昨日はアジア時間でドル円が93円割れを喫したが、欧州序盤では93円台に戻してのスタートとなった。朝は93円台の中盤だったので、値動きだけから判断すると重いと言わざるをえない。
朝の高値である93.53と、その後の安値である92.92の半値である93.22アラウンドが、戻りのポイントとして意識される。またドル円を売りたい人は、その手前でオファーしてくるだろう。株価が急騰、もしくは暴落でもしない限りは、そのようなレンジで動くのではないかと思い、私もドル円の戻り売り態勢に入っていた。
18時前に出たドイツのサービス部門の景況感が予想を上回って、ユーロ買いが強まった。ユーロドルは50ポイントほども上昇したが、やがて反落。どうも1.30台のミドルアッパーは売っておきたいプレーヤーが多いようだ。為替でのリスクテークの動きは1時間もしないうちにおさまったのだが、景況指数をうけて欧州株のほうは持ち上がった。
そもそも今年の最高値の近くまで迫っていたのだから、株価の上昇圧力は高いものであったのも事実。ドイツ株などが大幅高になって、それにツラれる形で、グローベックスでの米国株もジワジワと上がりだした。それでもドル円は思ったほども上がらず、売りたいと思っていた93.20レベルは重そうだ。
ニューヨークオープンが近づくと、米財務次官が通貨安競争に歯止めをかけるような発言をした。また暗に日本の外債購入にも否定的な見解を示した。これで形の上ではドル円やユーロ円の頭が押さえつけられた格好にもなった。しかし戻りを待っていた私にとっては残念。後は株価次第というところだ。
ドイツの景況感が良かったことで、欧州時間のうちからグローベックスで強ぶくんでいた米国株だったが、ISMの非製造業の景況指数が出ると、これもまた予想を上回ったので、マーケットは大きくリスクテークに傾いた。米国株は今年の最高値水準を越えてきて、その後もほとんど押し目は作らずに上値トライ。
ドル円も93.50あたりまで上がったのだが、こんなリスクテークの状況の中でドル円を売り込むのは、いかにも危ない。ちょっとパスすることにして、次のチャンスをうかがうしかない。またこのまま米国株の堅調さが続けば、むしろドル円やユーロ円を買っていかねばならないところだ。
しかしニューヨーク市場の午前場では、米国株が大いにラリーしている割には、ドル円の上昇は限定的だった。やはり財務次官の釘刺しが効いているのだろうか。ドル円はもっぱら93.50以下で推移した。クロス円も小動きに終始した。
今日の東京マーケットでも株高が強まって、日経先物は今年の最高値を更新してきた。これは海外市場に合わせる動きなので納得がいく。しかし為替相場ではそれほどもリスクテークの状況を醸していない。朝からダラダラとドル円は落ちてきている。92円台に突っ込む場面すらあった。ちょっと方向感の裏付けが取りにくいところなので、私としては積極的にポジションを取りたくない相場つきだ。
今晩の注目は遅行指標だとわかってはいても、やはりADPの雇用指数だろう。昨今はFRBなどのQE3の早期縮小も話されている状況なので、雇用の著しい改善にはマーケットは極端に反応してもおかしくはない。ADPをもって世の中の雇用のすべてを語るのは危険であるが、マーケットがなにがしらの株高の理由、すなわちここからさらにリスクテークに及んでいけるかどうかの根拠を欲しているので、過度な反応には注意して臨まなければいけない。
すでにダウ平均などは歴史的な高値水準にいるので、利食いの理由を欲しているのも事実。雇用のデータが良ければ金融緩和がなくなる不安に襲われ、データが悪ければ悪いでリスクオフになることを懸念する。そうした展開が週末の雇用統計まで続きそうだ。私もリスク回避の方向にポジションを張ろうと思って頑張っているが、なかなか相場がそうならないので手数も減ってしまっている次第(涙)。
日本時間 17時00分
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