■高値更新のドル/円、今後は米雇用統計後の値動き次第
米ドル/円は95円の大台にタッチしている。
市場の自己実現性といった見方からは、95円という心理的大台の打診はサプライズではないものの、2月25日(月)高値94.72円のブレイク自体が、強いシグナルを発していると思われる。
2月25日(月)の高値更新と同様、その後急落となるか、それとも高値更新をもって一段と円売りを加速させるか、本日(3月8日)米雇用統計後の値動きで明らかになるだろう。
■ドルインデックスとNYダウは逆相関から正相関に
もっとも、最近の金融市場のトレンドを説明するには、NYダウの史上最高値更新抜きには語れない。
あのリーマンショック前の2007年10月高値、1万4198ドル(史上最高値だった)を超えて以降、昨日(3月7日)までNYダウは3日連続高値更新を続け、記録を塗り替えている。
明らかに、ドルインデックスはNYダウとの関連性を強めている。しかし、2013年の年初から、従来の逆相関ではなく正相関に転換している傾向が明らかであり、大きなシグナルとして見逃せない。
下のチャートで見られるように、従来は、ドルインデックスとNYダウの関係は、大まかに言うと、正相関ではなく逆相関のはずだ。
(出所:米国FXCM)
しかし、次のチャートで示しているように、2013年2月以来、正相関の関係を持つようになっている。
(出所:米国FXCM)
周知のとおり、米ドル高トレンドの受け皿として、円と英ポンドの役割が大きい。
円売りと英ポンド売りがドルインデックスを押し上げてきただけに、両通貨とダウ指数の関係は、より一層、一目瞭然である。
(出所:米国FXCM)
(出所:米国FXCM)
上のチャートが示しているように、米ドル/円は2012年にアベノミクス(※)が発表されてから、英ポンド/米ドルは2013年年初から、NYダウとの関係が強まってきた。
前者は米ドルが通貨ペアの前に来るからNYダウと正相関、後者は米ドルが通貨ペアの後に来るから逆相関となっている。
ドルインデックスとNYダウの関係からみれば…
(※編集部注:安倍首相が主張する経済政策の造語)
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