■日経平均1万5600円台、米ドル/円102.28円まで円安へ!
前回のコラムで紹介したGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオ見直しの話題が出た後も、日経平均は1万5600円台まで上昇を続け、為替市場でも米ドル/円は一時102.28円まで円安が進行しています。
【参考記事】
●米緩和縮小期待の高まりは誤った判断!なぜ株高・円安? 11月相場はまだ伸びる(11月21日、今井雅人)
(出所:株マップ.com)
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
今回は、前回のコラムに続いて、GPIFのポートフォリオ見直しについて、少し詳細に解説をしてみたいと思います。
■今後さらに株高・円安が進行するか
報告書を取りまとめた伊藤座長が、翌日、11月21日(木)にテレビ東京のモーニングサテライトへ出演し、ポートフォリオの配分について具体的な数字を挙げていましたが、その内容は以下のとおりでした。
1.国内債券(国債を含む)を現行の60%から、即時52%、将来的には35%程度にする
2.国内株式を現行の12%から即時17%に、将来的には20%程度に
3.外国債券を現行の11%から即時13%に、将来的には20%程度に
4.外国株式を現行の12%から即時13%に、将来的には20%程度に
5.短期資産は現行の5%を維持
GPIF運用総額を120兆円と考えると比較的短期間の間に、国債を9.6兆円売却、国内株式を6兆円買い増し、外国有価証券投資のための為替市場での円売りを3.6兆円行う、という取引が今後予想されることになります。
為替市場での3.6兆円もさることながら、国内株式市場での6兆円というのはかなりの金額です。実際にこうした変更が実施されれば、需給面から見ても、今後、円安・株高がさらに進行すると考えられます。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
その場合、国債価格の下落を誘発しかねないので、それを日銀が「量的・質的金融緩和」で引き受けていくシナリオを描いているのかもしれません。
■安倍政権が作る政治主導のミニバブル!?
今回の有識者の報告書には、安倍総理の強い関与があると推測されます。実は、2013年の始めごろから、官邸はGPIFを始めとする公的資金での実質的な相場の持ち上げをやっているようだとの情報が聞こえてきました。
官邸の記者からの情報でも、今回も安倍総理自らの強い指示があるようで、おそらく現政権はあらゆる手を使い、政治主導でミニバブルを作っていくという方針のようです。
外国人投資家を中心に、今回の発表が出る前から日本株の大量購入が行われていたことを思い出してみると、ひょっとすると、報告書の内容が事前に漏れていた可能性も否定できません。
海外の状況も相場を後押ししています。先日発表された…
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