(「ザイFX!で2013年を振り返ろう!(3) 【ザイFX!】実況ちゃんねるが人気爆発! 」からつづく)
続いては、FX業界の動向について振り返っていきたいと思います。波乱のマーケット動向に引けを取らず、2013年も大いに動いたFX業界。ここからは、なかでも特に注目したいFX業界の話題をザイFX!独自の視点で紹介していきます!
2013年前半はスプレッド拡大の動きが…
まずは、FX会社各社のスプレッドについて見ていきましょう。2012年は、GMOクリック証券「FXネオ」、DMM.com証券「DMM FX」、SBI FXトレードを中心に極限までスプレッドを縮小する動きが目立ったFX業界。
【参考記事】
●ザイFX!で振り返る2012年(3)【FX業界の動向:前編】スプレッド競争激化
2013年2月1日(金)にSBI FXトレードが米ドル/円スプレッドを1万通貨までの取引限定で0.1銭原則固定に縮小したことで、このままスプレッド縮小競争は、さらに激化するのかと思われましたが、2月14日(木)にインヴァスト証券「FX24」が全通貨ペアのスプレッド拡大に踏み切ったのを皮切りに、流れは変わりました。
以降、複数のFX会社でスプレッドを拡大する動きが出てきたのです。
【参考記事】
●SBI FXトレードが米ドル/円0.1銭固定に!驚愕のFX業界最狭スプレッドを見逃すな!
●インヴァスト証券「FX24」で逆行現象?まさかの全通貨ペアスプレッド拡大!?
当初は、一部のFX会社だけの逆行現象かと思いましたが、そうとも言えず…。2013年夏になると、2月に1万通貨までの取引限定で、米ドル/円スプレッドを0.1銭原則固定に縮小したSBI FXトレードや2012年にDMM.com証券「DMM FX」と抜きつ抜かれつの熾烈なスプレッド縮小争いを繰り広げたGMOクリック証券「FXネオ」が、相次いで米ドル/円のスプレッドを拡大。
この他、FXプライム byGMO「選べる外貨」やマネーパートナーズ「パートナーズFX」も一部通貨ペアのスプレッド拡大に踏み切りました。このようなスプレッド拡大の背景には、当時イケイケだったアベノミクス効果によるマーケットのボラティリティ(変動率)の上昇があったようです。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円月足)
【参考記事】
●SBI FXトレードがスプレッドを拡大。ドル/円は1万通貨まで0.29銭原則固定に
●GMOクリック証券「FXネオ」の米ドル/円が0.3銭原則固定から0.4銭原則固定へ拡大
●FXプライム、マネーパートナーズも…。一部でスプレッド拡大が起きている裏事情
2013年秋頃から再びスプレッド縮小の動きに!
その後しばらくは、各社ともにスプレッドに目立った変化は見られませんでしたが、2013年秋頃から、今度は、再びスプレッド縮小に動きはじめるFX会社が出てきました。
こちらも、まず動いたのはSBI FXトレード。一度0.29銭原則固定に拡大した米ドル/円スプレッドを、1万通貨までの取引限定で0.27銭原則固定に縮小しました。
このほか、マネーパートナーズ「パートナーズFX」や外為どっとコム「外貨ネクストネオ」、FXトレード・フィナンシャル「高速FX」、「FXTF MT4」などが期間限定キャンペーンで主要通貨ペアのスプレッド縮小を行うなど、徐々にFX業界全体として、スプレッド縮小の動きが目立ってきたのです。
【参考記事】
●ドル/円スプレッド0.27銭原則固定に縮小!そして、「NOストップ狩り宣言」とは?
●パートナーズFXと外為どっとコムがスプレッド縮小! キャッシュバックもあり!
●FXTF MT4口座なら米ドル/円0.8銭固定!高速FXユーロ/円0.6銭! 1万4000円も♪
なかでもビッグニュースとなったのは、8月に米ドル/円スプレッドを0.3銭から0.4銭原則固定に拡大していたGMOクリック証券「FXネオ」が、2013年12月9日(月)より、再び0.3銭原則固定に縮小したという話題!
【参考記事】
●スプレッドは拡大から再び縮小の流れへ。GMOクリック証券がドル円0.3銭原則固定に
2012年のスプレッド縮小競争の結果、DMM.com証券「DMM FX」とGMOクリック証券「FXネオ」は、ほぼ同水準のスプレッドを提供していましたが、GMOクリック証券が2013年8月に米ドル/円スプレッドを拡大して以来、スプレッド競争においては、DMM.com証券「DMM FX」がGMOクリック証券「FXネオ」を一歩リードする状況が続いていました。
それが、GMOクリック証券「FXネオ」が再び0.3銭原則固定に縮小したということは、米ドル/円スプレッド競争において、両社がまた横一線に並んだということ!
11月に起きた豪ドル/円スプレッド縮小競争!
ちなみに、2013年11月は、一部のFX会社間で「豪ドル/円スプレッド縮小競争」が勃発していたのですが…この時、GMOクリック証券「FXネオ」は、豪ドル/円スプレッドを1.0銭から0.8銭原則固定に縮小しています。
DMM.com証券「DMM FX」の豪ドル/円スプレッドは、1.0銭原則固定のまま動かず…。ということは、GMOクリック証券「FXネオ」が米ドル/円スプレッドを0.3銭原則固定に縮小したことで、通貨ペア全体のスプレッド競争においては、今度はGMOクリック証券「FXネオ」がDMM.com証券「DMM FX」を一歩リードしたということになります。
【参考記事】
●豪ドル/円スプレッドに11月戦争勃発!GMOクリック証券は0.8銭原則固定に!
流れは、スプレッド拡大から再び縮小へ!? 2014年も、第二次スプレッド縮小競争から目が離せませんよ!
NDD採用! 驚異のマイナススプレッド口座が登場!
スプレッド縮小の背景には、単純に「マーケットの状況が落ち着いてきたから」というもの以外に、2013年に登場した新サービスの影響もあるのかもしれません。
2013年10月に登場したセントラル短資FXの低スプレッド口座、「ウルトラFX」は、まさにそうしたサービスの筆頭格。
【参考記事】
●ウルトラFXの約定率は100%に近い!米ドル/円最小スプレッドはマイナス4.4銭!
●米ドル/円スプレッドが「マイナス0.4銭」?セントラル短資FXの新口座がスゴイ!
セントラル短資FX「ウルトラFX」は、NDD方式(ノン・ディーリング・デスク)と呼ばれる「インターバンク直結型」を採用した口座。変動制スプレッドですが、タイミング次第でマイナススプレッドが提示されることもある! という魅力的な口座なのです。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
【参考記事】
●全約定の50%がマイナススプレッド時!?目ざといトレーダーが使ってるFX口座とは?
これまでもNDD方式を採用しているFX会社はありましたが、あくまで少数派でした。しかし、セントラル短資FX「ウルトラFX」が登場したことによって、変動制でも超低スプレッド(マイナススプレッドを含む)を好むスキャルパー(超短期売買を繰り返すトレーダー)向けの口座としては、NDD方式を採用した口座が増えてくるのかも…!? と、考えられなくもなさそうです。
きっと、これまで原則固定でスプレッド縮小競争をけん引してきたGMOクリック証券「FXネオ」やDMM.com証券「DMM FX」、SBI FXトレードにとっても見過ごせない動きではないでしょうか?
すでに変動制スプレッドながら、かなりの低スプレッドを提供しているサイバーエージェントFX「C-NEX」などは、スプレッド縮小ではないものの、セントラル短資FX「ウルトラFX」の登場を受けて、最低取引量を引き下げるなどの対応をしています。
【参考記事】
●中上級者向けだったサイバーエージェントFX「C-NEX」が秘かに1万通貨取引可能に
新たなNDD方式採用口座の登場に注目するとともに、原則固定で業界最狭水準のスプレッドを提供している競合各社の動きからも目が離せませんよ!
シストレも熱かった! 新規参入会社も続々?
ここまでスプレッドの話題に注目してきましたが、裁量トレードと並んでここ数年、注目が高まっているのが自動売買ができるシステムトレード(シストレ)です。FXのシストレと言えば、インヴァスト証券「シストレ24」に代表されるトレーデンシー社の「ミラートレーダー」が有名ですね。
「ミラートレーダー」は、あらかじめ搭載されたストラテジーを選ぶだけで、誰でも自動売買ができる! ということで、シストレ初心者にも人気のプラットフォーム。現在、日本国内ではインヴァスト証券「シストレ24」をはじめ、7つのFX会社で利用することができます。
【参考コンテンツ】
●システムトレード(シストレ)口座を徹底比較!
2013年に新たに「ミラートレーダー」の提供を開始したFX会社だけでも、PLANEX TRADE.COM、FXプライム byGMO、セントラル短資FXの3社があり、ストラテジーを選ぶだけのシストレとしては、国内人気No.1プラットフォームと言えますよ!
【参考記事】
●FXプライムbyGMOの選べるミラートレーダーがサービスイン! 他社との違いは?
●セントラル短資FXでもミラートレード!開始記念で最大1万円もらえるチャンス。
●PLANEX TRADE.COMで新サービス!「シストレ.COM」なら簡単に自動売買できる
ただし、2013年秋から冬にかけては、FOREX.com Japanやフィリップ証券では、「ミラートレーダー」の取り扱いを終了するとの発表が…。一部では、「ミラートレーダー」から撤退するFX会社も出てきているようです
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