■資産買い取りを終了させる目安は失業率7%
こうやってみてみると、新たな見解は出ていないようにもみえますが、実は昨日の証言で、市場にはっきりとしたシグナルを送っています。
大部分のFOMCメンバーの意見であると前置きはしていますが、「長期的に正常な失業率は5.2~6%」との認識のうえで、「資産買い取りを終了させる目安となるのが失業率7%」と具体的な数字を挙げてきました。
6月19日(水)のFOMCでは、「経済金利見通し」での2014年末の失業率見通しが6.5~6.8%と設定されていましたので、市場では、失業率6.5%が資産買い取り終了の1つの目安となっていました。
それと同時に、異例の低金利を終了させるメドも、FOMC声明文で前々から言及しているように、6.5%とされていました。だからこそ、市場が資産買い入れの停止と同時に、金利の引き上げもあり得ると解釈してしまった可能性もあります。
そのあたりのニュアンスが、市場にうまく伝わっていなかったのかもしれません。
■緩やかな円安方向への動きは続くのではないか
今回の議会証言で、資産買い取りを終了させるメドが失業率7%、異例の低金利を終了させるメドが6.5%とはっきりと示されたことで、ようやく出口への道筋が分かりやすく見えてきました。
バーナンキFRB議長が非常に大切にしてきた「マーケットとの対話」がなんとか納得のいく方向に向かいつつあるなかで、再び5月や6月に起きた株価の暴力的な下落といった事態は想像し難く、また、それにともなった急激な円高局面も、なくなっていくのではないかと考えています。
(出所:株マップ.com)
現状では、まだはっきりとした方向性は見えてきませんが、金融政策の方向性の違いを考えれば、緩やかな円安方向への動きは続くのではないかと思っています。
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【参考コンテンツ】
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