■引き金は米国のテーパリング! 市場はまだ不安定に
そして、こうした動きの引き金となった1つが米国のテーパリング(※)であったのは周知のところです。
混乱が起きた後も、ダラス連銀のフィッシャー総裁は、「(こういう混乱が起きても)テーパリングは予定どおり粛々と進めていく」という趣旨の発言をしています。
であるとすれば、まだまだ市場は不安定になると思っておいた方が賢明でしょう。
(※編集部注:「テーパリング」とは、米量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
■米ドル/円は一瞬100円割れも! ユーロはじわじわ下落
さて、為替市場についてですが、こういう状況下では円高圧力はまだまだかかるでしょうが、私はそれほど大きな動きにはならないと思っています。
米ドル/円が、一瞬100円を割ることはあるかもしれませんが、方向性として円高傾向になるということはないと思っています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
ユーロに関しては、弱い経済指標を受けて、対米ドルでもようやく下落をしてきました。私個人的には、ユーロが強いこと自体に違和感があったので、少し肌感覚にあった動きとなってきています。
ユーロは、緩やかですが、じわじわと下落する可能性が高いと考えています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
■豪ドルの反発上昇は限定的なものになるだろう
最後は豪ドル。2月4日(火)、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])は、政策金利の据え置きを決定しました。その際、スティーブンスRBA総裁は、以下のような発言をしています。
「現状では、最も賢明な路線は一定期間の金利安定である公算が大きい」
つまり、当面金利は下げませんよと言っているわけです。こうした発言になった背景には、オーストラリアの物価が上昇してきたことがあります。
オーストラリアは、3カ月に1回CPI(消費者物価指数)を発表していますが、2013年の第4半期のCPIは年率で2.7%に上昇していました。これが、政策変更の大きな要因です。
豪ドルに関しては、さらなる利下げを期待して、ポジションがかなりショートになっていました。そこに、こういう発言が出てきたことで、豪ドルは対米ドル中心に急上昇しています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/米ドル 4時間足)
これも本格的な反転ではないと思いますが、市場がかなりショートであることを考えると、もう少し上昇の余地はあるのではないかと考えています。
ただ、全体が不安的な中ですから、豪ドルだけがどんどん上昇していくのも考えづらいです。動きは、限定的になると思っています。
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