■バーナンキFRB議長の表情は穏やかだった
ちょうど昨夜(7月17日)、バーナンキFRB議長の下院金融委員会での議会証言が行われましたが、予想外にも共和党議員からの意地悪な質問も出ることなく、「議長の表情は大変穏やかだった」まま、長い証言が終了しました。
6月19日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)後の定例記者会見で、量的緩和策の「テーパリング宣言」(※)を行って以来、市場が前のめりになって過剰に反応してしまったために、7月10日(水)の講演では、いきなりの豹変ぶりを見せていました。
(※編集部注:tapering(テーパリング)とは、米量的緩和政策により進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
【参考記事】
●不可解なバーナンキ発言の背景とは?対ユーロでの米ドル買いがスッキリする!(7月11日、今井雅人)
■これまでの見解をしっかりと確認する発言
しかし、昨日(7月17日)は、これまでの見解をしっかりと確認するかのような発言が相次ぎました。
実際の証言を読み上げる日本時間23時より、1時間30分前に公表された証言原稿と、その後、数時間に渡って行われた質疑応答では、注目されている資産買い取りの縮小について、「事前に決まっていることではなく、規定路線ではないこと」を確認したうえで、「経済状況次第では、買い取りのペースを拡大することもあれば、縮小することもある」と、フリーハンドであることを強調しました。
ただ、FOMC後の定例記者会見で宣言した通り、「2013年末までには縮小を開始し、2014年半ばごろまでには終了する」予定であることも改めて表明しています。
■直後は米ドル売りで反応したが、その後買い戻し
市場の直後の反応としては、同時刻に発表された米住宅指標が非常に悪い数字となったことも重なり、米長期金利が急低下。米ドル売りで反応しました。
しかし、99.04円と前日安値98.885円を下抜けることができず、結局「マクロファンド勢の買い戻し」を受けて、99.955円の高値まで買い戻されました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
こうやってみてみると、新たな見解は出ていないようにも…
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