記事】
●ユーロ/米ドルが1.25ドルの巨大バリアを突破!上値のメドは1.26ドルミドル(8月23日、西原宏一)
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)
ユーロ/米ドルに関しては、報道されつくしたジャクソンホールよりも、9月6日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会に注目です。
■下値余地が拡大している豪ドル
ユーロ/米ドルが上値を伸ばせない中で、ユーロ/豪ドルが上昇しているのは、その対象通貨である豪ドルの失速に原因があります。
豪ドル/米ドル、豪ドル/円は、ともに6月1日に安値をつけて反発を開始、ユーロの下落を横目に上昇を続け、2カ月強、続伸しました。
しかし、このところ発表される中国の経済指標の悪化と、資源関連の落ち込みが豪ドルの上昇を阻んでいます。
豪ドル/米ドルは8月に入り、1.06ドル台前半で上値が抑えられ、じり安の展開。
(リアルタイムチャートはこちら →FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 日足)
豪ドル/円も今年の高値と安値を使用したフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻し(83.26円)近辺で上値を抑えられ反落しています(高値は83.60円)。
(出所:CQG)
8月上旬まで、豪ドル/米ドルは約1000ポイント急騰していますが、それ以降は前述のように、中国関連指標の悪化を横目に豪ドルの下落余地が拡大。
ヘッジファンド勢の注目はユーロ/豪ドルに集中していましたが、上記のことから、彼らの視点が豪ドル/米ドルや、豪ドル/円にもシフトしつつあります。
ユーロ債務問題に揺れるユーロに加え、下値余地が拡大している豪ドルの行方に注目です。
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